新書600 書く力 (朝日新書)

  • 朝日新聞出版
3.76
  • (37)
  • (88)
  • (63)
  • (5)
  • (4)
本棚登録 : 1006
感想 : 95
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022737007

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ジャーナリストの池上氏と、読売新聞1面の編集手帳を担当する竹内氏による対談本。文章を書くコツやノウハウが満載されている。
    文章技法を説明するのではなく、二人が思うところを語り合う形式を取る。その分、どこを重要視するかは読み手に任されてしまうが、頭には残りやすいと感じた。私は文章をまとめる事が苦手なので、「自分が理解していることを書く」「まず要素を書き出す」「書き出しを大切にする」「必要な部品は探しに行く」という基本的な点が腑に落ちた。
    一方で、いい言葉を取り入れたり、名文を読んだりする事で、より綿密な推敲に繋がるという。まだその域は見えないが、いずれ役立てたい。

  • 文章読本だが、対談形式になっているのでエッセイとして読めた。池上彰というと大物との対談で色気を出して自分の知識をひけらかす感があるが、今回の対談相手・竹内政明は一般的にはメジャーな人物でない分、両者の良いところが余す所なく表出されている。
    読後の感想に代えて、印象に残った文章を引用、書き写すことは意外に「書く力」をつけることに役立っているようである。

  • とても分かりやすく、刺激となった。

  • 読者を想定した文章を書く人が
    目的意識を持って読むならいいと思うが

    対談本で、あまりまとまっているわけではないので
    なんとなく読む分にはあまり得るものは少ないかなという印象

  • 知人にオススメされましたので、図書館で借りてきました。

    文章技術の本を沢山、読み漁っている方にとっては、目新しいことは少ないかもしれません。でも、知ってはいても実践出来ていないことは多いので、復習の意味でも読む意義はあると思います。

  • M君紹介


    書く力 ~私たちはこうして文章を磨いた~
    池上彰
    竹内政明



    --------------------------------------------------------------------------
    ●感想
    ・言葉って奥が深い
    ・まずは読書が基本
    --------------------------------------------------------------------------

    第一章 構成の秘密「ブリッジの作り方」
    1. テーマを決める
    * どうしても書きたいことなんてめったにない
    * きのう見た映画でも今日の天気でも、自分の五感で、自分がわかっていることを書くしかない
    * テーマを決めたら、そのテーマと自分をつなぐ「ブリッジ」を探す。必ずあるはず。
    2. 身近な話には魅力がある
    * コラムのなかで面白いと感じられるのは、書き手が家族と交わした会話や学校でのできごとなど、半径3メートルの世界について書かれた部分
    * 自分の経験は、細かい所までよく知っているから、詳しく書くことができる
    * つまり、「自分がわかっている、書ける話」ということ
    3. 連想ゲームトレーニング
    * 書くべき内容がどうしても見つからない場合はどうするか
    * なんでもいいから書き始める
    * 書きながら、自分と自分の対話から書くべきことに行き着くことができるようになる
    * 一つの柱ができたら、連想されることを、とにかく思い浮かべていく
    * それを、原稿に置いてみる
    4. 結論よりもまず「書き出し」
    * テーマと書くことが決まったら、まず書き出し
    * 結論は決まっていなくていい
    * 書いているうちに、ふと結論が浮かぶことが多い
    * 書き出しが思い浮かばなければ、別のテーマにする。それくらい書き出しは大事
    * また、書くべき要素は洗い出しておく
    * 全体の構成は、書き出しを眺めたり、何度も読み返しながら、全体の流れが通るようにする
    * 最初に自分が書いたものを、とにかく半分にしてみる
    * 少なくとも2/3には切ってみる。ずっと引き締まる
    5. 「部品」の種類は多く持つ
    * 文章力は引き出しの量に多く左右される
    6. 向田邦子のうまさの秘密
    * や講演会で話しとき、ほとんど原稿は作らない(池上さん)
    * メモを作る。スピーチで話すべき3項目を簡単に書いておく
    * 3というのは魔法の数字。3を出すと聴衆が納得する
    * 自分の言いたいことを3つに切り分ける。どの順番で話すかを考える
    7. コラムの構成のコツ
    * 書き出しを読んだだけでは、本来のテーマがわかりにくい構成にする
    * ただし、書き出しとオチは、多少なりとも関連付ける
    * 向田邦子のエッセーは、表題と書き出しがつながらない
    * 一つ一つのセンテンスは短くて、リズムがよい
    * いわば、「入りやすい店構え」
    * しかし、奥にどんな商品が並んでいるのか、品揃えがわからない
    * つい覗き込みたくなる
    8. 「部品」の集め方
    * 元の文が明文かどうかは関係ない
    * 内容本位で集める
    * いつか使おうと思ってコレクションしても、なかなか使えない
    * でも、コレクションがあるのとないのとでは、文章を書く楽しさが違う
    9. 思考に奥行きをもたせるトレーニング方法
    * 切り口を見つけるトレーニング
    * 「すごく悪いことをした犯人の弁護士になったら、自分はどうするか」を思考実験する
    * とんでもない人物の弁護ほど役に立つ
    * だんだん、物事の捉え方に奥行きが出てくる
    * 世の中の常識を捉え直すことで、物事を多角的に見ることができるようになる
    10. 最後をちょっと緩める
    * 最後のところでフッと緩める、「戻し」の部分が読後感を心地よいものにする
    * メインストリームを書き終えたところで、ちょっとだけ蛇足を入れる
    * それが余韻を生んで、これまでに書いてきたことが一層読者に沁みわたる

