- Amazon.co.jp ・本 (222ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035177708
作品紹介・あらすじ
2018年に逝去したかこさとし氏は、240余りの小さなお話の原稿を残し、自ら編んで、さまざまなお話の種類に分類していました。「動物のおはなし」「日本のむかしばなし」「生活のなかのおはなし」「世界のおはなし」です。まだ本にしていないお話や、雑誌に掲載されたり、紙芝居としてかかれたお話を、亡くなる直前まで手を加えたり挿絵を描いて、童話集として編集をしていたのです。どの巻も、文字を読み始めた小さな子から小学生くらいの子どもたちに向けて、どこから読んでも楽しめるおもしろいお話をいっぱい収録しています。7巻は、3冊あるうちの「生活のなかのおはなし<その2>」。かこさんが描かれたお話には、子どもたちの生活を描いたものがたくさんあります。それには生活に即して、社会への目を養い、民主的な話し合いを通してものごとを解決しようというねらいがありました。作品を通して自分から考え想像力を広げ、創造的に活動する子どもたちへとの希望を感じることができます。言葉のおもしろさを書いたお話、帰郷の際、汽車での長いトンネルの中で感じとった不思議な感覚を描いたり、いじめのあるクラスでのできごとをリアルに描写したお話、化学の実験道具をキャラクターに、社会的な問題を描いたユニークなお話など、ここには18話を収録。
感想・レビュー・書評
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「死にたくなった ブスかです」に心が揺さぶられる。環境の変化で身の上に起きる出来事や、それに伴う哀しみを淡々と主人公が綴る作品。不遇な状況にあっても他人に対する優しさ・思いやりを当たり前に発揮できる主人公だが、誰かのために心を砕いても、置かれた不条理に対して、多少の明るい兆しはあれど、それこそ漫画のように素晴らしい劇的変化がある訳ではない流れが、ある意味、とても現実的だと思う。最後の一文は、似た境遇かもしれぬ相手(読み手)と主人公が自らに向けたエールであり、作者の痛切なメッセージでもあるのだろうな…。
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