銀河鉄道の夜 (宮沢賢治童話傑作選)

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 38
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  • Amazon.co.jp ・本 (101ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784039720306

感想・レビュー・書評

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  • 難しいのかなと勝手に避けていたけどいざ読んでみると、とっても美しい文章だった。日本語が丁寧に丁寧に書かれていて、特に比喩表現が素敵だった。昔読み聞かせしてもらった絵本のような優しい感じと、この世のものではないような本の内容が唯一の世界観としてあった。
    「銀河鉄道の夜」の車窓からの眺めの描写は本来見れるはずのない景色が、文章を読むことによってありありと目に浮かぶ。この場面を一から作り出し、それを文字に書き起す。私には到底思いも至らない言葉遣いは、遠すぎるからこそとても光っていて読んでいる私をふわふわさせた。

  • 「人々みんなの幸せは何か、を考えながら銀河鉄道を旅する少年の物語。・表紙のように、天の川周辺の幻想世界を描いたカラー絵が美しい。・小学校高学年〜一般向け。
    銀河ステーションから夜の軽便鉄道に乗ったジョバンニとカムパネルラ。「人々みんなの本当の幸せは何か」を考え求めながら、さまざまな場所へ不思議な旅をする少年達の物語。」

  • 本当に幸せなものとはなにかを考えるきっかけになる

  • カムパネルラ

  • 銀河鉄道の夜の、
    蠍の話が、好きでした。

  • 幸せ=他者貢献
    こんな式が頭に浮かぶ。
    隣にいる人、今は遠くにいる人、今後出会うであろう人、その全ての人の幸せを願い、時に自分を犠牲にすること。
    んーでも、自分が犠牲になってでも他者貢献する、それは本当に幸せにつながるのだろうか。
    カムパネルラがしたように、自らの命を犠牲にしてまでする他者貢献は、自分の周りにいる人を本当に幸せにするのか。

    本当に全員が幸せになれる他社貢献の仕方ってなんなんだろうと考えました。

  • 悲しく切ない。。

  • 美しく、そして切ない世界だなと改めて感じました。本当に綺麗だし儚い、一側面のみではない多面的な描き出され方が素敵だなと思います。

  • テレビで島本理生さんが薦めていたので再読。おっしゃる通り前半はうっすらと覚えているものの後半は全く思い出せない。ゆえに続きが気になって新鮮な気持ちで読み進められた。正直大人になって読み返して、ここまで引き込まれるとは思っていなかた。本を離れてもソワソワする。

    岩手県出身の田原田鶴子さん描かれる現代的で整理された美しい絵が、時にわかりづらくなる賢治特有の描写の理解を助けてくれた。全編明朝体のルビがふってあり、底本のルビはゴシック体にしてあるという徹底ぶり。さらに、原稿用紙が抜けていたりマスが飛んでいる箇所はきちんと注記されている。巻末に用語解説もあり、字も大きく、大人から子供まで読みやすそう。モノとしての完成度が高い。賢治への愛が感じられます。

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著者プロフィール

1896年(明治29年)岩手県生まれの詩人、童話作家。花巻農学校の教師をするかたわら、1924年(大正13年)詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を出版するが、生前は理解されることがなかった。また、生涯を通して熱心な仏教の信者でもあった。他に『オツベルと象』『グスグープドリの伝記』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』『セロ弾きのゴーシュ』など、たくさんの童話を書いた。

「2021年 『版画絵本 宮沢賢治 全6巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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