太平洋戦争秘史 周辺国・植民地から見た「日本の戦争」 (朝日新書)
- 朝日新聞出版 (2022年8月12日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (443ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022951847
作品紹介・あらすじ
満洲国・インドシナ・シンガポール・フィリピン・豪州・メキシコ……アジア・北米・中南米諸国が直面していた政治的・軍事的状況をとおして、「日米英仏中ソ」の軍事戦略・政治工作・戦闘の詳細を明らかにし、「日本の戦争」を多面的・複眼的に読み解く。
感想・レビュー・書評
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大戦の時系列はもうたくさんという方でも飽きずに読めると思える。
周辺国、とくに植民地とされていたアジアの国々。
そんな国が大戦とどう向き合ったか、今まであまり触れられてこなかった部分があった。
タイは日本人にとても人気の国であるが、タイの大戦の処世術には驚いた。
侵略しつくし他国の地で戦争を繰り広げ地元民も巻き込む、日本の戦争は嫌われて仕方ないものだと思ってきたが、そればかりではなく日本人も土地の人に喜ばれることもしていた事実があって安堵した。
戦時でも現代でも、みんなのお腹までは読めないが、口から出る言葉と本当の気持ちば違う。
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週刊金曜日20221028掲載 評者:加藤直樹(フリーライターwiki)
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第二次大戦で日本軍に占領された東南アジアの国々や英連邦の国々(カナダ、オーストラリア、ニュージーランド、インド)及び中南米などの周辺国から見た太平洋戦争と終戦後の独立について体系的に学ぶことができた。
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太平洋戦争への道ー大日本帝国はいかにして戦争へと進んだのか/インドシナ(フランス領・仏印)-日本軍と協力したフランス植民地当局/マラヤ・シンガポール(イギリス領)-日本軍の電撃的占領と中国系市民の虐殺/香港(イギリス領・租借地)-開戦初日に日本軍が軍事侵攻した「東洋の真珠」/フィリピン(アメリカ領)-アメリカに独立を約束されていた国での戦い/東インド(オランダ領・蘭印)-日本の戦争目的であった石油産出地インドネシア/タイー外交力で戦乱を乗り切った東南アジア唯一の独立国/ビルマ(イギリス領)-日本軍を信頼し、裏切られたアウンサンと民族派/インド(イギリス領)-連合軍・枢軸軍のインド兵部隊と独立運動/モンゴルーソ連と日本、中国の狭間で翻弄された「蒙古」民族〔ほか〕