- Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022648136
感想・レビュー・書評
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1970年代~2010年代の、様々な媒体に発表された萩尾望都さんのエッセイをまとめた一冊。いい意味での、とりとめなさが新鮮でした。特に初期に発表されたものは、時代を感じさせるところもあり、萩尾さんの若さを感じさせる部分もあり。これまでの萩尾作品の背景を知ることが出来て、一冊にまとめてくれて本当にありがたいなと思った。萩尾さんを見出した編集者・山本順也氏とのエピソードは心に沁みた。
小説やコミックなどの文庫に書かれた解説も読み応えあり。そういう視点から読み解くのか…!と、脱帽です。特に手塚作品!改めて、「アドルフに告ぐ」再読したいな。
あとがきで「若気の至りと勢いで書きました部分もあって、恥ずかしい限りです」と述べておられたが、いやむしろそこがいいんです!漫画界の神のような存在の萩尾さんだけど、一ファンとして様々な面白い表現物が好きなんだなと改めて思う。マンガ、小説以外にも、舞台、映画、バレエなど…時にキャッキャと語る萩尾さんがかわいらしい。一方で、深い洞察力にさすがと唸らされる。私も色々刺激を受けました!改めて、萩尾さんのファンでよかった…!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紀行文・書評・マンガ評・劇評・映画評、その他たっぷり味わえる。萩尾望都の透徹な眼差しと詩的な分析に酔う。
「わが師の恩」の中、「描いても描いても上手くいかない1シーンを、とうとう時間切れで、かなり手を入れたものの満足のいかないまま入稿した」という31枚の作品とはどれなのだろう。『ビアンカ』は31枚ではないし……。
「妖精」と評される中島らも。最高の栄冠であろう。
「批評の型あれこれ」で列挙された映画ファンのタイプ、自分はどれに当てはまるのか。
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山本さんのことを知りたかったのだった。
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この人の作品はあまり読んだことがないが、最近名前を聞く機会が多いため、手にとってみた。著者が本当に多くの本や漫画に触れているのだと言うことがわかる。知らない作家も多かったので、ブックガイド的にも使えそう。なかなか面白かった。
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1987〜2009、へるめす・キネマ旬報・ユリイカその他の雑誌や文庫の寄稿、初刊2011。?.生まれ育ちや友だち、漫画家デビュー。?.読み込んできた本。?.愛するコミック。?.映画や舞台。
同じものを見て、同じものを読んでも、そこに浸り汲み出す量の圧倒的な違いに、創作者ってすごいと思います。 -
萩尾望都先生が選んだ、きゅっとくる物いろいろ…だそうです。私はやっぱり漫画家の話が面白かった。
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17のとき手塚治虫の「新選組」に出会ったショックで、漫画家になる決心をしてしまった…。萩尾望都があこがれ、求めるものたちを綴ったエッセイ。新たにエッセイ2編とあとがきを加えて文庫化。
考えたこと,見たこと等々を言葉に出来るってすごいなぁ・・・。まぁ,萩尾望都だから当然と言えば当然なんだけど。
エッセイの中に書かれた本とか読んでみようかと思う。 -
萩尾望都さんの傑作エッセイ集とあるので、飛びついた。が、退屈。おそらく、このエッセイを漫画で表現されたら、読者をうならせ、ひきこませる作品ができるのだろう。
残念だけど、逆に、エッセイを書く材料は見つかりそうだ。 -
絵に音楽に踊りに、SFに宇宙に生命に死に、萩尾さんのアンテナが色彩をおびて広がっていく。その語りが、時に熱量高く、時に詩情に満ちていて、心地よい。はっとなって立ち止まって、そこから、そのはっ、は何だったのかを言葉にしていく。「その出会いは一瞬の煌めきで、煌めきは永遠に自分の中に残ります。 幸福な一瞬を抱きしめて、長い時を過ごしてゆくのです。」
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1970年代にデビューして以来、ずっと第一線を走り続ける漫画家・萩尾望都。私は『11人いる!』でその面白さに魅せられ、『ウは宇宙船のウ』を読んだあと、それより前の作品『ポーの一族』と『トーマの心臓』へ。以後もさまざな作品を読みあさり、大人になって漫画をほとんど読まなくなってからも、愛蔵版が出るとついつい買ってしまう漫画家でした。
本作はそんな萩尾望都のエッセイ集。お気に入りの小説、漫画、映画について熱く語り、ときにはこちらがついていけないことも。大島弓子、手塚治虫、中島らもなどの名前が飛び交います。彼女が漫画家になるきっかけや、売れなかった時代の話、ギャラがだんだん上がってきたときの話などが楽しい。あんな漫画を描く人は、こんなことを考えているのですね。思ったよりも普通なことに安心しました(笑)。ま、私はやっぱり「萩尾望都を読むなら漫画」かな。