擬態の殻 刑事・一條聡士 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
3.18
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本棚登録 : 240
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022649164

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学小説】腹部を切り裂かれ、手錠を詰め込まれた遺体。仲間との交わりを絶った、警視庁捜査一課五係の一條は捜査に走るが、やがて自分を取り巻く不穏な雰囲気に気づく。そんな中、第2の殺人事件が起こり……。大人気作家による、書き下ろしシリーズ第1弾。

感想・レビュー・書評

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  • 一人での捜査を好む一匹狼の捜査一課の一條に、新しく相棒になったちょっと新米らしくない能力を持った女性刑事の福地。事件は、現職刑事が腹を裂かれて手錠を突っ込まれているという猟奇的な死体の発見されるというもの。ほほう、こりゃ面白くなりそうだなと思ったが、展開は変化がなく、最後も陳腐なところに落ち着いてしまった。主人公にも好感が持てなかった。残念。

  • 一匹狼の一條刑事と相棒の新米福地刑事。

    バディものかと思いきや、中々の単独行動振りだし、福地刑事も曲者です。

    裂かれた腹部に手錠をねじ込まれるという、猟奇的な事件ですが、所々に書かれる健康志向的な記述や一條刑事の抱えるトラウマ的な要素が、続編への伏線な感じでした。

    健康志向についての理由は最後に書かれていますが。

  • 腹部を裂かれ手錠をねじ込まれた刑事の遺体が発見される。
    一匹狼の一条は、無理やり新人の女刑事・福地と組まされるが、その鋭さに不審を覚える。
    彼女の正体とは?

    事件は、連続殺人事件の様相を呈するが、やがて、被害者たちをつなぐ糸が見つかる。
    一条は、混乱する事件の鍵を見つけられるのか?

    少し、残酷なシーンも多々有りますが、その訳とは?

    やたら、健康に気を使う一条ですが、その理由が最後に分かります。
    なるほど、別れた奥さんの手術のためなんですね。
    言葉は乱暴ですが、ハートは暖かいですね。

  • 単独捜査で我が道行く刑事のお話
    猟奇殺人事件の捜査で相棒になった新米女刑事にも注目
    主人公の刑事の過去の話もでてきたり
    健康に気をつかったり
    それなりに楽しめました

  • 一匹狼の刑事、一條聡士が主人公。

    一匹狼と言えば聞こえはいいが、ちょっと自分勝手な物言い過ぎて、主人公の一條がいまいち好きになれなかったのがとにかく残念。飯テロのようなやたら美味しそうな食事描写は結構楽しめたけど。
    事件の展開も、途中まではどういった方向に進んでいくのか興味深く読めていたのに、いざ犯人が出てくると、やっぱり、、、な人で、拍子抜け。相棒刑事の福地さんも、なかなか厄介な一條刑事に対して意外としぶとく対抗していて応援したくなっていたのに、結局はその正体がよく分からないままでモヤモヤだけが残る。今後、シリーズ化させていくつもりなのか分からないが、もう少し彼女の立場をハッキリさせておいても良かったんじゃないかな。

  • 麻見和史『擬態の殻 刑事・一條聡士』朝日文庫。

    書き下ろし作品。一匹狼の刑事・一條聡士が相棒の新米女性刑事の福地麻衣子と共に警察関係者猟奇連続殺人事件の謎に迫る。

    またまた面白い警察小説シリーズが開幕したようだ。主人公の一條聡士のはみ出し刑事ぶりと時折見せる男の優しさが良い。悲惨な猟奇連続殺人事件の全貌よりも、途中からは福地麻衣子が抱える背後の大きな謎の方が気になった。そういう意味ではシリーズ第1作としての役割を充分果たした作品と言えるのではなかろうか。



    描かれる事件は確かに残虐で警察組織をも揺るがすものであったが、今更ながら驚くようなものではなかった。そう感じたのは現代社会で実際に起きている事件が年々残虐性を増しているからだと思う。

  • 裂かれた腹部に手錠をねじ込まれた刑事の遺体が発見される。捜査一課の一條は新人の女刑事福地を組むが、ルールを無視して、一人で捜査を開始する。そして更に同様な手口の事件が発生する……。話としては面白い。しかし女刑事福地の上司があいまいで話がすっきりしない。モットハッキリした方が良い気がするが……

  • 健康には注意する不良刑事
    此の作者の描く人間模様は少しいびつ
    でも、謎はロジカルなんだよね

  • 麻見さんの描く登場人物にしては少し斜めというか世の中に擦れた感じの主人公。
    それぞれ個人が持つ「正義」とはなにか。正しさとは何かなと考えてしまう。
    それぞれ自分のやり方が100%正しいというわけではないけれど、それぞれ罪を憎み犯人を捜す刑事としての本職は全うしているかなぁ、と思う。

  • 単独行動を取る刑事って、本当にいたらすごく大変だろうな・・・周りが。

    導入は面白かったんだけど、犯人のわかり方があっさりしすぎてちょっと余韻が…。

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著者プロフィール

1965年千葉県生まれ。2006年『ヴェサリウスの柩』で第16回鮎川哲也賞を受賞してデビュー。『石の繭』から始まる「警視庁殺人分析班」シリーズで人気を集める。その他著書に「警視庁文書捜査官」シリーズ、「特捜7」シリーズ、「重犯罪取材班・早乙女綾香」シリーズ、『深紅の断片 警防課救命チーム』『共犯レクイエム 公安外事五課』『骸の鍵』『擬態の殻 刑事・一條聡士』などがある。

「2023年 『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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