闘う君の唄を (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 87
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022648945

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】新任幼稚園教諭の喜多嶋凜は、あらゆることに口出しをしてくるモンスターペアレンツと対立しながらも、自らの理想を貫き、少しずつ周囲からも認められていくのだが……。どんでん返しの帝王が贈る驚愕のミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • モンスターペアレントか…
    はじめは純粋に、自分の子供の為を思って主張してるんやろな…
    でも、段々と子供の為というより、自分とか世間体とか…
    運動会で並んでゴールとか、劇を主役順番にとかが、ホントに子供の為になるとか思うんかな…楽しくない自分の子供を目の前にして…

    ここに主人公の幼稚園教諭 喜多島凛さんが突撃して来る!
    自分の理想を掲げ、モンスター等とやり合う!
    しかし、彼女には、凄い過去が…
    この為の贖罪?
    作中でも少し出て来るけど、他でも、そんな人おった!弁護士やけど…

    加害者の家族は罪はないはずやのに…
    何も悪いことしてないのに…
    何か、世間って世知辛いな…

    よく考えると、
     殺人事件は?
     犯人は?
     大どんでん返しは?

    大丈夫〜(^-^)v
    渡瀬さんも頑張ってる〜!







    中山七里ワールド!

  • 中島みゆき「ファイト」
    各章だても「ファイト」の歌詞が使われています。
    幼稚園のお仕事小説と思いきや、後半はミステリーとしての真犯人が明らかになる物語

    ストーリとしては、
    埼玉の田舎の幼稚園教諭として採用された喜多嶋凛。
    その幼稚園では、モンスターペアレンツがすべてを牛耳っていて、その理由は、16年前の連続園児殺害事件。それから保護者会には逆らえなくなってしまっている状態。
    そんなモンスターペアレンツと対立しながらも、自分の理想を貫いていく凛。徐々に周りから認められていく、まさに幼稚園教諭としてのお仕事小説です。
    そんな中、16年前の事件にフォーカスが当たっていきます。
    16年前の事件とは?
    そして明らかになる真相
    ということになりますが、真相はなんとなくわかってしまいます(笑)

    今回、音楽的な要素はありませんが、自分の中で、「ファイト」の歌詞を口遊まずにはいられません

    読後に「ファイト」の曲が聞こえてきます

  • 過去の陰惨な殺人事件を契機として、保護者会に全く頭が上がらなくなった、とある田舎の幼稚園。理想を掲げ、気負う新米教諭と常識外れのモンスターペアレント達の対決。

    本作、中島みゆき「ファイト」に着想を得た作品だという。タイトルは「ファイト」の冒頭の歌詞だったんだな。

    読むのがしんどそうな内容だったので敬遠していたが、読んでみたらそれほどの苦痛は感じなかった。

    半分くらい読んでラストは予想できた。なのでどんでん返しの驚きはなかったが、スッキリ爽やかな読後感が得られた。読んで良かった!

    常連の渡瀬警部が出てきた。凶悪犯のような面像だったっけ。活躍ぶりがなかなか渋い。

    すべてのエピソードにおいて、年少組の3歳児という設定はさすがに無理があるよな(笑)。レベル感は小学一年生くらいじゃないかな。

    続編も読まなきゃ!

  • 『闘う君の唄を』中山七里著
    社会性   ☆☆☆☆☆
    主人公の魅力☆☆☆☆☆
    そうくるか!☆☆☆☆☆☆

    中山さんの作家としての幅の広さに改めて感服した一冊です。
    それは物語の主人公がどの作品も違うことです。
    ときにピアニスト、検事、刑事、銀行員、総理、監察医・・・。
    そして、この物語は保育士です。
    ーーーーーーーー
    【社会性】
    社会性に☆5個です。舞台は保育園です。保育士の現実、1名で監督する幼児の数、運営するイベントの数、そして父兄とのやりとり。
    その大変さが場面場面から判断することができます。
    そして、もう一つの側面が犯罪者の家族の視点です。学校、知人、近所そしてメディア。犯罪者の家族における基本的人権とは?も、もうひとつの社会性です。
    ーーーーーーーー
    【主人公の魅力】
    自身できめた自身に課した宿命。その宿命をまっとうしようという強い意思。
    しかし、それを許してくれない現実世界。
    主人公は、その世界と戦い続けます。
    きっと幾度となく放棄しようとしたことでしょう・・・。
    強い主人公がときに弱気になるとき、話し相手として選ぶのは実の母親です。
    いかに肉親が支えであるのか?なぜ支えなのか?
    その描写も丁寧なことも、物語の魅力です。
    ーーーーーーーー
    【そうくるか!】
    物語は、主人公の宿命、その宿命が生まれた背景、その背景に迫る真実という大きく3つの構成で進みます。さらに、舞台である保育園の日常・出来事がえ!?という起伏を作り出します。
    中山さんファンにはぜひ一読してほしい1冊です。
    ーーーーーーーー
    少し、弱っているかもな・・・。
    少し、涙がほしいな・・・。
    そんなときの1冊かもしれません。

