- Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
- / ISBN・EAN: 9784038082603
作品紹介・あらすじ
600作以上の作品がある絵本作家かこさとし氏の小学校卒業時の絵日記。現在を予見するような独自性にあふれた絵日記再録と聞き書きエッセイ。
感想・レビュー・書評
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絵本作家の加古里子(かこさとし)氏が小学6年生の卒業前に学校の課題で6年間を振り返ってまとめたものが書籍になったものです。
その時代に加古少年が考えていたこと、時代背景などがうかがえて興味深く、また絵の具で描いた挿絵がとても良く状況をうかがい知ることができます。
当時の回想も補足的に乗っており、より鮮やかに当時の様子をイメージすることができ、面白かったです。
教育、戦争にかかわる記述が、また私に新しい知らなかった一面を示してくれました。
自分の祖父母もなくなってしまったので、このような話を聞く機会はなく、それを当時の子ども時代の思いとして知ることができたので、良かったです。
子どものころから絵を描くのが好きだったのですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
絵本で有名な、かこさとしさんの、小学校を卒業するときの、絵日記(など)です。
小学生なのに、絵がすごい上手。すごい人は小さいときからすごい、ということがわかりました。
かこさんのお兄さんは、歯科医院を経営していたそうです。その場所が、私が知っている場所の近くだとわかって、ちょっとうれしかったです。 -
かこさとしの記憶力にビックリ。
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卒業文集に「何枚書いてもいい」と太っ腹の先生。裸足(ゴム靴は貴重だが破れやすい)で遊び回る日々をのびのびと書いてほんとうに面白い。女子も遊びまわるなかにはいっていたようだ。進学に拘束されない戦前のほうが自由な教育ができたのか?平成の小学生は雪合戦や相撲をするだろうか?イラストには後年の特徴が見て取れる。「綴り方」は自由な教科で、教師は尊敬され大きな自由度を与えられ、それを悪用した中学高校時代が戦時中でロクに学習できず。東大に入って「史上最低」と言われ。化学メーカーに就職するが画才は埋もれてはいなかった…
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絵本作家かこさとしが小学校卒業の時に書いた絵と作文による6年間の思い出。
6年生と思えない絵の構成の上手さ、すごいなぁ❗ -
やはり絵は上手いですね。構図が面白い。
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「からすのパンやさん」、大好きな物語り(絵本)です。近年、シリーズ化して兄弟それぞれの店の話が面白かったです。かこさとし(加古里子)さん(本名 中島哲さん)、1926年(大正15年)3月31日~2018年5月2日、享年92。「過去六年間を顧みて 小学校卒業のときの絵日記」、2018.3発行、亡くなる少し前の発行です。戦時色に包まれた時代の日記です。
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1926年生まれのかこさとしさんが、小学校六年生の時に書いた『過去六年間を顧みて』という絵入り個人文集に、思い出こぼれ話などを付け加えて書籍化したもの。
かこさとしさんの半生については『未来のだるまちゃんへ』という別の本でとっくり読んだので、内容的には特段の新発見はなかった。が、とにかく驚いたのは、文章がうまい。そして絵がうまい。
しかし、友達のお子さんなんかでも、ものすごく絵がうまい子や楽器が上手な子はいて、それはもう33歳の私が到底かなわないというレベルだったりする。技術面に限らず、きちんと挨拶ができるとか、ごめんねと言えるとか、そういう面でも、あ~大人の私の方が全然できてないと反省させられることも多い。それに、よく女優さんの昔の写真などがテレビで紹介されるが、美女は少女の頃から美女だ。そう考えると、「子どもなのにすごい」という驚き方自体が、子ども全般に対して失礼だし、私自身の傲慢さからくる態度であると言えよう。単にその人が、その点で素晴らしい人だというふうに受け止めるべきことなのだろう。
話が逸れたので本に戻すと、かこさんが自分のお父さんのことを語っているあとがきも良かった。
かこパパは、絵本『だるまちゃんとてんぐちゃん』で、だるまちゃんが喜ぶだろうといろんなものをくれるのだけどどれもだるまちゃんが欲しいものと微妙に違うという、優しさが空回りなだるまどんのモデルなのだそうだ。実際少年時代のかこさんは、お父さんのちょっとずれた愛情表現に子どもながらに戸惑うことが多かったと前掲書でも語っている。
「大人は子どもをわかってくれない」、そんなことを表現する存在として絵本に登場していたお父さんだが、かこさんが子どもの頃に貰った賞状などをすべて写真で残しておいてくれていたことが、この本を作ったことでわかり、動転し、感謝感激した、ということだった。だるまどん、勝負あり。