    第二章 本当に伝わる「表現」とは
    1. わかっていることを、わかっている言葉で書く
    * 自分が心の底から意味のわかる言葉以外は使わない
    * 伝わらない文章というのは、自分でもよくわからない言葉で書こうとしたときにできる
    2. ベタに書くことを恐れない
    * 工夫せずにそのまま書くことを恐れないことも、大事な感覚
    3. 感情は抑える
    * 書き手の感情が表に出過ぎると、逆にしらけてしまう
    4. 短文の効用
    1. 一つ一つの文章を短くすると、リズムがでる
    2. すべてを描写しなくても伝わる
     「林家三平さんが、車を運転して、ついスピードを出しすぎて、つかまった。
      窓から首を出して「三平です」と言ったら、「それがどうした」といって、罰金を取られた。」
    3. 「どこで」も「いつ」も書いてない
    4. 「三平です、といえば許してもらえると思った」という補足もない
    5. 「警官」という言葉さえ出てこない
    6. でも情景が目に浮かぶし、話の面白さが伝わる
    7. 事実だけをポンと書く。それでも伝わる。
    5. なぜその本がすきなのかを分析してみる
    1. 自分にとってしっくりくる表現を探す
    2. まず、たくさん本を読む
    3. 好きな本を見つける
    4. その本がなぜ好きなのか分析する
    5. 小泉進次郎さんは、演説の勉強をするために片っ端から落語を聞いているらしい
    6. 控えめな表現の効用
    1. 何かを褒めるときも、批判するときも、書き手の感情を前面に押し出すと、読者は引いてしまう
    2. 政治家を批判するときは、8割くらいの力に抑える
    3. すると、もっと怒っていいんじゃないかと、読者の火がつく
    7. 自分に取材する
    1. 言い切った文章は、強い
    2. ただし、全国放送や全国紙など、幅広い読者を想定する場合は、反対意見を持つ人への配慮をする
    3. 言い切ることはできなくなるが、多くの読者に受け入れられ、結果として言いたいことが伝わることがある
    4. 一般の人が文章を書くときは、現場に行って取材するわけでも、専門家に意見を聞くわけでもない
    5. それなら、自分に取材する
    6. 自分がどうしても譲れないところを明確にする
    7. 特に気負った激しい書き方をしなくても、自然と言い切ることができるようになる
    8. 毒舌は名文である
    1. 褒めるとけなすを絶妙な塩梅で同じ原稿に同居させる
    2. 褒めたいのか、けなしたいのか、よくわからないけど、毒の味はしっかり味わえる
    3. 背景に、リスペクトがある。どこかに、愛がある
    9. 自分の文章は、時間を置いてから読み直す
    1. 自分で書いた文章を読み直しても、どこが悪いのかわからない
    2. だから、時間を置く
    3. 紙にプリントアウトして読み直す