  • 主人公は幼稚園の新任教諭
    作品の前半は、子供達が幼稚園だった頃を思い出しながら読んでいた
    当時は「モンスターペアレンツ」という言葉はなかったけれど、そんな感じの人もいたなあ
    違うクラスのお遊戯の主役が沢山いて、ちょっとビックリした事もあったし
    運動会のかけっこも、優劣つけたくない理由でみんなで走るという話も何処かで聞いた事あった

    作品の後半は、渡瀬さんが出てきてから真犯人をつきとめに話が行くんだけど、今回は途中で犯人わかってしまった
    いつもの様に騙されたかったよ(笑)

  • 中山七里氏の作品ですが、つい中島みゆきの『ファイト』を口ずさんでしまいます。
    さすが、『どんでん返しの帝王』、後半は驚きの展開です。

    埼玉県の片田舎の幼稚園に教論として赴任した喜多嶋凛。
    そこで待っていたのは、あらゆる事に口出しするモンスターペアレントたち。
    凛は、破天荒ながら、自分の信念に基づき、少しずつ彼女達の信頼を得ていく...

    前半は、ホンワカとしたお仕事小説と思いきや、後半の彼女の出自が明らかとなる以降は、まさに社会派ミステリーの様相に。

    なぜ、彼女は、この幼稚園に赴任して来たのか?
    なぜ、彼女は、幼稚園の教諭になったのか?

    後半から見ると、前半のホンワカ小説自体が、大きな伏線なんですね。

    お馴染みの埼玉県警の渡瀬刑事や、『おやすみラフマニノフ』の神尾舞子などが登場する辺りは、中山七里ファンには、嬉しい限りです。

  • 埼玉県の片田舎、神室町に幼稚園教諭として赴任してきた喜多嶋凛がモンスターペアレンツ相手に奮闘するお仕事小説!ん?中山七里さんがお仕事小説?珍しくない?と思いきや…違った!全然違った!
    中盤突然のどんでん返し!お仕事小説がミステリーに一変した!
    モンスターペアレンツと闘いながらも子供達とのやり取りにほのぼのな様相が一瞬にしてダークなものに変わっていく。
    ん?これはミステリー?…ならどーして前半のお仕事奮闘記が必要?このミステリーにはどーしてもこの前半が必要なのだ。
    必ずこの幼稚園教諭としての凛の奮闘振りが繋がっていくはず…と、後半に入ると読書のスピードが一気に加速!(やっぱりミステリー好きなんだなぁ…と思いながら)
    いや〜面白かった!
    こういう展開なんだ!どんでん返しは1回に終わらず後半にも…
    中山七里さん、面白いですね。
    些か幼児の行動や言動がリアルさを欠く部分もあるけれど、そこはもう、展開の面白さでカバー(笑)

    解説を参考に…まだ読んでいない「おやすみラフマニノフ」、シリーズ途中で頓挫してしまった「御子柴シリーズ」の再読を決意!

    積読本は永遠だ!

  • 3歳とは思えないほど園児がしっかりしていた。やるせないラストでしたが、凛先生は少し重荷から解放されたのではないでしょうか。

  • 年少さんはそんなに大人びていないよ…

    というのはさておき、お仕事系の話かと思いきや渡瀬刑事が登場し、中盤で大きく方向性が変わる展開に。

    いや、あの展開は予想外。
    一気に違う雰囲気の小説になったね。

  • 埼玉県の片田舎、神室町に幼稚園教論として赴任した喜多嶋凛。あらゆることに口出しをしてくるモンスターペアレンツと対立しながらも、自らの理想を貫き、少しづつ周囲から認められていくのだが…。どんでん返しの帝王が贈る驚愕のミステリ。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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