安宅の関 (源平絵巻物語 第9巻)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784034270905

感想・レビュー・書評

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  • 勧進帳などの有名なシーンは知っていましたが、史実としては一番わかっていなかった部分でした。
    今回めっちゃ勉強になりました。

    まず、静御前は安全と思われるところに置いていったけれど、正妻は連れて行ったのね。
    つまり一時期は両方連れて逃げていたのね。
    そして、同じ時期にふたりは出産。
    ってことは、義経…。

    鎌倉に帰りたいのに許されない義経が、平泉に向かう道のりっていうのもあまり考えたことなかったな。
    鎌倉及び幕府の勢力圏を通れないのだから、京都から北陸をまわって岩手に向かっていたのか。
    それはまた、難儀なことでした。

    しかも行く先々に新たに関所ができていて、山伏とみれば捕まえるか殺す。
    …なのにどうして山伏姿で旅をするのかというと、当時遠路を旅する人で考えると、山伏が一番自然だったんだよね。
    だから弁慶も、関所の役人に因縁付けられても、山伏として通すしかなかった。

    義経を助けることはお上に背くことだから、おおぴらに助けることはできない。
    だから、困っている山伏を助けるという態で、人々は義経達一行を支えたのだ。
    ということを、この本を読んでよ~く分かった。

    あと、著者が実際にそのルートをたどって見たとき、今でも北陸って関東よりも京都に近しいから、頼朝より義経に寄り添う気持ちが強かったのだろう、と解説に書いてありました。
    弱い者に同情する判官びいきというよりも、京都を救ってくれてありがとう、だったのかもしれないね。

  • 弁慶が義経を伴って関所を何とか通り過ぎようと機転を効かせる場面。子供の頃、大河ドラマで中村吉右衛門さんが弁慶を演じているのを見ました。義経を杖で叩く迫真の演技に、子供ながら強く胸を打たれたのを覚えています。日頃、時代物は全く見ないのに…。偉大な俳優さんが、優れた脚本の元、じっくりと演じるものをテレビで見られる、豊かな時代でした。

  • 頼朝の家来のとがしのすけは、関所で、義経だとわかっていても通してくれた。心をおににして義経をかばう弁慶を見て、その優しくて、忠義の心があって、義経だけじゃなくて他の家来のことも考えたところに、感動したんだと思う。とがしは、もしかしたら、頼朝にそんなふうにはできないかもしれない。
    弁慶はすごい。好き。(小5)

  • 「勧進帳」ね〜
    安宅の関は、滋賀、石川県の界にあるのね、いつも東北と思ってしまう

  • 2012年4月25日

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著者プロフィール

●児童文学作家。1923年大阪府生まれ。早稲田大学仏文科卒業。在学中から早大童話会に属し、児童文学を志す。主な児童文学に『肥後の石工』『浦上の旅人たち』『光と風と雲と樹と』。そのほか絵本に「源平絵巻物語」シリーズ、『土のふえ』など。日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、小学館文学賞、芸術選奨文部大臣賞など受賞多数。1992年紫綬褒章を受章。2004年逝去。

「2017年 『ヘレン・ケラー自伝 (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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