- Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
- / ISBN・EAN: 9784035309505
作品紹介・あらすじ
横浜から山口に引っ越すことになった、小学4年生のえり。ある日、じいちゃんのすすめで、じぶんだけのちいさな畑をはじめることになりました。
そこで出会ったのは、ふまれても飄々と生きる雑草たちや、ももの木のうえから細かな毛を飛ばしてくる〈もものけむし〉、台風のまえの巣づくりで手ぬきをするクモ……都会から地方にやってきた少女の、みずみずしい視点でとらえた自然のすがたを手紙にして、横浜にくらす親友のエミへ送ります。
畑で見聞きしたこと、あたらしい生活のことに加えて、手紙の内容は、横浜の小学校で不登校になってしまった、ふたりの幼なじみ・けんちゃんのことに。部屋にこもってしまったけんちゃんに、ふたりができることとは……。
ふたりの少女の手紙のやりとりをとおして、自然のふしぎと、いじめをとりまく子どもたちの心の動きを繊細に描いた作品です。
感想・レビュー・書評
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全編、小学生のえりとえみが交わす手紙だけで書かれた作品。
書簡小説大好きなので嬉しい。
家族で祖父のところへ移住し、もらった畑で色々と育てたり生き物に遭遇したりすることを綴るえりの言葉が生き生きとしていて、ページから爽やかなな草の香りがしてくるよう。
二人のやりとりも微笑ましく、思わず頬を緩めながら読んでいたが、引っ越す前の場所で幼なじみだったえりとえみ、そしてここにいない「けんちゃん」に何があったのかが次第に見えてくると胸がギュッとなった。
終盤のえみの大胆さは、元々の気質だけでなく、離れていてもえりがいるからできたことなんだろうな。
伸びやかな絵も良かった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
本棚においておいたら、小6の娘が読み、おもしろかった、お母さん読む?と言ってきた。
畑をつくること作物を育てること その中で試行錯誤しながら考えること、
友だちのことも考えること
娘と共有できてよかった。他の子も時期がきたら手にとってみてほしいなと思う。 -
4.5年。田舎に引っ越してしまったえりと友達のエミの手紙のやり取りを描く。
李衣さんの可愛い文の語り方に、自然の豆知識がいっぱい含まれている。仲良しで友達想いの2人に心が温かくなる。 -
全編、小学生同士のてがみのやり取りで構成。書簡小説のいいところは余白を想像できるところだと思う。存分に手紙の外側を想像してほしい1冊。
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よかった~
村中先生がそのまま語っている声が聞こえそうな物語でした。 -
図書館本。読売子ども新聞100冊から。これ、良本。何度も言うけど、読売子ども新聞オススメ100冊、いいです。定番本を渡り歩いてきた私にメスを入れてくれてます。いいものはいい。選本について母もまた無知だというこを長女と学ぶ。
かつて仲良しだった少女とたちの手紙の交流。都会で暮らす少女と田舎に越した少女と。田舎に住む少女は目の前の自然から学んだことを手紙にしたためて、都会に住む少女はそれをネットで検索する。どちらも正解だからこそ、清々しい。
1人読みの後、私と夫と2回読みきかせをした。どこまで読みきかせしていくかも検討せねば。 -
→「『あららのはたけ』は元気です♫」
https://blog.goo.ne.jp/mkdiechi/e/5c99cda6b42f83de19b6ef3f3c645530 -
いじめ事件があった直後に家庭の事情で祖父のいる山口県に引っ越し、祖父からもらった畑で野菜作りをすることになったえり。仲良しのエミに手紙を出す。畑や家族の話を書き綴るが、もう1人の幼なじみのけんちゃんの話はなかなか書けなかった。
えりとエミの手紙のやり取りを読むうちにいじめ事件のその後がわかってくる。ふたりの「なんとかしなきゃ」の行動が周りの大人や友だちを変えていく。
いじめを扱っている話だが、陰惨にならずカラッとしている。
ちょうど探していた蕗味噌の作り方が出ていてよかった。読後、畑をやりたくなる(^^) -
質問形式の畑とは・・・自然とは・・・が親切すぎる