- Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037272807
作品紹介・あらすじ
わたしは、ロボットだった。
人間じゃなくて、ロボットだった。
そのことを、わたしはすっかり忘れて生きてきた。
きっと、忘れたまま生活するようにプログラミングされていたんだと思う。
だけど、思い出してしまった。
本当に突然、ふっと。(本文より)
自分がロボットであると認識し、食べることをやめた少女と
彼女を理解しようとする少年
ゆらぎ、見失いそうになる自分の形を
見つけるための物語
感想・レビュー・書評
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SFのような話だった。
摂食障害の多鶴と、多鶴をほっておけないまるちゃん。
寄り添ってくれることの大切さ。
そして、親からの自立。
いっちゃんさんのことをもう少し描いて欲しかったなあ。というのが正直なところ。 -
ある出来事をきっかけに、自分が「ロボット」なのを思い出してしまった少女の成長譚。
母や祖母、学校の同級生などとの「人との距離感」の取り方をYA特有の青臭さと共に読者に訴えかけてくる。
主人公と同じ「それどころじゃない毎日」送っている『まるちゃん』こと丸嶋羽津実クンが良い味出してます。
人との関わりに違和感を感じている中高生層にお薦め。 -
「それどころじゃない」のだ。
ずっとずーっと、なんでそれにリソースを割かなきゃならないのなんでその内見つかるから大丈夫だよなんて言われなきゃならないの見つからない興味も持てない自分は人間として欠陥品なのと、もやもやぐるぐるしていた部分を明快に言語化してもらった気がして。思わず椅子から立ち上がりそうになった。
同じようにぐるぐるもやもや苦しんでいる子たちへ、どこかにきっといる「それどころじゃない」子たちへ届きますように。 -
いきなり自分がロボットであると「思い出した」彼女は、食事をするのをやめた。たった一人の家族である母親、少しだけ顔を合わせる友達。わたしはどうすればいいのか。母親が「認めたくない」のはわかるけど、それで傷つくのはこどもだからなあ……。
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喫茶店で読みながら最終節でぼろぼろ泣いてしまった…。
多感な思春期の少女の、誰かに助けてほしい(けど自分で自分を救うしかないとどこかで分かっている)心と、それにいろんな形で寄り添おうとする友人や家族を丁寧に描くお話。こぢんまりした物語だからこそのリアル感。 -
本当のところどうだったのか。含みを持たせているのが良い。
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突然自分がロボットだと思い出した多鶴は食事が摂れなくなってしまう。
摂食障害の話や思春期の不安定な心の話とも言えるが、この独特の感覚はそこに留まらない。
お互いそれどころじゃない人だから、わかり合える繋がれる。そんな物語。