栞と紙魚子 1 新版 (ソノラマコミック文庫 も 16-1)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2007年10月1日発売)
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本棚登録 : 162
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022670854

感想・レビュー・書評

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  • 小学生のあたしが多分、一番多く口にしたコトバが「ねぇ、こわい話して」だった。それくらいあたし、こわい話が好きで、長じて今でもホラー系とか大好きです。

    ただしそこにちょっとしたユーモアとかペーソスがあるのが大好き!
    やっぱほら、カレーでもただ辛いわけではなくて複雑なスパイスのオーケストレーションじゃないですか。いや、そうなんだと思うのですよというか思いたい。

    諸星大二郎さんと言えばオカルティックかつ歴史的な?など印象はどうしても史実モノや西遊記のような妖怪モノで、しかも以前も書いたと思うけど人物の丸みをおびたゴロンと言う造形があたしの好みではなく、たまにしか読んだことはなかったのです。

    ところがあたしおよびあたしの読書傾向をよく知る人が「これはきっと読んだほうがいい」というすこぶるあいまいな(ごめん)勧め方をしてくれたので出会ってしまいましたこの本に。

    勘だけど、こういった偶然の邂逅って、ヒット率高い。そうしてこれも。
    わかったそうか、あたしが諸星作品に完全にシンクロできなかったのは、主人公がごろっとしたもっさいフォルムのおっさんばっかりだったからだ。ははーん。


    というわけでこの本には、大いにシンクロしました。主人公は女子高生。ちょっと古いにおいのする、イマドキとはかけ離れた二人、でも、それがいい!だってまさに、あたし、こんな感じの女子高生だったもん。ちょっともっさくてでも真剣で、好奇心だけはぱんぱんにあって無鉄砲だけど臆病で。

    そうして本が好きだった。へんな本もレンアイモノも、むしろ今以上に柔軟に読んでいたかも。


    なんてノスタルジックに思い出しながら、読むこの本は楽しかった。
    なんと表現しようかな、うーん、いわばそうね、マンガになったNHK教育って感じだろうか。

    短編で1つ1つきちっと落ちるから、安心して読める。安定した性格の紙魚子と、昔のあたしみたいに地味目なんだけど結構無茶する勢いのある栞のペアが、おいおい尋常じゃございませんよ?という不思議な日常を、割とひょうひょうと泳ぐ楽しさがたまんない!


    元・女子高生とか読書好き、オカルト好きとかにはお勧めです。そうしてちょこっと、オカルトの中にもユーモアの味付けの好きな、複雑なテイスト好みの人ならなおさら。くくくくって笑う頃にはきっとあなたも、彼女たちのファンになってると思いますよ。

    あたしみたいに!

  • 面白い!
    感じたことない感覚がたくさん感じられた気がする。キャラへの愛着の湧き方も他の漫画と全然違う。

  • この子らの感覚というか、神経が怖すぎる。

  • みんなみーんな、頭のネジが数本外れているな!
    ブラックユーモアとはまさにこのこと。

  • メイン二人のネジが外れた会話や作品全体から醸し出るゆるさが癖になることうけあい。
    か細い線で描かれたムルムル一匹一匹の表情や、モブキャラのちょっとした言い回しもいちいち面白くて、一コマも見逃せない。
    シュールな笑いとオカルト好きにはおすすめ。

  • 全巻読了。
    最高。確かにクトゥルー風味もあり。
    これくらいの怪奇と宇宙的恐怖はまさに人生のスパイスだ。<それもどうか

  • 諸星大二郎は途方もない想像力だが、内容が難しかったり、絵が読みにくすぎたりしてだいぶ損な人だなあと思う。

    でも、これぐらいの軽さだと非常にいい。

    ブラックコメディです。

    何が起こっても驚かないムード、シュールでとぼけた感覚が何とも言えない。
    でもってクレイジーで愉快。

    中でもクトルーちゃん一家がすごい。
    クトルーちゃんのママはどこからどう見ても不定型の物体X。
    世にも恐ろしい怪物がフツーの奥様同様に暮らしてるのが面白い。

  • ちょっとおかしな街に次々発生する怪事件(笑)。
    新刊書店の娘と古書店の娘がボケたりツッコんだりしながら
    名探偵ぶりを発揮したりしなかったり……な、第1巻。

  • 世紀の大傑作だと思う。
    まあ、とにかく読んで。
    シュールなSF。

  • 生首がイトミミズを食べたり目がぎょろぎょろ動いたりしたのに驚きました。

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著者プロフィール

1974年、「生物都市」で手塚賞入選。「週刊少年ジャンプ」で「妖怪ハンター」連載デビュー。民俗学、中国の古典、SF等を題材に、幅広い分野で活躍する漫画家。代表作に「暗黒神話」「マッドメン」「西遊妖猿伝」がある。その独創的な作風から、高い評価を受け、2000年に手塚治虫文化賞マンガ大賞、2014年に芸術選奨文部科学大臣賞、2018年に日本漫画家協会賞コミック部門大賞等、受賞歴は多い。ジャンルを越え、多くのクリエイターに影響を与えたとされる。

「2019年 『幻妖館にようこそ 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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