- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784023308442
感想・レビュー・書評
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現在企業の中で組織のフラット化が進んでいますので、この本でいうところの「課長」という定義が少し不明確なところがありますが、私は「最小限のチーム」を率いる人を課長と認識しています。
その定義に基づけば、私も数年前からあるプロジェクトのリーダーを任されていることもあり、普段配っている名刺に書かれているものとは少し異なりますが、私はこの本でいうところの「課長」に相当することになります。
今後のプロジェクト運営を円滑にするためにも、この本で紹介されている、課長力を構成する、6つの力が意図するものを自分なりに咀嚼してみる必要がありそうです。
特に、課長の仕事は管理することではなく、チームを「束ねる」ことによって、チームの力を極大化させること(p155)は大切なポイントです。個人的には、6つの力の中で、「観察」「跳ぶ」「伝える」束ねる」に注力してみようと思います。
成功していないのにギラギラ感のない(爽快感のある)秘訣=他の誰かのために頑張る(p212)、はこの本から得られた最大のポイントと認識しました。
以下は気になったポイントです。
・世界最強を誇り、日本のモノづくりの代名詞でもあったトヨタ自動車がGMを追い越した途端に苦境に陥ったのは、日本経済が成し遂げてきたこの50年の成長曲線がピークアウトを迎えて、次の50年の入り口にあることを示している(p27)
・デュポン、ジョンソン・エンド・ジョンソンが、100年以上も優良企業として地位を確保しているのは、新たな成長曲線を自ら描き、実現するという「新陳代謝」を能動的に繰り返してきたから(p29)
・課長が重要な理由として、1)時間軸の長さがある、定年まで20年近くある、2)会社を変えるだけのインパクトを持ち得る大きな集団、3)リスクをとれるポジションである、こと(p33)
・多くの企業が「守り」に終始してしまっているのは、1)大きな成功や失敗体験が少ない、その機会自体が存在していなかった、2)上司から教えられたり、後輩に教えた経験が少ない、3)チームや組織に対する帰属意識が少ない、である(p41)
・自分のアイデアに賛同してくれる仲間をつくれなかったことが、敗因としてあげられる(p60)
・「変わっているなという人が時代を変える」、失敗しないのは、けっして良いことではない(p77)
・大組織の中で何かをしようとする時は、最初はあまり目立たない方がよい、ある程度までは地味にコツコツやって「いける」と思ったら組織に働きかけたほうが効果的(p83)
・「観察する力」を高めるためには、1)現地現物を心がける、2)目的意識を持って、じっくりと観察する、3)小さな気づきを大切に、である(p128)
・小さな気づきをもとに、「仮説」を打ち立てることが、種を育てて、花を咲かせ、果実を手に入れるために必要(p129)
・常識に挑戦して「跳ぶ力」を高めるためには、1)顧客目線で考え抜く、2)勇気をもって、思い切り外れる、3)複数の「小さな気づき」を組み合わせながら発想する、である(p135)
・伝える力を高めるには、1)事実を突きつける、2)熱意をもって本気でやる、3)誰に対して、どのような順番で伝えれば有効かを考える、である(p142)
・課長の仕事は管理することではなく、チームを「束ねる」ことによって、チームの力を極大化させること(p155)
・束ねる力を高めるには、1)自分の「分身=自分の思いを共有できる人」とつくる、2)ぶれない軸=目標をつくって、安易な妥協はしない、3)任せて、育てる、である(p157)
・6つの力とは、観察・跳ぶ・伝える・はみでる・束ねる・粘る、である(p167)
・成功した人にギラギラ感がないのは、「他の誰かのために精一杯努力して頑張っているから」(p212)
2011/3/13作成詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
成功した課長達のパターンを取り上げただけの読み物かな…。個人的には微妙な内容だった。