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- Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022732224
感想・レビュー・書評
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2008/8
朝日新聞で掲載された実際の事件をさらに深く取材したルポ。現実に起きている事件が、特殊な事例ではなく、いつ自分の身近でおきてもおかしくないように感じる。ただ、データで社会の傾向を印象付けようとしている記述法はあまり好ましく思えない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
以前読んだ「実は悲惨な公務員」同様、物事を一面的に捉えるのは良くないと反省させられた一冊。児童虐待に直面する、被虐待児、虐待する親、教師、児童相談所、児童養護施設、里親の現状を取材した本。<br>
虐待する親には当然厳罰を、それを未然に防げなかった児童相談所はもっと叩かれるべきのような論調があり、僕も若干そう思っていた。しかしこれを読むと、それでは事態は何も改善しないなと感じさせられた。多くの人は、虐待なんて有り得ない、狂ってると思うだろう。そんな有り得ないことをしてしまう人には、そうなってしまうだけの理由がある。虐待を止められないだけの理由がある。それを理解した上で、社会はどうやったら虐待を防げるか、どうやったら救えるかを考える必要があると思った。<br>
相談所や養護施設の職員がギリギリの人員で凌いでいる現状。諸外国と比較して、全く根付かない里親制度。読んでいて辛くなる。<br>
未来を担う子どもが命を落としたり、トラウマを負ってしまうのは社会にとって大きな損失だ。さらに養護施設の子どもの大学進学率はとても低い。人的資源や予算が限られている中で、最優先に救われるべきは誰か?