忍び外伝 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.14
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本棚登録 : 43
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022647221

感想・レビュー・書評

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  • 信長の伊賀大虐殺から逃れた忍びの文吾、お鈴、黒子丸が、猿沢の池で,果心居士の不思議な技を見るうちに、文吾は果心居士の不思議な幻術に捕らわれて、時空を超え過去の自分をもう一度見ることになる。そこで、伊賀大虐殺と本能寺の変の真相を知る。足利義満の頃から南朝と北朝の争いが続いており、果心居士とは観阿弥であり、対するのは不老不死の実を持つ南朝の窺見のお式だった。伊賀大虐殺も本能寺の変もその不老不死の実をめぐって起こったことなのだ。果心居士の煙之末という奥儀も時空を超える技だった。観阿弥の熱盛などの時空を超えた物語の能もそれゆえだったのだ。宇宙の成り立ちまでにも迫る雄大な物語である。果心居士の幻術を逃れた文吾、そして文吾を慕うお鈴、黒子丸はこれからどうなっていくのか。頭がくらくらするような面白い話だったよ。

  • 2017/11/30 Amazonより届く。
    2019/4/25〜4/26

    第2回朝日時代小説大賞受賞作。
    完全なる首長竜から読み始めた乾さん、後書きを読むと本作品が先だったんだ。忍者が主役だとある意味何をやっても良いので、作家の技量が試されるが、乾さんこの辺りも抜かりない。

  • 時代小説って、なんか合わないなぁ。
    そいう意味ではとてもよく出来た時代小説なのかも。
    こんど山田風太郎、行ってみる?

  • 忍者活劇。
    時代、時代してないので読みやすい。
    でも、信長とか色々でてくるので、歴史基礎知識は必要かも。

  • 「お前は何ゆえ、忍びになりたい?」 伊賀で一流の忍者に育てられた文吾は、己が忍びであることに思い悩む。やがて織田の大軍が伊賀に迫る! 伝奇あり、活劇ありの究極の忍者エンターテイメント、第2回朝日時代小説大賞受賞作の文庫化。
    (2010年)

  • ファンタジックな伝奇的設定による伊賀の忍者エンターテイメント!

  • 昔読んだ本

  •  ついこの間読んだ「忍びの国」の姉妹編のような信雄・信長の伊賀攻めの話。おかげで経緯がよくわかる。こちらは前は脇役だった石川五右衛門と思しき男が主役で、果心居士の術中にはまって過去と現在をさまようという話。著者お得意の超常世界は今回は忍術というよりは妖術の類なのだが、さすがに果心居士は有名どころすぎていろいろな作品でお目にかかっているので今さら驚かない。意外性という意味では、果心居士の出自とか不死の秘果をめぐる本能寺変の真相とかが新味というところかな。この著者にしては平凡。

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著者プロフィール

1971年東京生まれ。小説家・劇作家。2010年『完全なる首長竜の日』(宝島社)で第9回「このミステリーがすごい!大賞」を、『忍び外伝』(朝日新聞出版)で第2回朝日時代小説大賞を受賞しデビュー。2013年『忍び秘伝』(文庫化タイトル『塞ノ巫女』)で第15回大藪春彦賞候補。近年は作品の英訳版が発売され、中国のSF雑誌にも掲載されるなど、海外での評価も高い。『機巧のイヴ』シリーズ(新潮社)、『見返り検校』(新潮社)、『僕たちのアラル』(KADOKAWA)、『ツキノネ』(祥伝社)、『ねなしぐさ 平賀源内の殺人』(宝島社)など、著書多数。

「2020年 『ドライドックNo.8 乾船渠八號』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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