- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022733054
作品紹介・あらすじ
本書でおりょうが語る坂本龍馬からは、古き時代の不良のにおいがふんぷんとする。おりょうもまた負けてはいない。仲間と変装して妓楼に繰り出し、奉行所や新選組からは追い回され、船の上で射撃の腕を競い、霧島では天の逆鉾を引き抜く。幕末の輻輳する価値観のなかで、次の時代を信じて行動する男と連れ添った女房が語る「反魂香」は生き生きとして、現代女性にも通じる視線が新鮮である。
感想・レビュー・書評
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『アメトーク』4月20日放送
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一坂太郎「司馬遼太郎が描かなかった幕末 松陰、龍馬、晋作の実像 」(集英社新書)の参考文献から。龍馬の妻おりょうのいくつかある証言集を、再構成し、時代背景の説明と註を付したもの。いままであまり史料的にかえりみられなかったそうだが、肉声を伝えるものとして興味深い。2人で歩いてる時に新撰組とすれちがって気がついたらひとりだけいなくなってた龍馬。寺田屋で暴れる桐野利秋に、ずいと座りこみ、つづけざまに五、六杯飲んだ後に杯をさしだし、「暴れたってしようがないじゃありませんか。つまりはあなたの器量を下げるばかりですよ」なんて啖呵をきったお龍。龍馬が新撰組の詮議を逃れるために、勝、木戸、西郷らとは女の恋文めかしたやりとりをしていたこと、それを知らずに最初は大焼きに焼きもちをやいたことを語るくだり。龍馬が襲撃された時、入浴中のお龍が風呂場を槍でつかれ、上に聴こえるように機転をきかせて「女が風呂へ入っているに、槍で突くなんか誰だ、誰だ」と叫び変を告げたこと。薩摩から長崎へ廻航時、甑灘で大浪に逢い、船が揺れ、人が酔う中、お龍はテーブルに腰掛け月琴をひき、龍馬がニコニコ笑いながら聴いていたシーン。龍馬死後、土佐の実家にあずけられたが、兄夫婦と折り合いが悪いなか、姉乙女は親切にしてくれ、土佐を出るときも一緒に近所に暇乞いし、船までみおくってくれたこと。妹が売り飛ばされそうになったときも、ならず者たちのところへ乗り込んでいってとりかえしてきたことなど。一個の痛快な女傑だったことがしのばれ、またそういったところを龍馬が愛したのだろうということが推測される。
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本書は坂本龍馬の妻おりょうが回顧した龍馬の記録である反魂香、続反魂香、維新の残夢、千里駒後日譚、千里の駒後日譚拾遺などを再編集、解説したものである。
不覚にもおりょうによる回顧談が残っている事を知らなかったのだが、等身大の龍馬像を知る事が出来て面白い。 -
資料としてはほとんど使えないが、気休めにはなったので今回の読書を益とする。
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龍馬の妻おりょうの聞き書きということで、これは貴重な面白い話が聞けるんじゃないかと、かなり期待して読みました。
今まで、パラパラと残っていた文献を作者がまとめた、とありますが、
本当に集めて、まとめただけ、という感じで、枝葉が何もなくぽつんぽつんと話がとぎれて、おもしろみも深みもありません。
千葉さなに関してなど、そこまで言わなくてもいいでしょう、と言うくらい辛辣な言いようで、今世間に伝わっている姿とはおおよそかけ離れていて、龍馬も同じように言っていたなんて、ちょっと首をかしげてしまいます。
これだけですべてに関しての真偽のほどは定かではないなあ、と思わされてしまいました。
やはり話は双方から聞かないと。
もともと私はおりょうさんにはあまり良い印象を持っていないんですよね。単なる嫉妬でしょうか・・・はい多分。 -
坂本龍馬の妻、おりょうが龍馬の死後に語った話を現代風にまとめ直したもの。
龍馬に比べるとどうしても印象が薄いおりょうだが、きっと龍馬に劣らず信念を持った強い女性だったんだろうな~と感じた。その分諍いも多かったのかもしれないけれど、ある種の「気」を持っていたのは確かなんだろう。男装して遊女をからかったとか、妹をさらわれて男を殴り飛ばしたとか面白すぎる・・・。龍馬との思い出や覚えている出来事をおりょうの目線から見たものは面白かったし、どんな風に感じながら激動の時代を生きたのか知ることができて良かったですが、筆者の感想が混じった解説は余計なところもあり(特におさなの話のくだりとか)微妙でした。 -
気性の激しいひとだったんだろうなぁと思った。
語る口調が、龍馬自慢に感じてほほえましかった。 -
2010.2