ルポ 児童虐待 (朝日新書 122)

  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022732224

感想・レビュー・書評

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  • どうしても子どもに手をあげてしまう様子がリアルで怖かった。わかりやすいルポだと思う。

  • 3.76/174
    内容(「BOOK」データベースより)
    『1週間に1人の割合で、子どもが虐待死している現実。どうすれば、虐待は防げるのか?児童相談所、児童養護施設、里親、教育現場、医療機関…様々な「現場」から虐待問題の本質に迫る、渾身のルポ。』

    『ルポ 児童虐待 』
    著者:朝日新聞 大阪本社編集局
    出版社 ‏: ‎朝日新聞出版
    新書 ‏: ‎237ページ
    発売日 ‏: ‎2008/7/11

  • 2021/4/29

    辛い。
    児童相談所で、誕生日に5本の蝋燭を立てたプリンを大事に持つ女の子の写真に苦しくなった。

    虐待親と離して終わり、ではない。

  • 1週間に1人の割合で、子どもが虐待死している現実。どうすれば、虐待は防げるのか?児童相談所、児童養護施設、里親、教育現場、医療機関…様々な「現場」から虐待問題の本質に迫る、渾身のルポ。(帯)

  • 2014.12
    出張に何気なく持って行って、電車の待ち時間中にホームで読んで、泣いてしまった。
    様々な事例が掲載されていて、児童虐待という言葉でひとくくりにできないほどの状況があった。ニュースで報じられるたび、親はどんな思いなのかと私は理解できずにいた。でも読んで同じ親として、自分と大差ないことも知った。

  • 一冊で書ききれなかったであろう事例が沢山書かれている。今を知るのによかった。

  •  「一週間に一人の割合で、日本のどこかで子どもが虐待されて死んでいます。児童相談所に寄せられる虐待相談は、この20年足らずで実に30倍超に脹れ上がりました」という、 悲しい現状を伝える一文からこの本は始まっている。

     生後四年までは、大変ながらも幸せな育児の日々を送っていた事、周りの子と比べて小さく、トイレットトレーニングが遅れている事を引け目に感じてしまい外出が減った事、トレーニングが上手くいかず、小学校入学までに何としても終えたいと焦燥に駆られ、気を病んでいたこと、そしてついに腕をつねる、叩くといった行為に出てしまい、最悪な結末を迎えてしまう。
     この背景に、常軌を逸した両親のしつけ(鼓膜が破れるほど拳や竹刀で殴る、母親をかばうも「あんたのせいで離婚出来ない、あんたは失敗作」と罵られつねられる、喜ぶ顔見たさにプレゼントを贈るも目の前で捨てられる、就職後も給料を自分で管理させてもらえない、など)があった。「子供がかわいいが故に」という、とても便利な方便を使う両親のしつけを受け、「いじめられて死にたいという、思いをさせたくなかった」とい一心が、負の連鎖が生まれてしまった。

     2005年度に全国の児童相談所が対応した虐待相談は3万4472件、その内訳は実母2万1074件(61.1%)、実父7976件(23.1%)と実母が突出している。この背景には「いまだに子育て母親の責任という社会的な認識が変わらず、女性の育児の不安・ストレスがある」と、本書では述べられている。
     また、20年前と比較して、「近所に世間話・赤ちゃんの話をしたりする人がいない」という環境の変化・家庭の孤立化も大きな要因になっていると考えられている。その他には【保護者側】望まぬ妊娠、虐待された過去、育児に対する不安・ストレス、【子供側】乳児期であること、何らかの育てにくさを持っているといった、要因が複雑に絡み合っている。

     「児童相談所は何をしているんだ!」と言いたくなるが、彼らも早朝から深夜までひっきりなしにかかって来る電話への対応や、現場への急行、親からの暴力や脅し、学校での保護者懇談会での応対で心身ともに疲れきっており、家庭との両立が出来ず、辞める人も多いという。そこには「介入することで環境や食生活は一次的に解決するが、親子関係は傷つく。それで良いのか。」という悩みが根づいている。
     保護されている子供のケアも大変だ。虐待された恐怖心が消えず夢の中でも苦しむ、ふとした事でパニックに陥る子、大人との関わり方を持ちたいがためにわざと叱られようとする子、ひどい事をされても「おうちに帰りたい」と訴える子の対応に日々追われている。
     もっとも、虐待してしまう親が救いを求めて相談電話をかけても、かけた相手(相談所)によっては「なんで叩くの?すぐにやめなさい」と、一方的に責めているように感じられる悟し方をする者もいるらしく、これはこれで問題だと思う。
     
     虐待された子を育てるにあたっては里親の家庭も大きく貢献している。親から虐待のためにうまく自分の想いを表現できず、素直になろうとしても反対の行動をしてしまうという、アンビバレントに揺れ動く中学生(自分との生活の日々を綴ったルーズリーフを見て、大きく心が動いたようだ)、辛い環境に育ち、一歳にして眉間にシワがあった赤ちゃんや、ネグレクトのために食事を上手く摂れない子など、それぞれの境遇を抱えて生活を共にしている。残念ながら欧米諸国と比べると、まだまだ里親になってくれる家庭は少ないようだが、その背景には「制度が知られていない」「血縁意識による偏見」「一度引き受けたら成人するまで関わらないといけないのでは」(実際は上記の中学生のように、親のもとへ帰っていく事もある)があるという。

     虐待をしてしまう親のケアも大切な課題である。子供が「他動を伴う発達障害」を抱えていることから、(本に書かれているような一般的な育児が通じないからか?)虐待をしてしまうと連絡をいれたところ、「My Treeペアレンツプログラム」というグループミーティングを通し、自分が抱えていた闇と向き合い、ありのままの自分を愛せるようになった母親の例が載っている。
     
    自分用キーワード
    里親制度 保護責任者遺棄致死罪 解離状態 フラッシュバック 厚生労働省『虐待対応の手引き』 「親子連鎖を断つ会」 一時保護所 2003年11月2日大阪府岸和田市(中学3年にも関わらず、体重が25kg(7歳児並)の子がが運び込まれ、後日両親が逮捕。情報を得ていながら対応出来なかったことが問題となった) 改正児童虐待防止法 民生委員 里親(専門里親) 試し行動(反抗することで、周りの大人が自分を受け入れてくれるかを推し量る) 「週末里親」 反応性愛着障害 労働審判制度 

  • 虐待の事例が豊富で読んでいて泣きそうだった。児童虐待を虐待者、被虐待児、児童相談所、児童養護施設、里親、教師の視点から考察し、社会が虐待問題にどう向き合うべきかを考えさせられた。知らなかったことがたくさんあって驚くと同時に知った以上、自分にできることを考えなければいけない。

  • 変な解説はなく事例がたくさん載っているのがよかった。

  • 図書館で読んでて泣きそうになりました。
    ここに書かれている事はほんの一部の、まだうまく行った方の例であって、助けられてないままの子供も多勢いるのでしょう。
    保護施設の人が、とにかく人手が足りない、というのは何とかしてあげたいと思いました。

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