もしも、あと少し、幸せになれるとしたら。 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645685

感想・レビュー・書評

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  • 4人の女性の短編小説。

    30歳までに結婚したくて合コン婚活に勤しむ女性、
    子どもが大きくなってきて何かしなければと焦る女性、
    気づいたらキャリア一筋になっていた未婚女性、
    独立したが資金繰りに困っているバツイチ女性。

    共感するものもそうでないものもあるけど、なんとなく最後まで読み終わってしまった。

    本の感想としては、香山リカさんの解説が、本の感想として共感できてよかった。
    また、精神科医ならではの視点のコメントも面白かった。
    ぜひ、この本を手に取った方は解説まで読んでみて欲しい。

  • 年齢も職業も価値観も異なる四人の女性を主人公とするの連作短編集。
    1.2話は、婚活中の29才と専業主婦34才が主人公。
    年齢的には近い2人にも関わらず、共感は難しく、イライラする、後味の悪い2話ではあった。

    でも、3.4話と読み進めるうちに、価値観、生きている環境、すがれるもの、希望が持てる•可能性が見出せるものが異なるだけで、根底にある悩み、根底に流れる不安は1234どの主人公も同じなのだと気づかされる。
    もちろん私が共感できるのは、私と環境が近い3.4話の働く女子たちなんだけど、だけどそれは表層的な部分だけであって、根底の迷いは同じだと、読み進めるうちに気付かされる。(構成がいいんだろうなー)

    そして、気付いたからには、「であれば、私は現実に存在する私と異なるシチュエーションに生きる彼女たちを同じ迷いの中にいるものとして、まっすぐに見れるだろうか?」と自省する。

    表層にあらわらる悩みだけをみて、「世間知らずだ」、と“世間”を自分の“世間”の中で考えて、批判しないだろうか?

    『女女差別』という本があったことを思い出す。本質的な悩みは同じなのに、表層が違うがために、自分の持たないものへの焦り、迷いを打ち消すために、敵対してしまうのはもったいない。

    この小説を通して、遠くの空の上からいろんな女性のジタバタを見て、
    悩んで、ひがんで、羨ましがって、言い訳をして、、、という状態は、とても活き活きしていて美しいように見えるな、と気付いたのでした。

    私も同じくジタバタしている。多くの人がきっとここではない人生を見てしまう。手に入れなかった道をみて迷い悩んでいる。
    つまりそれは、誰もがきっと、ジタバタしていて、輝いている、ということですかね。

    自分のジタバタを肯定できるようになった、小説でした。

  • 全然おもしろくなかった。
    たぶん私がこれを読むタイミングではなかったんだと思う。

  • あぁ、、、女だなぁ。短編ドラマにありそうな感じ。どのヒロインともあまり友達になりたくない。。。

  • 先日読んだ『嫌な女』が良かったので、再び手を出した桂望実さん。
    でもこの本はダメでした。
    本の紹介では長編小説となっていますが、むしろそれぞれ4人の女性を主人公にした連作短編と言った方が良さそうです。主人公同士で共通するのは彼女たちが訪れる足裏マッサージ店という設定。
    どうも主人公の女性たちに共感を感じないのです。仕事は腰掛で婚活に血道を上げる29歳のOL、主婦の座にどっかり座りこんだ34歳の女性、独身の気楽さに慣れ切ってプロポーズを受けられない39歳。最後のブティック運営に苦しむ45歳の女性はまあまあだけど。
    なんだかこっちの方が「嫌な女」。
    ただ一人、足裏マッサージ店の人が良いくらいかな、ちょっと説教じみてはいますが。。
    まあ、男性の私が読む本では無いのかもしれません。

  • 「あるある」だったり、「あー、わかるかも」だったりw
    いろいろ考えると、複雑な気分になっちゃいますねぇwww

  • 読了 2013/8/21

    人生に正解なんてあるのだろうか?
    「今年中に絶対結婚してやる」と合コンにあけくれる29歳真樹。
    自己実現を目指す専業主婦34歳佳乃。
    キャリアウーマン39歳めぐみ。
    バツイチ45歳治子。
    恋愛、結婚、仕事、家族…4人の女性たちの幸せ探しを描く長編小説。

    “足裏マッサージ店”の舞子さんがいい感じの抜け感で好き。

  • 人と比べてばかりじゃ、幸せにはなれませんね。自分だけを見つめたら、まあ幸せなんじゃないのかしら。

  • マッサージ店に訪れる4人の女性のお話。
    あるあると感じる部分もあるが、女性が故の部分が強すぎる女性たちの話。
    読み終えたときになんだか切なさを感じてしまった。。。

  • マッサージ店に訪れる女たちの短篇集。
    29歳OL、34歳専業主婦、39歳キャリアウーマン、45歳自営業バツイチの女たちについて。

    結構さらりと読めて好きでした。
    ただ、登場人物が好きかどうかは別として。

    ちょっと日常がつまらないな~って思った時や
    自分の生き方に迷った時に、こんな人もいるんだ~って
    いうかんじで読んでみるのもいいかも。

  • 貸し出し中 Aya
    2010年9月30日版と書いてある・・18日に購入。

    色々な選択肢を前に自分の選択に後悔する人、選択肢を否定されるとむきになる人・・。女性の選択肢が増えた現代をとてもよく表す、現代小説だなぁと思いました。選択ねぇ、今とても楽しくて・・という無計画なわが身を振り返りました。

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著者プロフィール

一九六五年東京都生まれ。大妻女子大学卒業後、会社員、フリーライターを経て、二〇〇三年『死日記』で「作家への道!」優秀賞を受賞し、デビュー。著書に『県庁の星』『嫌な女』『ハタラクオトメ』『頼むから、ほっといてくれ』『残された人が編む物語』『息をつめて』など。

「2023年 『じゃない方の渡辺』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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