- Amazon.co.jp ・本 (299ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040704432
感想・レビュー・書評
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魔法が存在する世界のファンタジーミステリ
史上最年少で特級魔法学士の資格を取得したがその免許を剥奪された少女アイカ
元軍人で自称紳士のユートをワトソン役にし、警察が解決できなかった難事件を解決するお話
ユートはアイカの活躍を執筆する事を条件にアイカが所有し暮らしているアパートに間借りしている
一応ミステリなんだけど、謎解きの質はいまいちかな
1.箱と鍵
2.一〇エル銅貨事件
3.狙われた養護施設
1話目は鍵のかかった箱を開けて欲しいという依頼
ファンタジー要素はないけど、依頼者が馬鹿すぎる
そこは気づこうよと思わないでもないし、最終的にはザマァ展開ではなく回心したのは無理やり過ぎないか?と思う
2話目はユートの親友の殺人未遂事件
ってか、ハウダニットの真相に説明不足な魔法要素を取り入れるのはアンフェアじゃね?
事前にファンタジー要素がすべて説明されて入れば納得だけど、「そんな事できるのかよ」という魔法を解決編で出してくるのはなぁ……
あと、動機にしてももっと他の方法あっただろ?と思う
コインケースに関しても、その前提条件はおかしいとも思う
3話目も2話目同様にハウダニットに魔法を使っているのに説明不足
ただ、この話はフーダニット、ホワイダニットに重きを置いているんだろうね
全体的な疑問として、警察は無能なのか?
科捜研みたいに魔法に関する犯罪を解析する人たちがいてもいいと思うが……
ってか、この世界での世間一般の魔法の発展具合の常識がわからないのが一番の問題かな
世界観があやふやなのに、作者しか知らない描写されない事柄を前提にストーリーを語られてもねぇ?
そして使われている技術というか知識は中学生程度の化学というね
なんか子供だましなんだよなぁ
ただ、アイカが養護施設を作った理由に関しては他の探偵キャラとは違って好感が持てる
このテーマを深堀りしたのが東野圭吾の「手紙」なんだろうか
被害者に家族がいるように、加害者にも家族がいるわなぁ
現代日本でも加害者家族の責任やそのバッシング具合についても問題視されてるしね
あと、セリフで「」と『』の違いがあるけど、声の大きさを表しているんだろうか?
その辺は地の文で説明すべき所なんじゃないかな
ま、ラノベなんてこんなもんかなって感じはする
ユートの過去とか、2話目の事件のさらなる真相とか、続編があるような感じだけどあまり手を出すきにはなれないかな詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公は、史上最年少で素晴らしい資格を獲得し
剥奪された少女の経営するアパートに間借りしている。
形式的には、ホームズのような状態? になるかと。
ワトソン役たる主人公が、少女のすべてを
補佐している状態です。
ホームズより、まったく生活能力皆無、な少女を…。
マイペースと言えば聞こえはいいですが
自己中心的な少女に振り回されてみたり
ついて回って仕事をしてみたり。
主人公の最大のミスと言えば、水が貴重ではない所から
貴重な所へきた、という感覚ぐらいでしょうか?
日本以外では、大概こんな状態だろうな、という落ちが。
かっこと鍵かっこを使って会話をしているので
何か意味があるのかと思ったのですが、多分
大声がかぎかっこ? -
(収録作品)『箱と鍵』/『一〇エル銅貨事件』/『狙われた養護施設』
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魔法と化学が息づく世界で織り成す天才少女と自称紳士の連作ミステリ。全体に特殊設定をミステリ部分に活かし切れてはおらず、真相究明に殆ど魔法が絡んでこない第1話、解くべき謎の焦点がぼやけがちな第3話――と話によって完成度はまちまちです。そんな中でも、ゴリゴリの物理トリックと紛うほど機械的な魔法トリックが披露される第2話「一〇エル銅貨事件」は、本格好きなら図版が欲しくなること請け合いでしょう。アイカの目的に見られる主題は良いだけに、特殊設定がもう少し謎の構築と解明に機能してくるとミステリとして読み応えのあるものになるだろうと思います。
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推理部分はラノベらしく簡単なものだけど、思ったよりも真面目に化学してて、年齢層低めもターゲットにしているのかな、と邪推。ユートの短絡な正義感がちょっと鼻に付くけど、アイカといちゃいちゃしてくれればそれでいいと思った。しかし警察には優秀な加減学士はいないのかね。