- Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022647498
作品紹介・あらすじ
【文学/日本文学小説】その力を利用すれば、天下もたやすく手に入れることができるとされる兇神「御左口神」をめぐり、武田・上杉両軍、謎の忍者・加藤段蔵、若き日の真田昌幸、そして山本勘助が暗躍する、伝奇時代小説!
感想・レビュー・書評
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川中島や三方ヶ原の戦いに、武田信玄が呼び寄せた「御左口神」という禍々しい神が出現していた。ここから可憐な歩き巫女の小梅と若き日の真田昌幸の初々しい交流を軸に、歩き巫女の女たちを武田の諜報に養成している頭の千代、得体のしれない忍者の加藤段蔵、武田の軍師山本勘助らが入り乱れて、先の見えない魅力的な話を展開しているのだ。大国主命の息子の建御名方神が祭神といういわれのある諏訪大社を司る諏訪家の頼重の切腹から始まる物語は、いかにも不穏な雰囲気を湛えている。兇神がいてもおかしくないと思ってしまう。主人公の小梅の純情が、その中で温かな色合いを与えているのだ。面白かった。
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著者の文体があわなかったのか少し読み難く感じた
話自体は大変おもしろかったし、なにより最後のシーンには驚いた -
タイトルが変わったということに気づかずに再読。そもそもなかみをまったく覚えていなかった。確かに物語からするともともとのタイトルでいうほど、忍びという感ではなく、巫女が主人公というほうが自然であろう。飛び加藤とか道鬼斎とか多々の有名人物たちを配役しながら、それぞれの役割からする、その配役が曖昧であることと、なんといっても忍びが忍びらしくないのが今一つか。
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山田風太郎を髣髴とさせる時代伝奇。が、山田氏と違うのはおどろおどろしさが薄いこと。読了後になにかしらの爽やかさのようなものが感じられる。