    第三章 名文でリズムを学ぶ
    1. 名文を書き写す意味
    1. い文章を見つけては書き写す
    2. ひとつの本を、頭からお尻まで30回くらいは書き写した
    3. 少しずつでいい
    4. でも、ずっと続ける
    5. 同じところを何度も書き写すことが大事
    6. 繰り返すほど、いい発見ができる
    7. 書き写すと、一字一句追って行くことになる。これが文章修練に効く
    8. そのうち、元の文章を見ないでも、先が書けるようになる
    9. 多くは、言文とは違う、自分の言葉で書いている。それがいい
    10. 「人に伝わる文」の基本がつかめてくると、自然と「自分の文章」も書けるようになる
    2. リズムを身体になじませる
    1. リズムを体得するには、書き写すもいいが、声に出して読むのも効果的
    2. 読む途中でひっかかるところが、ダメなところ
    3. 読むのを楽しむことが大事
    4. お勉強になってしまうと続かない
    3. 家具を買い足す感覚で、好きな言葉を集める
    1. 「いい言葉」は豪華なテーブルクロス
    2. もう周辺に、下品な家具は置けない
    4. 事実の積み重ねで内面を描く
    1. 事実の積み上げによって、人の内面がくっきりと浮き出る
    2. 版画でも、こういう絵を描こうを張り切って全部彫ってしまうと、何も浮き出てこない
    3. 彫りすぎると何も彫らなかったのと一緒になってしまう
    4. 「敵意の繊細さ」 本来はつながらない言葉をつなげる工夫で、文章の強度を増している
    5. 体言止め。ここぞというときに使う。リズムを整える

    第四章 悪文退治
    1. ◯◯したいと思います、は避けよう
    1. 「◯◯したいと思います」は、「しましょう」で十分
    2. 「したい」と「思う」。二重の気持ち
    3. あくまでも気持ちだけであって、するともできるとも言ってないというニュアンスを出そうとしている
    4. へりくだっているつもりになっている
    5. 言葉が文法的に正しいかだけでなく、その言葉に込められた意味を考えなければならない
    2. ちょんちょん括弧は逃げ
    1. 傍点やカギ括弧などの記号は、お手軽に強調できるが、これは逃げ
    2. 表現で驚かすな。事実で驚かせ
    3. 「機会」は注意。自慢話はしない
    1. ジャーナリストが「インタビューする機会があった」と書くのはおかしい
    2. 機会があるのは、ジャーナリストなら当たり前
    3. 「機会」という言葉を使うのは、読者が「へえ」とか「ほお」とか感嘆があがる場面
    4. 「機会」を多用するのは、自分の話を大きく見せるテクニック
    4. 失敗談こそがおもしろい
    1. 自慢話の対極が失敗談
    2. でも、生々しい悩みの吐露は、自慢話と同じく避けなければならない
    3. 読者は視聴者はカウンセラーではない
    4. 失敗談というのは、その書き手や話し手が、その失敗について、心のなかで解決できていないとダメ

  • 「書く」という行為についての新聞人と放送人の対談。対談というところがこの新書を本質的なものにしていると思いました。ふつう「話す」は相手があって成立するもの、「書く」は一人で行う作業、と思いがちですが、実はそうじゃない。ペンなりキーボードなり自分の内側にあるものを文字として外側に出す、そいう外在化された自分と対話する行為が「書く」ということ。だから「書く力」とは「一回、文字にした自分と対談する力」、そう言っていると感じました。だから人はついつい実物以上な自分としての名文にこだわるのかな、あるいはかっこ悪い自分に会いたくないから書くことを遠ざけたりするのかな、とか。この本の二人の達人は、自慢っぽい自分に突っ込みといれたり、ありきたりな自分にカツをいれたり、ああでもない、こうでもないと内なる価値を引き出す「対話力」の名手だったりするのだ、と気づきました。ってな文章を書きながら、今、自分は自分とどんな対談しているんだろ…不明。これじゃ気づいたことの書きっぱなし、ですね。

  • 日々書くことできたえられる。

  • 池上彰さん、竹内政明さんの『書く力』

    もちろんこの本を読んだだけで、書く力が向上するわけではありませんが、そのヒントは満載でした。

    何より竹内政明さんが手掛けている読売新聞のコラム「編集手帳」を書く上での裏話が面白かったです。

全95件中 71 - 80件を表示

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
辻村 深月
ヴィクトール・E...
佐々木 圭一
原田 マハ
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×