- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022734037
感想・レビュー・書評
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池田信夫さんと他の学者たちは日本全体をどうしていけば最適かを考えている。書かれていることにも説得力はあって、なるほどと思う。
一方、政治家は国民全員からよく思われなければならないと考える。被災者一人一人の意見も聞かなければならない。
だから、今、誰もが納得しなければならない政策しかできない。(世論=マスコミという図式もあるだろうが)
一方、学者は有権者から嫌われようが、自論を堂々と言える。
長い目で見て、先を予測して物事を計画できる人に政治も任せられればと思うのだが、難しい問題。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
第3章 エネルギー戦略の岐路
澤昭裕さんとの対談が特によかった。
脱原発か否かということから議論するのではなく、エネルギーの安定供給、エネルギー安全保障といった観点から議論するべきである。 -
感情論を一切排除して日本のこと・経済のことを考えてみた時、本書は現状を斬って先陣を切ろうとしている。複数の提案には柔軟性が見えました。今、提示される政策は、これをしてはダメ、あれをしなきゃダメ、というようにガチガチに固まっている節は、あると思います。そういう一元論的な思考は日本全体に蔓延しているけど、これを取っ払うチャンスが今回の震災であるという。本書は、反・脱原発、かなぁ。いや、半・脱原発かな? 明示していません。原発推進派でもなく、脱原発派でもなく。ただ本書を読んで思ったことは、何事も経済次第なのかもなぁと。経済を一番に考えたとき、経済が最も有利に進む方向が、反(半)・脱原発、であると本書は示しています。逆にいえば、「脱原発」が経済にとって「最も有利に」働くならば、脱原発を唱える。当たり前ですけど、ただ単に脱原発を唱えるだけじゃダメなんだな、と。経済的価値を見出さなければ、動けない場合もある…。
今回の件は、避けては通れない道です。ただ、チャンスでもある、というのも確か。
考えさせられました。 -
大体において池田氏がtwitter等で主張されている通り。
①原発継続は当面避けられない。(自然エネルギーが高価で、不安定であることから)。②日本は財政危機にあり、この震災での影響はあるが、基調は変わらない。
ただ、「チャーターシティ」っていう今までの政府の規制をなくして一からルールを作るプロジェクトって面白いと感じた。但しこのルールは地元の人が作らないといけないでしょう。
全体的に池田氏の主張はカタカナのものが多く、理解できなかったりとっつきにくいものが多く。もっと勉強せねばと思わせてくれます。 -
6月に前書きと目次を読んでましたが
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51715765.html
第2章から4章は対談なのでスラスラと読めます。
ある程度、ブログと重複するところはやむをえないですね。
池田さんはビル・ゲイツと組んでシンクタンク作るんですね。
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51741689.html
「エネルギー問題についての研究をサーベイし、正しい科学的知識を広めるための政策シンクタンクを、ビル・ゲイツと共同で設立する予定」 -
池田先生、私のような匿名ブロガーはお嫌いのようですが、奥深き教養にすっかり愛読者となっております。
でもこの本はあんまりオモシロくなかった。
4人の識者相手に対談形式で今後の日本経済を語る、という内容の一冊ですが、池田信夫の本は、縦横に駆使される教養が楽しみなんで、対談形式で具体案を語るという本だと、その魅力が出にくかったのかもしれません。
ゲストのみなさんも非常に優秀な方々なんですが、池田先生自身が以前書いていたように、対談形式の本って、内容は薄い感じがします。
みな非常に正論なんですが、面白味がないんですよね。
さらに読んでいて虚しい気分になるのは、ここで語られるような事は、現実の政治ではまったく議論の対象にもならないんだろな、って思うこと。
そもそも日本はとっくに何をすべきは分かっている。
でもその実現は果てしなく遠い。
少し深く考えて、苦しくても実行しよう、という志よりポピュリズム。
それがテレビの生きる道、だもんね。
今の日本は放射能と電力不足と異常性格の首相が居座る、ほとんどSFの世界が現実となった国。
正論の提言が今ほど虚しい時代はないね。 -
(2011/7/22読了)読み始めたのはだいぶ前だったのだが、章ごとの対談だったため、小幡センセとのとこだけ読んだあとしばらく放置してしまった。で、後で読んでみたら、第3章の澤さんとの対談がなかなかに良かった。特に『脱原発を本気で進めるのであれば、まず現代のライフスタイルを本気で変えるために強制的措置をとることも辞さないという姿勢で政策を進めることを正式に決定してからです。(中略)(そうでなければ)無責任に過ぎるでしょう』(P106)という下り。現在の日本の原発が安全だとは言わないが、しかし、じゃあ原発を無くすために今の生活水準を下げられますか?と聞かれたら、私は、Yesとは言えない・・・冷房もパソコンも手放せません、が本音。
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3.11をうけ、今後のエナジー政策や復興プランなどを有識者との対談、または評論として池田氏が著したもの。再生可能エネルギーが原発に当面変わるものではないことも良く分かる。
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東日本復興銀行を設立する。資金は日銀の融資を使う。政治家に個々のプロジェクトの意思決定に加わらせたら最悪。