沙中の回廊 上 (朝日文庫 み 15-2)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (412ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643025

感想・レビュー・書評

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  • まずは最初のシーンで、介推(「介子推」)が登場。と言う事は、主人公・士会が仕える晋公は重耳(「重耳」)で、いきなり思いっきりの宮城谷ワールドです。
    文体もいつもの如く。見慣れぬ熟語・漢字使いのオンパレードでが、すっきりしていて読みやすい。一気に読了しました(人名を覚えるのが大変ですが・・)。
    けれん味が無いというのでしょうか、士会に魅力があります。敵役・趙盾を悪く書きすぎた感じもありますが、その分ストーリーはすっきりしてます。
    宮城谷さんの作品の中でBestとは言わないにしても、とても好感のもてる作品でした。

  • 4022643021 412p 2003・1・30 1刷

  • 再読:【読了メモ】再読(140616 20:34) 宮城谷昌光『沙中の回廊』(上)/朝日文庫/2003 Jan 30th/嗚乎なんて気持ちがいい話だろう。何と教わることの多い話だろう。

  • 「重耳」の続編というべき作品。「重耳」→「介子推」→「沙中の回廊」という順番で読むことをお奨めしたい。

  • 叔僖の話の切なさと、士会の家臣たちの聡明さが印象的だった。

  • 春秋戦国時代、晋の文公・襄公・霊公・成公・景公の5代に仕え、
    最後は晋の宰相に登り詰めた士会(范武子)の物語。

    文公が郤氏・呂氏の反乱にあったところから始まり、
    上巻は襄公が死去したところまで。

    春秋戦国時代の歴史としての面白さを味わうものとしては
    丁寧に描かれていて、良質だが、
    物語としての面白さはやや物足りない印象。

    春秋左氏伝などの歴史書からの記述を丁寧に紐解いて
    わかりやすく書かれてはいるけど、
    素材の良さをそのまま料理した淡白な味付けで
    北方謙三のように素材をもとに自分なりの味付けをし尽くして
    小説として昇華しきってしまわないところが良さでもあり
    物足りなさでもある。

    あくまで時代を通しての人間の生き方・君臣のあり方を
    読みながら、静かに見つめるのが宮城谷昌光小説の読み方か。

  • 「続・重耳」的な位置。

  • しかいかっこいいです

  •  新聞連載をリアルタイムで読んでいて、宮城谷氏との出会いになった作品。連載のときは、挿絵の版画もすごくよくて、文庫化されたときにも一部が収録されているのが嬉しい。<br>
     天を見、地を見ることの素敵さを教えてくれる作品だと思う。作中、士会はいろいろなものを見、聞き、体験することで、本当にどんどん大きくなっていく。弗も筲も杜辛もそう。でも、やっていること自体は、実はそんなに難しいことではなく、立場を違えども私にもできることなのではないか、と思う。だから、礼を知り、尽くすことを、私の人生の中でも実践していきたい。そういう風に考えるようになる作品。

  • 著者は、中国のこの時代(春秋戦国時代)の物語を専門にしているようで、これまで何冊か読ませていただきましたが、ようやく世界史の復習ができるようになりました。<BR>

    で、中国古代史は、秦の始皇帝くらいしか記憶になかったのだけれど、これはそれよりも4百年前の時代のお話。
    <BR>

    それにしても春秋戦国とはよく言ったものです。さすがに冬には戦争もお休みだったようですが、本書では意表をついて冬にも攻撃して成功したというエピソードもありました。
    <BR>
    基本的に、国王を補佐する宰相やら将軍の人のありようを考えさせる偉人伝のようですが、まるでチェスやら将棋をやっているようにも読めてしまいます。前線で死んでいく何万人もの戦士のことやら、馬鹿な国王をそのままにしておく設定というのに、どうにも消化不良が残ります。紀元前の時代、何のために、こうも戦争にあくくれなくてはならなかったのだろう?。。。ということを考えながら読ませていただきました。
    <br>
    2004/11/25

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著者プロフィール

宮城谷昌光
1945(昭和20)年、愛知県蒲郡市生れ。早稲田大学文学部卒業。出版社勤務のかたわら立原正秋に師事し、創作を始める。91(平成3)年『天空の舟』で新田次郎文学賞、『夏姫春秋』で直木賞を受賞。94年、『重耳』で芸術選奨文部大臣賞、2000年、第三回司馬遼太郎賞、01年『子産』で吉川英治文学賞、04年菊池寛賞を受賞。同年『宮城谷昌光全集』全21巻(文藝春秋)が完結した。他の著書に『奇貨居くべし』『三国志』『草原の風』『劉邦』『呉越春秋 湖底の城』など多数。

「2022年 『馬上の星 小説・馬援伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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