タイムズ 「未来の分岐点」をどう生きるか

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784023319592

作品紹介・あらすじ

戦後日本は、何が変わり、何を失ったのか。希望はどこにあるのか──。作家・真山仁が政治経済・教育・メディア・若者など、現場に足を運び、さまざまな視点から日本社会の現在地を描く。話題の朝日新聞連載を大幅加筆・再構成し、書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 後半はコロナ一色ですが、連載終了後の秋元さんとの対談は特に興味深く読みました。常に問題意識を持って若者と対話しなければ置いていかれますね。

  • このコロナ禍の出来事が総括できて、問題は継続しているものの少し状況を見ることで混乱していた頭や心が少し落ち着いた気がした。

    そして、著者の小説への想いを再認識し、これからも1ファンとして応援したい。

    ”だから、私は小説で訴える・・・「最悪」を抜き取り、物語をひねり出す・・・”

  • この国は どこにむかって いくのだろう

    と 考え込む度合いが
    ますます 早くなっている気がする
    2019.4~2020.12までの
    時評を集めたものであるが
    そうか
    そんなことが あったなぁ
    と 思う割合が ますます増えている感じがしてしまう

    最終章の 秋元康さんとの対話は
    なかなか 興味深いものでした

    この本を手にした
    若者たちと 話してみたいと
    強く思いました

  • オリンピック前からコロナ前後までの連載に,事後の評価を加えた構成が,ここ数年の日本や世界を取り巻く状況の激動と鬱屈を浮き彫りにしている感じがする.改めて,何のための,誰のためのオリンピックだったのか?今,何のためのコロナ対策が行われているのか?見つめ直す良いきっかけになる一冊だと思う.
    小説に於ける真山ワールドに通底する「不確実な正義」の姿か,浮かび上がる様で,読んでいて大変楽しかったし,頭を使った.

  • 朝日新聞デジタルの有料会員なら、そちらで読めますね。。

  •  未曽有の2020~2021の期間の記憶の整理に。

     本書は、元は2020年に開催予定だった東京五輪を迎える1年間を検証していこうという趣旨で朝日新聞で2019年春にスタートした連載をまとめたもの。なので、コロナ禍で混乱した期間の感慨は、むしろ想定外のことだったろう。予定していた五輪が延期され、無事?開催され閉幕するまでの、人類として貴重な月日を、作家目線で伝えている点では貴重。

     ただし、先に読んだ高村薫著『作家は時代の神経である コロナ禍のクロニクル2020→2021』が、雑誌連載時の記載そのままの書籍化したのに対して、「執筆後記」と言った、後から振り返っての部分が、3分の1、いや、前段も記載も連載時のものでないとしたら、半分ちかくが「後付け」のもの。激動の20~21年は、まだWrap Upには早い気もするし、むしろ、あとからならなんとでも言える類の記述になってるような気もして、すっきりしない。

     とはいえ、東京五輪開催の是非の検証を軸に、コロナ禍を共に過ごしながら、平成から令和への移り変わりの中、ゴーン劇場があったことや、ラグビーW杯や、働き方改革、タワマンの流行などを、メディアの在り方などにも苦言を呈しながらの概観を、時系列に眺められる。 温暖化や、世界平和など大きな問題にも時折触れている。

    「戦争について考えるなら、終戦の日(8月15日)ではなく、開戦の日(12月8日)を取り上げたいと思っていた。」

     という著者の姿勢は素晴らしいと思うし、経済小説の旗手なだけに、令和になっての新札発行の必要性に物申したり、「マネー」に関する章は、それなりに切れ味があった。

    「世界経済の拡大と先端技術の進化が、人類を幸せにするという発想について、一度立ち止まり、熟考する時が来たと私は思う。そして、くしくもゼロをイメージさせる令和という新元号の時代が幕を開けた。」

     と記した後に到来したコロナ禍は、「一度立ち止まり、熟考する時」なのかもしれない。今また、世界を見渡せば感染再爆発の様相。日本だけが感染を押さえ切れたと、急発進をかけられる状態ではなさそうだが、世の中がまた巡航速度で走り出す前に、内省し見直し、改めるべきは改めるをはじめないといけない。

  • 今度はどんな物語で何を主張するのかなと思いながら読み始めましたが、ストレートに論じていました。
    そんなに事は切迫しているのかと読み進めました。

  • 全体的に普通のことしか言っていない。そして上から目線な「日本人は〜。」という断定が多く、「あなたは誰?その日本人の中には含まれないんですか??」となる。言ってることは至極真っ当なのに胸を打たないというリベラル知識人あるある。。。

  • いつのまにか終わってしまった五輪。ホントに誰の為?私も含めて誰も判断出来なかっただけ。「コロナ」「タワマン」「働き方改革」なるほどと思う指摘なのに刺さらないのは何故?「危うい正しさの跋扈もまた監視されるべき権力」「批判する前に行動を!」日本はどこに向かうんだろう?

  • 「安全保障としての公衆衛生」は良かった。まあ全体的に普通。真山氏はやはり小説で勝負してほしい。書き方が上から目線の評論でノンフィクションや評論に向いていない。

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著者プロフィール

1962年、大阪府生まれ。同志社大学法学部政治学科卒業。新聞記者、フリーライターを経て、2004年、企業買収の壮絶な舞台裏を描いた『ハゲタカ』でデビュー。映像化された「ハゲタカ」シリーズをはじめ、 『売国』『雨に泣いてる』『コラプティオ』「当確師」シリーズ『標的』『シンドローム』『トリガー』『神域』『ロッキード』『墜落』『タングル』など話題作を発表し続けている。

「2023年 『それでも、陽は昇る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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