アウトプットのスイッチ

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  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023310636

感想・レビュー・書評

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  • アウトプット
    A:品質・価格・デザイン・パッケージ・広告といった意識的なアウトプット
    B:発信する人や会社が内包している、無意識なアウトプット
    年々下がっていく売上に困り果てた地方の中小企業が、デザイナーと組んで”デザイン○○”を作ってみた。けれども、雑誌に取り上げられるばかりで実際の売上に伴わず、結局倒産してしまった。 30頁
    人は慣れ親しんだ方のものを良く思いがち。既存のものを打ち破るのは相当インパクトが必要。
    ブランドは「商品、企業が持つ”らしさ”」
    売れるを作る三原則
    1「ブーム」を作る
    2「ブランド」をつくる
    3「発明」する
    「ありそうでなかったもの」を生み出す。
    売れるを作るヒントは、「どこまで緻密にアウトプットの質を高めるか」
    商品の品質的な魅力は何なのか。
    Aの意識的なアウトプットのクオリティーをどれだけ高めるか。
    原点に立ち戻り、商品を素の兆対で見つめる。
    シズル感を上手に表現する。=トーン&マナー 両立
    会社のブランドとアウトプットを整理する。
    「そもそもどんなブランドなのか」「そもそもどんな企業なのか」「なで、これを作ったのか」 = 思いを抽出する。

    真面目さ、信頼感、を意識したシズルを出す。

    ・コネクティング・ドッツ 点をつなぐ 「ドットが繋がった」
    ・儲からないほうが美しい 美術
    ・高級志向ではなく「本物志向」

  • ・人はアウトプット=出力されたものしか見ないし、アウトプットの裏側にあるものを見抜く。それを見て瞬間的に評価し、買う・買わないといった決定を下している。

    ・遊びとは生産性に結びつかないもの。生物にとって遊びではない行為・形・特性が遊び。生産に結びついていない、果実に結びついていないことのほうが実は美しいという逆説。遊びとは基本的に逃走。遺伝子の命令からいかに逃れるかという逃走。

  • ・売り上げの伴わないデザインなど、機能していない、ただの自己満足的お絵かきである。

    ・例えば、時計を買うとき、
     「このブランドの時計ならちゃんとしているはずだ」
     「あのブランドのあの時計をつけているのだ」
     「このブランドが持つ伝統やストーリーへのあこがれ」
     を、時計の向こう側に見ていて、それゆえに高くても買う。

  • こんなにさらりと綺麗にうまく行くものだろうか?簡潔すぎる…。

    なんというか、水野さ自身には迷いがないんだなぁ。私は他の人が違う!と言っていて、再三説得するまでできるだろうか?そっちの方が正しいのが?とぶれすぎてしまう。。

    今まではそれを判断する立場になかったけど、これからはバンバンそれを決断していかなくてはならないのが辛い。

    水野さんの境地までは遠い…。

  • アウトプットのスイッチと言う表題ではあるが具体的なアウトプット手法はあまり書かれていなかった。
    ブランドイメージは内包的なものが表層したものであるということは正にその通りだと思った。
    表面を取り繕っていても最終的には本質になる内面が備わっていなければ見ているものには見破られてしまう。

    最後の対談はどのあたりがアウトプットのスイッチなのか主旨がよくわからなかった。

  • 『アイデアの接着剤』が入門編なら、こちらは実践編といったところです。偶然や神憑りに頼っては仕事になりません。結果だけ見れば芸術的でも、そこには的確で堅実な設計書があるのです。それが良くわかる書籍です。

  • 『センスは知識からはじまる』が面白かったし、水野学さんの著作もう一冊読むか・・と思って手に取ったら、
    福岡伸一さんとの対談とか書いてるじゃないですかー!!これは読まざるを得ない。

    以下、備忘。
    ・ライバルは同業他社である、と言う誤解(p.24)
    ・トーン(統一感の醸成)と、シズルの両立(p.126)
    ・どんなに強く確信していても、「直感的にそう思う」は絶対に使わない。理屈できちんと説明する(p.129)
    ・「仕事がしてある、してない」(p.141)
    ・物心がついて、最初に触れるセンス・オブ・ワンダーで人生が決まる(p.143)
    ・自然界のデザインは合目的にデザインされたものではない。偶発的に発生した様々なものの中でたまたま適したものが残ったに過ぎない。本質的に発生系なものだ、という特性を忘れると、真実を見誤る(p.148)
    ・命令から逃れる逃走の楽しさ、甘美さ(p.166)
    ・インターネットなどのいわゆる情報は、本来的な生物にとっての情報とは異なる。生物にとっての情報は、消えてしまう刺激のこと。においなども同じ強度で同じシグナルが来ると、感知できなくなる。(p.172)

    水野さんの結びの言葉として、3.11以降の私たちは人生のはかなさを改めて知り、"本物"を求めるうねりが動き始めたと。
    そんな流れの中で"売れる"ためには、「~っぽい分類」で本質を明らかにし、アウトプットの精度を高めることなのだそうです。

    ともすれば非常に主観的な「~っぽい分類」ですが、あくまで論理的に説明できないといけない、という話は興味深かった。
    デザインを専攻していた友人が、「デザインには理由付けが必要」という話をしていたのを改めて思い出しました。

  • 水野さんのトークショーに行った時と同様、「すごいデザイナーも、天才なわけではなくて普通の人なんだ」と思った。いい意味で。
    あとがきでは、家族への感謝の言葉に涙腺が緩んだ。

    今の世の中が求めているものが何なのか、という話はとても納得できた。
    変にひねくれていない素直な計算高さは必要だ。
    デザインのプロセスが順序立てて説明されているので行き詰まったら役に立ちそうなところもあったし、本編以上に対談のところは新しい考え方があって興味深かった。

    やっぱりデザインって思いやりなんだなあ。

  • たまにちょこちょこ読んでいたのだけど、ようやく通して読んだ。福岡さんとの対談でデザイン(されているということ)についてまた違った角度から考えられておもしろかった。

  • 2014-1

    ・どこまで緻密にアウトプットの質を高めているか?
    →魅力をたくさん挙げ、絞り込んでいく=商品サービスの本質を見極めること

    ・ポジティブ分類
    →ポジティブな言葉からその商品に当てはまる言葉を探す

    ・~っぽい分類
    →(例)どこっぽいか?誰っぽいか?いつっぽいか?

    ・シズルにつなげる

    ・第二段階「その商品の目指すべき方向性を見つける」

    ・第三段階「アウトプットの質を高める」

    ・ソーシャルコンセンサスとシズルをつなげる
    →競合は同業他社だけではない。すべての市場が競合する時代。

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著者プロフィール

水野 学:クリエイティブディレクター/クリエイティブコンサルタント/good design company代表。1972年東京生まれ。1996年多摩美術大学デザイン学科グラフィックデザイン専攻卒業。パブロプロダクション、ドラフトを経て、1998年good design company設立。ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。主な仕事に、NTTドコモ「i D」、相鉄グループ「ブランドアッププロジェクト」、熊本県キャラクター「くまモン」、「中川政七商店」ほか。自ら企画運営するブランド『THE』ではクリエイティブディレクションを担当。主な受賞に、London International Awards(Gold、Silver)、The One Show(Gold、Silver、Bronse)、D&AD賞(Silver、Bronze) CLIO Awards(Silver、Bronze)、朝日広告賞部門賞、毎日広告デザイン賞部門賞、日経広告部門賞、JAGDA新人賞など。

「2018年 『アイデア特別編集 good design company 1998-2018』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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