スパイ教室10 《高天原》のサラ (ファンタジア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040750170

作品紹介・あらすじ

世界の命運を握る《暁闇計画》。その全貌を掴むため、革命の潰えた国――ライラット王国の転覆を目論む『灯』は、一年の離散の果てに再び集い始めた。次なる『不可能』を前に少女たちの真価が試される――。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった。スパイ教室もとうとう学生?弟子?全員スパイとしてライセンスドになった感あり。そして、少女と呼ぶにはしんどくなってきたが、まあ、よし。ちらほら出ていた《暁闇計画》の核心に迫っていく過程で、ライラット王国攻略に教室の面々が2人ペアで分かれて、各チームが個別に潜伏攻略していく。本巻は主役は引き続きサラだが、エルナとアネット組が中心に描かれる。ニケ怖いわー。ほむらの残りもちらと出てきたりして、続きが非常にまたれる。
     エルナアネット推しには、非常に嬉しい巻だったが、超個人的には、エルナはロングヘアのままでいて欲しかった。

  • 色々な意味で強くなったサラの活躍が立派!
    メインはエルナとアネットの奮闘だけど、サラの成長に目頭が熱くなる巻。

    ニケへの敗北から甘さの残るエルナの覚悟を描いたんだろうなということはわかるけど、最後にジャンをあんなに落とす必要ある……?特別な訓練を受けたわけでもない地下組織の若者だよ?
    パンフレット作って配るくらいの活動しかしていなかった組織の代表に、でかい情報のみぽんと渡したらそりゃ浮き足立つだろう。
    なのでエルナの憤怒はただの八つ当たりではと思ってしまったのだけど、きっとここから成長するんだろうから楽しみにしてます。

  • エルナの成長ぶりが見られると思っていたが、エルナはまだまだ甘かった。それはそうだよね、修羅場を潜り抜けてきてはいるけれど、エルナは天才じゃない。ま、そこが良いのだけれど。

    一方で、アネットはますます磨きがかかってきている。躊躇なく人を葬る残酷さが、アネットらしい。今回アネットがいなかったら、エルナは生命が怪しかった。ただ、やはり怖い存在ではある。味方でいる分には良いのだけど。

    サラ巻のはずだが、サラの見せ場は結構少なかった。エルナとアネット救出のため、現れたシーンには感動したが、やはり簡単には勝たせてくれないのか。捕まったサラがどうなってしまうのか気になる。

    ニケの"最強の敵"感は半端ではなかったし、どうやって彼女を倒すのだろう。洗脳で心を従わせ、それが難しいなら身体に教えこむと言うニケのスタイルは、敵ながらに見事としか言えない。
    いよいよ面白くなってきた。国同士の"裏の戦争"の行く末を早く知りたい。

  • ハイジの音楽ってどのような音色なんだろう。雑音ってわけではないのか。

    フェロニカがムザイア合衆国で布石を残していたように、ルーカスとヴィレもライラット王国に爪痕を残していたんだな。LWSの由来がそういうことだったとは。

    エルナの内面、アネットの残虐性、サラの自己犠牲の精神。わずか一年での成長が凄まじい。

    それでもやはり頭が回る&武力に秀でているという二物を持つニケには及ばなかったけど、他のメンバーが助けてくれるはず。ジビアが呟いていたけど、捕まったもう1人って誰だろう。

  • スパイ教室最新巻。フェンド連邦編が終わって、新しいシリーズのはじまりで、舞台も王国へうつり、クラウスと同等の力を持つ伝説級のスパイ、ニケとの戦い。盛り上がる要素ばかりで、いつもながら読ませる力がすごいと思う。今からすでに次巻が楽しみです。

  • 最初に表紙を見た際は「これ誰だ…?」って一瞬感じてしまったよ。そのくらい印象が様変わりしたね。それは見た目だけでなく中身も


    これまでは分担ごとに別作業・任務に就く事はあっても連携を取らない形でバラバラにスパイ活動を行うなんて無かった
    けど今回のライラット王国編はそのバラバラを求められたわけだ
    勿論、本人達は納得しているし、任せられるだけの成長を示した背景もある。けどそれを以ってエルナ達が一人前になったと言い切れるわけではなくて

    そういった不安定さをこれでもかと感じ取れた巻だったよ


    エルナとアネットだけの潜入任務。おまけに目的は革命の実行。戦力的には頼りになっても任務達成という面では元々不安の多い二人
    潜入こそ上手く出来ても一度創世軍に見つかった程度で困窮してしまう程度のチームワークと実力。また、エルナとアネットは問題を多数内包するライラットという国をどうするのかという点が大きく乖離しているから目的の共有も微妙にズレている
    だから上手くいっているように見えて危うい方向に進んでいるなんて当たり前の話で

    エルナの失策はあまりにあまりなもの
    普通のスパイ相手なら少し近付いたくらいで危機に陥るなんて有り得ない。その点はエルナがニケというスパイの危険度を見誤っていたという点に尽きる
    ニケの視界に入った。それだけでエルナの任務は終わりかけた
    アネットはエルナの失敗を補う役割を担っているけど、それでニケに敵うわけではない。やはり二人はスパイとしてはまだまだ未熟だと感じられる程の完敗


    革命実行役としては最適かというと疑問符が浮かぶエルナとアネット。けど、他の面々だってギリギリの役目を担っている。そもそもライラットはニケという強大なスパイが居るからこそ分散策を採ったのだろうし
    最善の選択が存在するかも判らない難しい局面。クラウス以外に判断できる者が居る訳がなくて
    だからこそクラウスはサラの反対意見に感動しつつも厳しく反対したのだろうね

    以前のサラならその時点で折れて引き下がるようなクラウスの強硬な態度
    ここで現実に負けるより理想と心中したいと決意するとは以前の彼女を知っていれば知っているほど驚かされるね
    スパイとしては有り得ない夢。でもサラはその夢を本気で叶えようとしている。その本気は誰もの認識を上回るもの。

    以前、サラはアネットの闇を受け止めた。あの時はアネットの理性的でない面を許容した為に受け止められたのだと思っていた
    でもその時に生まれた繋がりがサラを『悪』に変えていくとは思わなかったな。勿論、アネットのような完全悪ではないのだけど、人に合わせてばかりのサラはアネットの『悪』に触れる事で変われたのだろうね

    生まれ変わったサラだから嘘に嘘を塗り固めるような遣り方でニケを一時的に上回れる
    でもサラが本質的に持つ皆の未来を守ろうとする姿勢は失われない。だからサラの《秘武器》はバラバラになったスパイ少女達を繋ぐものであり、革命の希望も失わせないものになる


    負けそうだったけど負けに終わらなかったニケとの対面。また、他のスパイ少女達も躍動を始めようとしているようで
    ここに謀略の双子が残した『LWS劇団』や『お姫様』はどう関わってくるのかな?

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著者プロフィール

第32回ファンタジア大賞《大賞》受賞作「スパイ教室」でデビュー。

「2023年 『スパイ教室10 《高天原》のサラ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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