木曽義仲 (源平絵巻物語 第4巻)

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034270400

感想・レビュー・書評

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  • 人物紹介編はこの四巻で終了。
    最後は木曽義仲です。

    この本を読むまで、木曽義仲って頼朝の従兄弟なのは知っていましたが、頼朝のお父さんが義仲のお父さん(と子どもたち)を殺していたとは、元々一族殺し合うのが当時の武士としてはありふれたこととはいえ、殺伐としたものを感じてしまいます。
    当時2歳の赤子とはいえ、見つかれば殺されるのが当たり前。
    それを助けたのが、当時義朝の家来だった斎藤実盛。

    実盛は義仲の乳母の夫、木曽にいる中原兼遠(なかはらかねとお)に義仲を預けます。
    兼遠は表向き平氏に仕えていましたが、心の中では打倒平氏を考えていたので、義仲を大切に育てます。
    で、兼遠の娘が巴御前。

    頼朝と義仲は、親世代の確執もあり、仲が良いはずはありませんが、義仲は頼朝と戦うよりも早く京へ上って天下の代将軍になりたかったので、息子を頼朝に預けます。

    その後のことは歴史に残っている通り。
    義仲は一味は余りにも政治を知らな過ぎたし、京の都人について知らなかったのだと思います。
    悪い人ではなかったのかもしれませんが。

    平維盛の軍をあっという間に蹴散らした義仲ですが、たった一人、向かってくる武士がいます。
    名乗りもしないその武士は、義仲の部下に討たれますが、その首は、赤子の義仲を助けた斎藤実盛のものでした。
    かつて頼朝の家臣だった実盛は、今は平氏に仕えていましたが、義仲に討たれる覚悟で戦に出ていたのでした。
    なんという運命の皮肉。

    頼朝や義経と違って、本当にのびのびと苦労知らずに育った義仲は、それが上京してからの仇になったのかもしれませんが、もしかすると結構面白い人生だったと思っていたかもしれません。
    そういうあっけらかんとしたものを、彼からは感じることができると思いました。

  • 義仲は、強くてかっこいい。死んじゃったのが、切ない。田舎に住んでいて、礼ぎ作法を知らなくて、きらわれちゃった。
    前書きに、義仲は頼朝や義経に比べて、苦労が少ないって書いてあったけど、確かにそうかもしれない。小さいころから家来がいっぱいいたし、すぐ妻ができた。調子に乗りやすくて、自分が一番だって思っちゃったのかも。
    息子より、天下をとることの方が大事だって書いてあったのが、印象的だった。おれのお父さんだったら、天下よりおれの方が大事だと思う。
    義仲とそのお父さんたちとか、兼平と巴とか、源氏の人間関係が、今まで読んだ中で一番わかりやすかった。(小5)

  • 武士は、戦いに生きるのね

  • 2012年4月25日

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著者プロフィール

●児童文学作家。1923年大阪府生まれ。早稲田大学仏文科卒業。在学中から早大童話会に属し、児童文学を志す。主な児童文学に『肥後の石工』『浦上の旅人たち』『光と風と雲と樹と』。そのほか絵本に「源平絵巻物語」シリーズ、『土のふえ』など。日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞、芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。1992年紫綬褒章を受章。2004年逝去。

「2017年 『ヘレン・ケラー自伝 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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