- Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023303737
感想・レビュー・書評
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めっちゃわかりやすい本なのに読むのにずいぶん時間がかかってしまった。。 自分のアホさを思い知る。
「知らないと恥ずかしい」と書いてはいるものの、自分の知らなかったこと、新しい気づきや視点を得られたし、社会を形成する上で(?)とっても大事なこともいっぱい書かれていた。
ジェンダー論という枠にとどまらず、学問をするにあたって、大切なことがいろいろと記してあって、大学の講義を受けているみたいで良かった。
ことばは世界を見るまなざしのあり方だよな〜。
枠組みというか。どうやって切り取られているかをよくあらわしている。
かしこい人になりたい。
なんか。。くだらん理屈で人を踏みつけるような人たちには絶対に負けたくないなと思う。
この著者の先生は、ちゃんと闘っててかっこいいなと思った。怒りを感じた。ロック。
図書館の本やのにいっぱい付箋はってしまった。どーしようかな。買おうかな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分に研究できるか、わたしなんかがしていいのか不安になってしまった。。。
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結論ありきではなく、ジェンダーの歴史や積み上げた理論が土台にあって対話がしたいと思います。
ただ、その土台なんか「知ったこっちゃない」という人もいるわけで、対話すればいいもんでも無いという気もします。
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生物学的な性別といっても、性染色体型/性腺の形態/外性器の形態という(少なくとも)三つのレベルがある。
なおかつ、それぞれ男性型・女性形という両極だけから構成されているわけではない。
<性別の各レベル>
①外性器
通常、われわれはこのレベルの観察にもとづいて個体の性別を「決定」する。
しかし、外性器の形態と性腺の構造が一致しない場合がある。
②性腺 =胎児期のホルモン分泌により形成
さまざまな状態異常
・女性仮性半陰陽:外性器は男、性腺は卵巣
・男性仮性半陰陽:外性器は女、性腺は睾丸
・真性半陰陽:卵巣と睾丸の両方を持つ
③性染色体 女XX、男XYが「正常」
このレベルの「異常」に起因する、非「二値的」身体諸形態
・クラインフェルター症候群 表現型=男性とされる。
外性器は男性、身体形状は女性的、睾丸の分離は悪く、無精子症、ひげや脇毛の発生は不良。
・ターナー症候群、XX男性、睾丸製女性化症候群、など。
二元的性別という観念を成り立たせる<まなざし>
「子供を生むのが女、精子を提供するのが男」という基準。
「人間には男と女しかいない」という信念を、論理的には根拠付けることのできないまま保持している。
<性別そのもの>のレベルにおいて非典型的な人びとをこの社会から排除し、抑圧している。
性差とは男性と女性、それぞれの集団間の違い
「差別はステレオタイプを前提としている」
人間を一人ひとり異なる人格として見るのではなく、その人の持っている特定の属性だけに注目して他の点は切り捨てる。
典型的な例は女性である・黒人であるという理由で、就職の面接にさえ呼ばれないという場合。
「認知的予期」と「規範的予期」 ニクラス・ルーマン
認知的予期:予期に反した場合、それまでの予期を捨てる
規範的予期:「相手方の責めに帰せられる」
「らしさ」とは事実であるかのように偽装された規範 -
ジェンダーについての入門という事で肉体的な性別そのもの、自分の性別の認識、社会的に作られた男女差、社会的に作られた男女別の役割。等大まかな説明をしてくれているので入りやすかった。
自分の性の認識と社会的に作られた男女の役割(男ならこうであるべき女ならこうであるべき)で、「男は女として、女は男として過ごせば望まない性別を強いられる辛さが分かるでしょう」の文にとても衝撃を受けた。自分の心が望まない事をジェンダーについての理解が進んできているとは言え社会全体が強制してくる辛さは想像ができた。
また、自分の言動が性差別になっているかもしれないという危機感も持った。何気ない一言でもその人にとっては深く傷つく言葉かもしれない。そんな事を言っていたら何も言えないじゃないかとも正直思うけど、でも、その時に自分の言動を振り返り見直せる様にはしておきたいと思う。
ジェンダーがどうとかよりもその人個人の大切にしている物を否定せず受け入れる事が大切だなと思う。 -
■一橋大学所在情報(HERMES-catalogへのリンク)
【書籍】
https://opac.lib.hit-u.ac.jp/opac/opac_link/bibid/1000116339
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SDGs|目標5 ジェンダー平等を実現しよう|
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/60293 -
展示テーマ:ジェンダーギャップ
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「ジェンダー」について、その言葉や基礎的な背景を解説し、さらに自分自身で考察するために必要なことが書かれている。
想像していたよりも難しくはなく、段階を踏んでいるので書いてあることを理解しやすい。それでも難しい言葉や初めて触れる言葉、言葉の定義の話は多い印象なので、少なくともキーワードはメモしておけばよかったと後悔している(もう一度読もう)。
後半で、「男女の平等」から「個人の平等」を説いている部分には、なるほどと納得するしかなかった。
咀嚼しきるには少し時間がかかりそうだけど、間違いなく読んでよかった本だと言える。 -
2017年発行の「はじめてのジェンダー論」へ繋がる、こちらも同じく入門書的1冊。加藤先生の講義を聞いているみたいな感覚で読めた。
それにしても後年発行の上記で取り扱われている問題と、本書(その約10年前)に議論されている社会の問題がさほど変わっていない事に、やり場のない気持ちが湧き上がってくる。でも、これがジェンダー論を取り巻く今なのだ。学び、自らの思考をもっと掘り下げていかねばと思った。
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2019.3.12
基礎を学んだ!!!
ジェンダー論ってかなり具体的な哲学のような印象
言葉によって人がどれだけ無意識で定義される/しているか、というのがわかっておもしろかった とにかく言葉に細心の注意を払うのが大事なのだな。。。こういうことを議論するのって本当に難しい、サッと出した言葉が当人は正しい意味で使っていると思っていても正しくは違ったりその逆だったりして小さい亀裂がどんどん生まれる それが決定的な決裂になったり もう文面だけで議論したほうがいい気がする、ラインとか 記録が残るようにライン会議したほうがいいよ。。。
なにを持って男/女とするか、みたいなところが面白かった
太古の昔から目で見て男だ!女だ!っていう判別の方法が変わらないっていうのがおもしろい
あとたとえば、性自認が男と女の境目だとして、この世界が全く男らしさ女らしさという概念がない世界だったとしたら、人間の意識ってわたしは男/女だ、って定義はしないと思う(むしろ自然と今男らしい女らしいとされるような性質が身についているのであればそれはそれでおもしろい)のだけど、その場合って、中性っていうのはどのような形態になるのかなあって少し思った そもそも真ん中とかない世界ってどうなるんだろう?誰かそういう小説書いてください