青薔薇アンティークの小公女 (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040744193

作品紹介・あらすじ

◆◇◆『龍に恋う』シリーズの道草家守が描く、新たなマイ・フェア・レディ物語!◆◇◆

 身寄りを亡くし、絶望の淵(ふち)にいた少女ローザ。彼女はある事情で、居場所も母の遺品すらも奪われてしまった。そこに手を差し伸べてくれたのが、美貌の貴公子アルヴィンだったーー。
 ローザは看板娘として、妖精と花のモチーフを蒐集(しゅうしゅう)した彼の店に勤めることに。地位と財をもち、一風変わった彼の優しさに触れて、次第にローザは生来の聡明さと凛と美しい佇(たたず)まいを取り戻していく。
 一方、アルヴィンが伝承上の妖精に強い関心を寄せる背景にも、秘めた過去と哀しみがあり……?
 伝承とアンティークに託された謎が、孤独な二人の魂を救う福音となる。西洋風幻想浪漫開幕!

~~~~妖精の伝承が薄れた産業革命時代。孤独な少女と銀の貴公子が、かけがえのない愛を見つける。これは時代に忘れられた、優しいフェアリーテイル~~~~


◆◇◆登場人物紹介◆◇◆

主人公・ローザ …… 母が亡くなり天涯孤独になった少女。上流階級の美しい言葉と所作を身につけている。労働階級のなかでは浮いた存在だった。

銀の貴公子・アルヴィン …… 地位と財をもつが、風変わりで謎めいた青年。伝承上の妖精に対して強い関心を寄せる背景には秘めた過去があるようで…?

感想・レビュー・書評

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  •  ひさびさに、ページが減っていくのが惜しい本に出会えた。思わず、1章ずつ、楽しみにゆっくり読んだ。
     エルギスという19世紀の英国を念頭に置いたような舞台で、訳ありの女性が訳ありの男性に拾われ、変わっていく話。凄く私好みの、人情あり推理あり、貴種流離譚を思わせる伏線ありの内容。2箇所くらい引っかかる表現が出てきたが、それも味というべきの優しい文章。

     次巻が楽しみ。

  • 人はそれを「一目惚れ」という。
    人の感情の機微に疎くなってしまった、ゆえに細やかな観察でもって感情を読み取っていた彼が遭遇したのは、きっとそういうこと。

    『龍に恋う』が和風なお話に対し、今回は固有名詞を変えつつも、厳格な階級社会に燻んだ空、妖精とくれば勿論。
    つまりは、イギリスをモチーフにした物語で、作者さまの作風の広さに驚いた。
    有名な妖精の蘊蓄話も楽しかったし、アンティークとして登場する小物類が個人的に初耳な物が多く、新鮮味もあり、画像検索しながら読むのも楽しかった。

    妖精のいたずらを思わせる事件はありつつも、基本的には現実的な解釈ができる話ばかり。
    但し、アルヴィンが抱えている問題は別である。
    前述の感情が分からなくなった件もあるが、ラスト付近で発覚する「祝福」は完全にファンタジーのそれである。
    つまり、現実的な解釈が通じない部分もあり、それがまたイギリス的である(個人的感覚)

    主人公のローザも謎が多い。
    階級にそぐわない上品な言葉遣いに振る舞い。
    目に宿る不思議な色。
    イギリスモチーフなので、チェンジリングを疑ったが、そうではなさそう。
    彼女の身の上は作中で多少明かされるが、全ては明かされないため、好きに解釈できそう。
    今後シリーズが続くのであれば、アルヴィンが遭遇した件も含めて、彼女の血筋も明らかになるかもしれない。
    そうなるなら、楽しみである。
    というか、なって欲しいと思えるお話だった。

  • あらすじに「西洋風幻想浪漫開幕!」って書いてあるから、続くんだよね。うれしい。
    とても好きでした。

  • 労働者階級で日々を生きるのもままならない生活を送っていた少女が、ある日見初められて生活が一変。アルヴィンさんが見つけてくれてほんとによかった。祝福によって死なない店主とのやりとりがどうなっていくのか、これから本物の妖精に会うことができるのか気になります。ただ、エセルが灯台下暗し感がしますが。。

  • 母との思い出の詰まった場所を守るため
    今日も頑張って働いているのだが…。

    運よく別の仕事をもらえたわけですが
    なかなか幸薄そうな主人公です。
    そして背後がかなり謎です。
    何故そんな口調でしぐさなのか、等々。
    一体、彼女の母親とは、父親とは??
    雇い主もなかなか複雑…というか、大変そう?

    日常ミステリー、の分類に入れて
    よさそうでしょうか??

  • 軽いの読みたいと思って、
    珍しくファンタジー系読んだ。

    妖精とか、アンティークとかは知識として楽しいし
    ストーリーやキャラも構成よかった。
    ただ、アンティーク小物とかは
    文章でわからなかったのでネットで調べつつ。
    途中手がスマホに切り替わるので、
    興味持つと本が進まない。

  • ローザが当初食べるものにも困っているわりに積極性がなくて、あまりにオドオドしているのでちょっとどうかと思いますが、アルヴィンに出会ったことでどんどん素が出せてしっかりしてきて良かったです。

  • 上品な世界観描写と、角砂糖一つ二つ分くらいのミステリと、人付き合いの上手くない主人公二人による恩情のバランスが良く、綺麗にまとまった一冊だと感じた。男女のコンビものはすぐに恋愛ごとに結び付けられるから、あんまり好きじゃないな…と食わず嫌いしていたけれど、この作品は、お互いに足りないところを支え合って、という関係性であるのが面白くて、続きが気になった。ベッタベタだけど、書斎の窓から庭がよく見える、というエピソードがめちゃくちゃ良くて、ちょっと泣いた。一件落着で終わって、本当によかったと思う。

  • 『伯爵と妖精』という作品でそこそこ妖精に触れていたのでとても楽しく読めた。貧しく内向的な少女が身寄りも亡くし、どん底生活の中で美貌の青年に手を差し伸べられた事で花開いていく王道の展開。でもご都合っぽさはそんなに感じさせず、ローザ本人が元から秘めていたものが実を結んだ結果で、あるべき場所へ掬い上げてもらえたといった印象。明らかに出生に秘密がありそうだし。
    実際の妖精が出てくるという訳ではないもののいい感じにストーリーに妖精の逸話が絡むし、各話ともいい感じのまとめ方で暖かな気持ちになる。
    個人的には「レプラコーンの宝箱」の不器用な夫婦愛が良かった。

  • 内向的なヒロインがヒーローと出会って芯の強い女の子になっていくのが印象的でした。ヒロインはブラウニーと呼ばれていて冴えない子なのかと思ってたけど、本当はそうでもなかったんですね。これからヒロインが自信をつけていって欲しいです。後、靴磨きの少年と貴族の奥さんの話が良かったです。続きが読めたらなって祈ってます。

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著者プロフィール

2015年に「ドラゴンさんは友達が欲しい!(全5巻)」(アース・スターノベル)で出版デビュー。

「2020年 『アラフォー少女の異世界ぶらり漫遊記2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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