地政学の逆襲 「影のCIA」が予測する覇権の世界地図

制作 : 奥山真司  櫻井祐子 
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 226
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023313514

作品紹介・あらすじ

【社会科学/社会科学総記】国際情勢を読み解くカギは"地理"にある! 米情報機関「ストラトフォー」の主席アナリストによる、地政学分析の決定版。欧州、ロシア、中国、インド、イラン、トルコなどの地理的条件や歴史から、今後の世界動向を予測する。ニューヨークタイムズベストセラー。

感想・レビュー・書評

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  • この本も、タイトルで損をしている。中身はまっとうなことを言ってるのに、影のCIAというような煽動的なタイトルを付けているせいで、謀略本の一種と敬遠されるのではないか?

  •  積読書、挫折本にならないように、最後まで一応、ざっと目を通した。なかなかの力作であった。
     アメリカが地政学的(地理的?)にも恵まれた上で、現在の地位を築いていること、これと対照的に、地政学的に条件の悪い地域は、それなりの発展しかできていないことは、なんとなく理解できた気がする。世界史においては、地政学的要因も少なからず影響するようだ。

  • 世界はフラットになった、という紋切型の思考に真っ向から向き合う。
    地理、過去から変わらず、厳然とある地形が国家の成り立ち、振る舞いに大きな影響力を与える、と説く。
    一方、地理だけが大事なのだ、と決定論的に語らずにバランスが取れているいるため、読み進めながら違和感がなかった。
    中国が南シナ海に出ていくのは必然だという。昨今の中国の動きを見ていると、これは望まざる現実だと理解できる。

  • 地理と歴史をひも解くことで、“世界で次に起こること"が浮き彫りになる――。世界的なインテリジェンス企業「ストラトフォー」の地政学チーフアナリストが未来を徹底予測する。

    序章 失われた地理感覚を求めて

    ●第1部 空間をめぐる競争
    第1章 ポスト冷戦の世界
    第2章 地理の逆襲
    第3章 ヘロドトスとその継承者たち
    第4章 ユーラシア回転軸理論
    第5章 ナチスによる歪曲
    第6章 リムランド理論
    第7章 シーパワーの魅惑
    第8章 空間の危機

    ●第2部 21世紀初めの世界地図
    第9章 ヨーロッパの統合
    第10章 拡大するロシア
    第11章 大中華圏
    第12章 インドのジレンマ
    第13章 中軸国家イラン
    第14章 旧オスマン帝国

    ●第3部 アメリカの大戦略
    第15章 岐路に立つメキシコ

  • 交通網や情報通信の発達で、「フラット化した」と言われている21世紀の世界。
    しかし、国と国との対立は無くなることがなく、現在も世界各地で戦争・内戦が起こっています。

    この本は、「人間の活動は、地理およびその波及産物である歴史・文化に、深く影響(制約)を受けている」と主張しています。

    前半部分では、これまでに展開されてきた、地政学の主要な学説を説明しています。
    中盤以降は、21世紀初頭の現在、ヨーロッパ、ロシア、中国、インド、中東等々世界各地で起こっている出来事を、前述の地政学論を切り口に解説し、今後の展望についても言及しています。

    自分自身、地理・地政学の視点で、世界規模の動きを論じている本を読んだのは本書が初めてでした。

    もちろん、「持論にあてはめる」という部分はあるかとは思います。
    しかし地政学的な視点で世界の動きを見ていくと、これまで「何のことやら?」と感じていたことを、理解できるようになるのだなと、素直に感銘を受けました。

    特に、「中東地域ではなぜ紛争が絶えないのか」については、今後ニュース等で見聞きした時に、本書に書かれていることが自分の理解の基礎となるかと思います。

    著者はアメリカ人ということもあり、「アメリカは今後、どうしていくべきか」という視点で書かれています。
    日本については、「アメリカの安定した同盟国」という視点での記述にとどまっており、日本人読者にはその点では、物足りなさを感じるかもしれません。
    しかし、日本に(地理的な)関連の深い、中国、ロシア、インドについての解説は、日本の今後を考える上でも、参考にすべき点が多い内容だと思います。

    読んでいて痛感したのは、「自分が場所を知っている国名は限られているなあ」ということ。
    途中から、世界地図を広げながら、読み進めました。

    現在世界で起こっていることを理解する上でも、今後の世界情勢を見据える上でも、読んでおくべき一冊、だと思います。

    『塩の世界史(下)』マーク・カーランスキー
    https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/412205950X
     
     .

  • カプランは、ニューヨーク出身のユダヤ系。
    現在、テキサス州に本拠地を置くストラトフォー(ストラテジック・フォーカスティング)という世界的なインテリジェンス企業の地政学チーフアナリスト。
    このストラトフォーは「影のCIA」と呼ばれてるんだって。

    カプランは、リアリストだ。


    20世紀中ごろ、ハンス・J・モーゲンソーがシカゴ大学の政治学部で教えていた頃・・・・・モーゲンソーが現代における現実主義を定義したのに対し、マクニールは世界史における、ホジソンはイスラム史における現実主義を、それぞれ膨大な著作を通して定義した。彼らの研究では常に地理が参照された。
    p.64

    モーゲンソーの世界観が、冷戦初期の張り詰めた時代に危険を警告しているのに対し、マクニールの世界観は、もう少し後の安定期に示されたもので、希望を告げている。
    p.73

    中国を例にとってみると、毛沢東は大きな犠牲を払って、中国を近代国家として統一した。中国は今も経済力と軍事力を急速に拡大し、モーゲンソーの予想をはるかに超える規模でユーラシアのチェス盤を埋めつつある。
    p.74

    モーゲンソーは地政学を「地理的要因を絶対的原理に仕立て上げるニセ科学」と呼んだ。
    p.85

    モーゲンソーはマッキンダーに厳しすぎるのかもしれない。
    p.86

    ナチスの地政学者ハウスホーファーは、マッキンダーの熱心な賛美者だった。
    p.108

    ブローデルは歴史研究に自然と言う視点を取り入れ、それによって歴史学を計り知れないほど豊かなものにするとともに、地理が学術界において本来占めていた地位を回復した。
    p.160

  • 2015.02.01日経新聞より

  • これでも、政治経済学部卒業なので、政治学は普通の人よりも詳しい。
    そして地理については、姉の影響で小学校時代から地図を見る事が好きだった。
    その両方を含む地政学となると、自分が読むべき本であると思って読んでみたが、正直読むのが大変だった。

    これを読むと、色々な技術が発達しても地域の特性(山岳地帯、砂漠など)により、政治が左右されるのは以前と変わりないと言う事がかなり難しい文章で多種の例を用いながら書かれている。

    それでも何とか読み進めてみると、ランチェスターの法則にある商圏の話を思い出した。
    そう気が着いた時、地政学と言う観点で考えると難しいがマーケティングの商圏と言う視点で考えると分かり易と思った。

  • モーゲンソーは地政学を、地理的要因を絶対的原理に仕立て上げる似非科学と呼んでた。
    ナチスが利用していたからだろう。そしてモーゲンソーはナチスの迫害から逃れたユダヤ人だからそう言っていたのだsろう。
    ドイツは20世紀半ばまでロシアよりさらに強くチリを意識しいてたい。
    ロシアで地政学が資本主義軍事国主義の手段として叩かれていた時代は終わった、ロシアでは学問分野として地政学が復権した。

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