まわりみち極楽論: 人生の不安にこたえる (朝日文庫 け 2-1)

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  • 朝日新聞出版
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (257ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022643810

感想・レビュー・書評

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  • 「なにか打算的に聞こえるかもしれませんが、好かれるというのは、つまり自己実現するための一番の早道じゃないでしょうか。いわば生活力ですよね。」p.22

    「・・・言葉は注意して吐かなくちゃいけない。言葉のとおりになってしまうからです。長い目で見れば、人間はウソなんてつけないのかもしれませんね。言ったその言葉を実現するように体が努力していく。そんな気がします。」p.33

    「口癖の力って大きいですよ。だから、どうせなんかの口癖を言うなら、自分を『楽』の方へ連れていく口癖にしなくちゃいけないんです。」p.45

    「人間の遺伝子がじつは三パーセント程度しか目覚めていない・・・『すでに与えられているすべて』というのを遺伝子として考えて・・・自分になにか辛いこと苦しいことが起こった場合でも、それを乗り切る力はすでに与えられていると信じてほしいんです。私は、自分に乗り切れないようなことは決して起こらないと思うことにしています。そして苦労してそれが乗り切れたということは、もしかすると新しい遺伝子が目覚めたってことじゃないでしょうか?そう考えると、起こった事態に対して幸・不幸を考える必要もないですね。」p.215

    「つまり将来への希望を次々に叶える生き方をしてきて、もうある程度叶っているんでしょ。だったらそろそろ希望を持つのをやめたらどうかと思うんです。そう言うとなんだか夢も希望もない、と受けとるかもしれませんが、そうじゃないんです。これまでは周囲のことを二の次にして、十分で勝手に限定した自己を実現しようとしてきた。だけどこれからは、周囲の希望に応じてみてはどうか、とうことなんです。自分では希望が持てなくなっているかもしれませんが、周囲にはきっとあなたを待ち望んでいる人がいるはずです。その人の希望に沿ってみるんです。」p.223

    「そういう人(苦手な人、嫌な人)が存在して、しかも自分に出逢うことの意味は、おそらく二分にとってもっとも気付く必要のある自分の一部だからだと思うんです。・・・その人のどういう部分が嫌なのか・・・きっとそれは、今まで意識したくなかった自分の姿だと思います。無意識でいるとそのまま変化しないことでも、意識化できたときにはそれは自立的に変化し始めます。」p.226

  • 楽しく読めてためになる本です!
    悩んでることがあったり、辛いことがあるかたはぜひ一読を♪

  • 07年: 
    芥川賞作家にして現役の僧侶でもある著者が、寄せられた質問をテーマに仏教の見地から語った本。
    これまで仏教の教えを真面目に読んだり考えたりしたことなかったけれども、非常に感銘を受けたし、自分の価値観、考え方に非常に近いなぁと共感。
    〜『有漏地より無漏地へ帰る一休み 雨降らば降れ風吹かば吹け』『我慢はいけません。(中略)無理無体な現実に直面したとき、心にそれを適応させる努力をしないことを「我慢」というんです。』『アインシュタインがこんなことを言っています。「人間は、私たちが宇宙と呼ぶ全体の一部である。時間と空間に限界づけられた一部である。人間は、自分自身、自分の思考や感情を他のものから分離した何ものかとして経験するが、それは一種の、意識の錯覚である」。ちょっと凄い発言でしょ。』

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著者プロフィール

一九五六年福島県生まれ。慶應義塾大学中国文学科卒業。八三年、天龍寺専門道場入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。花園大学仏教学科および新潟薬科大学応用生命科学部客員教授。二〇〇一年「中陰の花」で芥川賞を、一四年「光の山」で芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。著書に、『禅的生活』(ちくま新書)、『荘子と遊ぶ』(ちくま文庫)、『やがて死ぬけしき』(サンガ新書)、『竹林精舎』(朝日新聞出版)などがある。

「2020年 『なりゆきを生きる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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