動乱の日本戦国史 桶狭間の戦いから関ヶ原の戦いまで (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022952349

作品紹介・あらすじ

教科書や小説に描かれる戦国時代の合戦は疑ってかかるべし。信長の鉄砲三段撃ち(長篠の戦い)、家康の問鉄砲(関ヶ原の戦い)などは後世の捏造だ! 戦国時代を象徴する6つの戦について、最新の研究結果を紹介し、その実態に迫る!

感想・レビュー・書評

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  • 第一線の現役研究者による合戦に関する最新研究状況。「川中島の戦い」「桶狭間の戦い」「三方ヶ原の戦い」「長篠の戦い」「関ヶ原の戦い」「大坂の陣」という六つの戦いと、「豊臣秀吉の天下統一過程」について解説している。
    かつては偽書扱いだった「甲陽軍鑑」の位置付けが変わっている事や、徳富蘇峰の著書が後世に与えた影響の大きさなど、改めて知る事ができた部分が多かった。やはり第一次史料となる書簡等を元に説明されると説得力が違う。
    ⭐︎は4つ。個人的にはすごく面白いけど、研究書とかに縁が無い人にはちょっとハードル高めかと…。司馬遼太郎の「関ヶ原」「城塞」などと照らし合わせながら読むと無茶苦茶面白そうです(そんな読み方すんのはアンタだけだ)

  • サクサク読み進んで、とても面白かった。書籍等で最もメジャーな戦国時代の合戦史が、旧陸軍主導の研究という背景から、最も研究が遅れていた分野であることは、ある意味、新鮮であった。
    研究者らで議論されている新説、反論説で戦国合戦をテーマにした新しい筋書きの歴史小説が生まれることを期待したい。

  • ドラマなどで有名な戦国時代の合戦の通説に対する近年の研究のレビュー。歴史研究のアプローチがわかって面白い。新しい史料の発見や従前史料のテキストの新解釈や信憑性の再評価により教科書的な記載も大きく変わりうることを実感させてくれる。

  • 通説を述べ、それを覆すような研究成果を紹介し、自らの見解を付け足した内容。かなり他人に乗っかった中身で読み応えが無いが、戦国時代にそれほど馴染みない人には新鮮に映るだろうし、その場合それなりに有用かも。

  • 戦国時代後期の著名な合戦について最新研究動向を紹介する内容。旧来の通説・近年の研究史・現段階における諸説の解説という構成であり、論争を俯瞰的に見ている点で一般向けとして理解しやすい良書だと思う。

  • 戦国合戦について最新の研究動向について、それぞれ概説している。

  • 歴史小説等から定説となっている戦国の戦を最新の知見から再評価する。小説と歴史学は全く別物、それぞれの魅力がある。

  • 戦国時代の有名なお話、桶狭間の戦いや長篠の戦いで、エポックメイキングな要素はほとんど後世の作り話だという最新の研究者達の論考の紹介本。


    まぁ、そんなもんだろうな・・・と思われたものの、こういう(一般人をがっかりさせるような)研究をする人達のモチベーションって何だろうと不思議でならない。

  • <目次>
    第1章  川中島の戦い
    第2章  桶狭間の戦い
    第3章  三方ヶ原の戦い
    第4章  長篠の戦い
    第5章  関ヶ原の戦い
    第6章  大坂の陣
    第7章  豊臣秀吉の天下統一過程

    <内容>
    呉屋さんの本としては、過激さがない穏当な本。様々な学説を淡々と斬っていく。しかし自説はない。第7章の「惣無事令」についても、東日本と西日本で違うという説。

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著者プロフィール

国際日本文化研究センター助教
著書・論文:『応仁の乱 戦国時代を生んだ大乱』(中央公論新社、2016年)、「永享九年の『大乱』 関東永享の乱の始期をめぐって」(植田真平編『足利持氏』シリーズ・中世関東武士の研究第二〇巻、戎光祥出版、2016年、初出2013年)、「足利安王・春王の日光山逃避伝説の生成過程」(倉本一宏編『説話研究を拓く 説話文学と歴史史料の間に』思文閣出版、2019年)など。

「2019年 『平和の世は来るか 太平記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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