東京タクシードライバー

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 202
感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023312609

作品紹介・あらすじ

【文学/日本文学】タクシードライバーの人生を描くノンフィクション。いじめられっ子がみつけた居場所。ホームレスから生きる希望を見つけた男性。連れ子のために奮闘するドライバー……。 現代日本ノンフィクション。事実は小説よりせつなく、少しだけあたたかい。

感想・レビュー・書評

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  •  決して一つひとつの言葉が強いタイプの作者ではありません。作業マニュアルのようにわかりやすい言葉で、話を聞いたタクシードライバーの生きようを丁寧に伝えてくれます。彼らがどのように生きてきて、そして今何を思っているのかをしっかりと教えてくれます。
     タクシードライバーの中でも特徴的な方ばかりを選んだのか、それとも一般的にタクシードライバーがこんなふうなのかはわかりませんが、高い波があって深い谷があった彼らの思いを感じることができました。

  • 10年後また読み返したい。

  • 好きでタクシードライバーになる人は少数なのだろう。本書の中では色々な職場を転々としつつ、最後にタクシードライバーになった方々の人生、経緯が綴られる。
    サラリーマンとしては人付き合いが煩わしいが、タクシードライバーは働いている時は束縛されず、気ままにやれるのが良いと言うのが伺える。

    時代をよんだり、少し違った世界が垣間見れる。

  • 現代社会においては、なぜか、タクシーは、求職者に開かれた業界で、組織社会につかれた人にはフィットする、という筋で書かれている。
    最初に取り上げられた人が、無料低額宿泊所と思われるところに入っていて、貧困ビジネスの一側面をうかがわせる。

  • 2018年2月6日読了

  • 病院暇つぶし図書館本。

  • 街ですれ違う名も知らぬ人々は、どんな人生を送っているんだろう。人の暮らしをのぞき見たい性癖が自分にはあって、それはおそらく他人の実在感の欠如の裏返しなのだが、そんな自分にとって、名もなき人の濃密なる人生を描いたこの本はドンピシャだった。
    タクシードライバーをテーマにしたのが良い。底辺にこぼれ落ちた人々、流浪の人という印象があるから。やりがいのあるはずのない仕事で、それを受け入れざるを得ない人生、環境、あるいは性格。そこにこそ、語るべき個性がある。
    成功者の自伝には出てこない、澱、よどみ、吹き溜まり。それが大多数の人生の真相なのだ。
    本書の最後の章が、作者自身の半生を振り返った「長いあとがき」であるのも、そういうことだ。彼自身も、華々しく活躍もできず、かといって隠遁もできず、様々な苦難に耐えながらも都会を行き来する、タクシードライバーの一人なのである。

    文章も格別旨いわけではないが、要所は抑えている。「人生をてづくり」という言葉が良かった。

  • 数奇な運命を辿るタクシードライバー達のルポルタージュ。それぞれに手作りの人生のドラマがある。運命に翻弄され投げ出されたその先にあったのがタクシードライバー。当初は誰もが何の変哲もない普通の人。それが、あれよあれよという間に変わってしまう。人生は厳しい、だけど楽しい。だからこそ楽しい。投げ出され放り投げられながらも生き抜いていく人たちの姿が清しい。長いあとがきにある著者自身の波乱万丈が綴られている。本小説にも大きな影響を及ぼしているものと思われる。奈落の底を見た著者だからこそ注げる温かみが物語の光となっている。

  • 1916の同タイトル図書(2015.5)と比べこちらの方がおもしろそう
    13人のタクシードライバーへのインタビュー集

  • 見ず知らずの人間が密室にそれなりの時間一緒にいる、しかもお互い相手を選べないのに、一方は他方に命を預けている。タクシーとはそんな不思議な空間なんだなあと改めて感じさせる一冊。途中タクシーとは全く関係のない身の上話も混じってるけど、まあそれはそれということで。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家

「2019年 『パラアスリート』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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