雁の童子 (日本の童話名作選)

著者 :
制作 : 司 修 
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レビュー : 4
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  • / ISBN・EAN: 9784039638304

感想・レビュー・書評

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  • [ 内容 ]
    生命の哀しみと永遠のつらなり…。
    天から降りてきたその子どもは、あらゆるものの輪廻と、たとえ眼には見えなくとも確かにそれは存在し動きつづけているのだと、私たちに伝えにきた使者だったのかもしれない。
    司修の絵筆によって、物語の深層から浮かび出してくるのは、とらえがたい、せつなく微かな遠いゆらめき…。
    小学中級から。

    [ 目次 ]


    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 流沙の南の地を旅する「私」と巡礼者の老人の出会いから始まる物語。
    宮沢賢治の作品は、誰かを語り手にして物語を進める手法が多く見られるが、
    本作は「私」という語り手から巡礼者の老人に語り手が途中で変わるという
    ちょっと変わったものだった。

    会話の糸口を探すために、二人の傍にあった小さな祠を話題にしたことから
    物語は雁の童子の話にうつる。

    須利耶は前世での自分の父親から、同じく前世での自分の子供を引き取る。
    異常なまでにに殺生に対して嫌悪感を示す雁の童子。
    これは仏教の教えと共通しており、また賢治自身も
    菜食主義だったことにも関係しているのだろうか。
    周囲の心ない言葉にも必死に耐える雁の童子。
    でももしかしたら耐えているのではなく、自分の置かれた
    状況をありのまま受け入れているのではないかとも思う。
    その理由に雁の童子には悪意や嫉妬の感情がないように思え、常に慈悲深いのだ。

    雁の童子の言葉で印象的だったもの↓

    「おとうさん、わたしの前のおじいさんはね、からだに弾丸を七つもっていたよ。」
    「だっておとうさん。みんながあのおかあさんの馬にもあとで荷物をいっぱいつけてひどい山をつれていくんだ。それからたべものがなくなると殺してたべてしまうんだろう。」
    「だっておっかさん。おっかさんの手はそんなにガサガサしているのでしょう。それだのにわたしの手はこんななんでしょう。」

    物語の最後で須利耶と雁の童子は離ればなれになってしまうが
    前世現世で一緒だったということはきっと来世でも出会う運命なのだろう。
    「童子はもう一度、少し唇をうごかして、何かつぶやいたようでございましたが、
    須利耶さまはもうそれをおききとりなさらなかったと申します」
    と言う場面で、雁の童子は来世での運命を口にしたのではないか。
    須利耶はそれを感じ取っていたから敢えて聞こうとはしなかった。
    輪廻転生という言葉が頭に浮かんだ。

    賢治は大乗仏教の経典を熱心に読んでいたそうで
    この物語はその教えに密接に関わっているようだ。
    何気なく読むと慈悲深い雁の童子の物語という印象を受けがちだが、
    大乗仏教を学んでからだと違う観点で読む事ができそうだ。

  • 幻想的な話で、哀しいけどとてもよかった。

    司修の絵がとてもよかった。
    絵が入ると、作品の理解を助けてくれるので
    絵の力って大きなと思う。

  • 「坂本和子 朗読選集2 宮澤賢治」
    Disc2 雁の童子
    宮澤賢治は人間を特別扱いしすぎだと思う。

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著者プロフィール

大正・昭和時代の詩人・童話作家。岩手県出身。農学校の教師をしながら,詩や童話を書いた。『銀河鉄道の夜』『どんぐりと山猫』等の童話や、詩『雨ニモマケズ』など名作を多数創作。

「2018年 『注文の多い料理店/野ばら』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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