次郎物語(第四部) (偕成社文庫4045)

著者 :
  • 偕成社
4.13
  • (4)
  • (1)
  • (3)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 14
レビュー : 1
  • Amazon.co.jp ・本 (401ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784038504501

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • 日本の善男善女、手にとるべし!

    少年の心理が一番よく書かれているのは断突第一巻。
    しかし、この四巻は、大人の大人たる矜持が書かれている。
    次郎の師である朝倉先生、その奥さん、そして父親の俊亮。

    「私が諸君と集まるのを避けたのも、人間としての真実であった。
    それは諸君の真実とはまるで正反対の方向をとっていたふ。
    しかし、両者の間には矛盾はない。
    それはいずれも人間の真実だからだ。
    両者は光と闇のようなものではない。
    いずれも光で、ただ位置を異にするだけだ。
    光の交錯は決して闇の原因にはならない。
    それどころか、それはあらゆる場所から闇を退散させる力なのだ。
    人間は、それぞれの位置において真実であればいい。
    いや、それよりほかに道はないのだ。
    諸君と私とは、方向の違った真実を胸にいだいて、現にこうして照らし合っているし、将来も長く照らし合うだろう」
    by 朝倉先生

    「良心がその自由を失うには二つの場合がある。
    ひとつは権力におもねったり、大衆に媚びたり、利害にまどわされてり、悪いと知りつつ良心に背く行動をするばあいであり、もうひとつは知性をくもらさりれ、判断力をにぶらされて、自分では別にわるいことをしているつもりではなくねむしろ良心的なつもりで、とんでもない間違った行動をする場合だ」

全1件中 1 - 1件を表示

著者プロフィール

作家、教育者、教育哲学者。      
1884年、佐賀県に生まれる。17歳ころから「内田夕闇」の筆名で文芸誌に投稿し、年少詩人として全国的に知られようになる。1909年、東京帝国大学文学科を卒業し、1911年、母校の佐賀中学校で教鞭をとる。唐津中学校長などを歴任したのち、日本統治下の台湾へと渡った。台中第一中学校校長、台北高等学校校長となり、1931年に教職を辞任。1933年、大日本青年団講習所長に就任し、在任中に小説『次郎物語』の執筆を開始する。1937年に講習所所長を辞任し、文筆活動と全国での講演活動に専念、昭和前期の青少年社会教育に大きな影響を与えた。1938年、『論語物語』を出版。1955年、逝去。主な著書に『現代訳論語』『この人を見よ』 などがある。

「2008年 『論語物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

次郎物語(第四部) (偕成社文庫4045)のその他の作品

下村湖人の作品

ツイートする