星巡る 結実の産婆みならい帖 (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 64
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022650320

作品紹介・あらすじ

『結実の産婆みならい帖』シリーズ第二巻!いつの時代も、女は仕事に恋に忙しい。幕末の江戸・八丁堀。産婆の祖母のもとでみならいとして働く結実は、任されることも増え、仕事に誇りと充実を感じていた。一方で、結実の実家の診療所で働く幼馴染の医師・源太郎との恋にも悩んでいた。果たして産婆の自分が、医師の源太郎と夫婦になれるのか……そんな時、源太郎の働く診療所に薬種問屋緑屋の跡取娘・紗江が手伝いにやってくることになった。どうやら、紗江のお目当ては源太郎のようで……

感想・レビュー・書評

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  • <東北の本棚>産婆見習いの仕事と恋 | 河北新報オンラインニュース / ONLINE NEWS
    https://kahoku.news/articles/20220814khn000010.html

    朝日新聞出版 最新刊行物:文庫:星巡る
    https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=23425

  • 産婆見習いから、見習いがとれようとしている結実。幼馴染との恋の行方も気にしつつ、仕事について悩みは絶えない。絶えないんだけど、喜びもちゃんと訪れる。

  • むすび橋につづく第二弾…
    気になっていた結実と源太郎の仲も、無事に
    ハッピーエンドを迎えるとともに、
    真砂の卒中(今で言うところの脳梗塞)による
    闘病により、結実は否応なく一本立ちとなる、
    大きな局面を描いた本作…

    じんわりじんわりと、それぞれの人としての
    魅力が描かれている。
    本当に現代の現実に生きる私たちが、
    日常に疲れた時に読むとホッとする一冊、
    そして、私も頑張ろうと思わせてくれる
    優しい一冊だ。

    今作で好きなのは、第二章の鳥の目…
    弟の章太郎が結実に『大江戸鳥瞰図』を
    見せるところ。
    「目の高さが変われば、見え方が変わる。ものごとも、同じじゃないかって。」
    13歳違い、8歳の弟への愛おしさが伝わるしーんだった。幼くても本当にしっかりしている。
    章太郎の未来を応援したい気持ちにさせられる。

    そして最も印象的なのは、第三章、星巡る
    結実が助けた自殺を図った女性、菊千代のお話。
    ここで初めて知ったのは猪牙(ちょき)
    ??知らなかった。船頭さんの乗る船だったんだね。
    字面からは全く想像がつかなかった。
    結実が猪牙で彼女を送っていく。
    そこから、源太郎が手当てをした市左衛門と繋がり、
    死因や菊千代への思いが明らかになっていく。
    源太郎の記録が全てを書き留めてくれていた。
    まるで、亡くなった後にとどいた手紙のように〜
    ここら辺がすごくうまい。菊への深い愛情が感じられる。すごく良かった。
    また、もらい子をした千鶴をおぶうシーンも
    とても胸にジーンと来る。
    重たい?と尋ねる千鶴が本当に愛らしい。
    幸せになってほしいと読書も願わずにいられないところだ。やっぱり、題名になるくらいこの章は際立って良かった。

    源太郎への思いを告げ、遂げられはしなかったが、
    きちんと結実に話をする、紗江も素晴らしかった。若干、17歳…恐れ入る。
    陽が沈むころ、三日月を見つけると幸運が訪れる…
    これも私は初めて知ったが、すごく素敵な言い伝えだと思う。私もこれからそっと願おう。
    そして、紗江にも、幸せが訪れますように。
    第二作を読了後、そっと思った。

  • こりゃりゃ

  • 前回『むすび橋』の感想で結実が子どもっぽいと言ったのは撤回。
    源太郎を意識してからグッと大人びて、恋と仕事に悩む姿に応援したくなった。2人は絶対上手くいく、と思いつつも祈るような気持ちで最終話まで読みました。
    真砂が倒れたり古くからの知り合いに産婆の仕事を蔑まれたりなど、壁にぶち当たっても産婆は止めないと覚悟を持って言い切る結実が立派でした。

  • 五十嵐作品初めての体験
    江戸時代のお産がよくわかったと共に生死を伴うお産の大変さを再認識した
    二人の新婚生活どうなるか楽しみだ
    続きも読もうと思う

  • 結実が悩みつつもしっかり産婆としての仕事をこなしていて、成長を感じました。
    源太郎との関係もすったもんだありつつ落ち着いて、ほっこりしたラストが良かったです。

  • いろいろな立場の出産を支える結実。誰が幸せで誰が不幸せとか比較出来ない現実。あるある話かな。

  • シリーズ第2巻は、結実と源太郎の恋の行方に、怪しげな男が出現。
    そして同業のおすずの出産。

    産婆を一生の仕事と決めた結実と、医師の道を進もうとする源太郎の未来を明るく照らす一巻。

  • 源太郎が同じ木に登り、同じ空を見ているというだけで、結実は救われたような気がした。

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著者プロフィール

1956年、山形県生まれ。お茶の水女子大学文教育学部卒業。女性誌を中心にライターとして広く活躍。著書に「結実の産婆みならい帖」「読売屋お吉甘味帖」「女房は式神遣い! あらやま神社妖異録」シリーズ、『妻恋稲荷 煮売屋ごよみ』などがある。

「2023年 『桜色の風 茶屋「蒲公英」の料理帖』 で使われていた紹介文から引用しています。」

五十嵐佳子の作品

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