ラストレター (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648303

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】聴取率0%台。深夜のラジオ番組の大改革に、入社4年目の新米アナウンサーが名乗り出る。リスナーからのはがきを読み上げていく方法は思わぬ人気を呼ぶが、ライバル局からは意地悪され、生放送中にはトラブルが続出。本当にこの番組はうまくいくのか!?

感想・レビュー・書評

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  • 中学時代からラジオが大好き。

    そういえば、さだまさしさんのラジオ番組に投稿して、ハンドタオルをもらったのも中学時代。
    ラジオはその人柄が良くも悪くも出てしまう。
    それがいい。
    ハマってしまう。

    この小説はラジオの深夜放送を舞台にした、さださんらしい物語。
    作品に出てくる人たちが、とても素敵。

    ラジオって、生活の一部になってしまう。
    今も好きな番組があって、ありがたいことにパーソナリティやDJさんと親しくさせてもらって、そこからいろいろな人のつながりができて、本当に世界が広がった。
    そんな私なので、この作品はとても面白く読みました。。

  •  『 勝手に「ラジオ」特集 #8(最終)』
     ーさだまさし さん『ラストレター』ー

     言わずと知れたシンガーソングライターのさださんですが、多くの著作、TV、伝説の深夜ラジオ「セイヤング」のパーソナリティ、コンサート等で軽妙なトークをされている印象です。
     本書も、まるで噺家がラジオ局を舞台にした、長い落語を聴いているかのような印象をもちました。飽きさせない会話の愉しさ、展開の面白さ、登場人物の血の通った人間ぽさや人情‥、後味すっきりでカラリとした〝粋〟を感じるのです。その辺が大きな魅力だと思えます。

     単なる昭和懐古主義のラジオ番組作りでなく、娯楽の趣向の幅が広がった反面、笑いや楽しさの質も軽薄になった現代に、人の心の温もりを感じさせる番組を届けようと、仲間が一致団結して奮闘する姿に、心躍らせました。

     さて、勝手に始めて勝手に終わる(ちょっと短かったかな?)本特集ですが、ラジオのよさは決して廃れず、その役割があるのだと感じさせられました。
     また、少し調べただけでも、ラジオを題材にした映画も多いことに気付かされます。まあ、沼にハマらない程度に鑑賞できたら、と思います。本も映画も奥が深いですね。

  • 昭和のラジオの雰囲気が伝わってきてとても懐かしく面白かったです。
    放送禁止用語(伏せ字)の連発にはちょっと辟易したけれど…。
    ペーパーレスの時代になってしまったけれど、紙(葉書)に書かれた文字や言葉だからこそ伝わる想いというのがあると思います。
    笑いあり、涙あり。心に残る一冊でした。

  • 土曜日の深夜枠に新番組を作ることに。そのパーソナリティーを流されるまま、引き受けることになったアナウンサーの寺島。メールやファックスではなく、リスナーから葉書のみで構成されていく。また、同時間帯では似たような新番組が登場し、競走することに。ラジオの大手4社の中では、いつも3位な会社が果たして追い上げることができるのか?


    ラストレターと聞くと、何かの最終回を想像したのですが、この作品では、番組の最後に読む感動の投稿「ラストレター」として表現されています。

    ラジオということで、リスナーからの内容が読み上げられるのですが、投稿された内容はもしかして実際の投稿?と思うくらい面白いものばかりで、さださんのアイデアが豊富に散りばめられていました。

    なかなか文章だけだと面白みが半減な感じもあり、パーソナリティーが読みあげる技術力も改めて凄さを感じました。

    また、登場する名前が、実際に存在する名前をもじっていて、ラジオ好きな私にとっては、クスッとするところが多くありました。

    個性あふれる登場人物や生放送ならではのアクシデントなど笑いあり、感動ありとさせてくれるので、色々楽しめました。

    今では、少なくなった葉書での投稿。昔は「ハガキ職人」という言葉を聞きましたが、今は聞かなくなったことにちょっと寂しさを感じてしまいました。メールとは違い、葉書ならではの温かみや構成、工夫があり、懐かしさを感じました。

    たまにNHKの深夜に放送される、さださんのラジオ風の番組。リスナーとさださん、スタッフの「愛」を感じることができ、テレビとは一味違った「ラジオ」でいつも拝見しています。

    夜中に読んでみたくなる作品で、はちゃめちゃでしたが、ジーンとあったかくもなりました。

  • 面白かった。
    ただ、面白いだけでなく、感動あり、笑いありとたくさんの要素が詰め込まれていて、読み終えた今も心地よい余韻が残っている。

    古くて、新しい昭和を作る。ラジオを通して。
    この想いに突き動かされ、多くの人が協力する姿は、読んでいてワクワクした。

    誰もが悩み、苦しみ、少しの楽しさを抱えている。
    どんな人も、小さな人生を懸命に生きている。
    この様な文章がありますが、自分の人生と重ね合わせて、多くのことを思いながら読みました。

    最後に、ラストレターの様なラジオがあったら聞きたいと思う。

  • 笑いあり涙あり。
    いつもの「さだ物語」を期待して、裏切られた。いい意味で。

  • 面白かった!笑

    暖かくもあり、笑える部分もあり、
    さださんの本は結構好きだなあ

  • 今読んでいますが本に入っていけていません、さださんの本ははずれ無いのですが? だんだん面白くなってきた❗️面白い泣けた‼️

  • 舞台はラジオ局。主人公の若手アナウンサーが、主人公は時流に反してリスナーからの投稿をハガキに限定した番組を企画し、スタートさせる。その過程で個性的な先輩職員など周りの人たちの助けを得て、影響を受けながら、主人公は成長していく。
    ラジオ局の日常的なやりとりとか、番組がどうやって成り立っているのかとか、とても具体的でリアル。これは長年ラジオ番組やNHK「生さだ」をやっている著者だから書ける物語だと思う。さだまさしの小説にハズレはない。

  • さだまさしさんが落語研究会で培った、洒落と駄洒落と人情物をうまく組み合わせた内容になっている。昭和復帰にテーマを置き少し現代を風刺して本当に上手な構成だな、面白い。

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著者プロフィール

一九五二年長崎市生まれ。シンガーソングライター。二〇〇一年、初小説『精霊流し』がベストセラーとなる。『精霊流し』をはじめ、『解夏』『眉山』アントキノイノチ』『風に立つライオン』はいずれも映画化され、ベストセラーとなる。その他の小説に『はかぼんさん―空蝉風土記』『かすていら』ラストレター』『銀河食堂の夜』など。

「2021年 『緊急事態宣言の夜に ボクたちの新型コロナ戦記2020』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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