自発的対米従属 知られざる「ワシントン拡声器」 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040821009

作品紹介・あらすじ

これまでの日米外交は、アメリカの少人数の「知日派」と日本の政治家やマスコミが互いに利用しあい政策を実現するという「みせかけの対米従属」によって動いてきた。トランプ大統領が出現し、いま日本は何をなすべきか。
ワシントンでロビー活動に長年携わった著者による緊急提言。

第一章 外交は劇である
「歴史的和解」を演じる歴史修正主義者たち
「劇」の通りに現実が動いていく
日米間の情報ギャップ
シンポジウムや講演も「外交劇」
見抜かれていた「日本政府のプロパガンダ」

第二章 自発的対米従属
「ワシントン発」の報道の作られ方
政策に跳ね返る「知日派の声」
「ワシントン拡声器」の効用
TPP推進は「日米財界の声」
「アメリカの声」により原発ゼロ閣議決定見送り?
なぜアメリカは日本に原発維持を求めるのか
自ら選んだ「従属」に気付かない恐ろしさ

第三章 トランプ・ショックと知日派の動向
「トランプの政策は『破滅のレシピ』だ」
日米関係維持に懸命な知日派
反トランプの知日派が政権に入る可能性
トランプ・ショック後の「逆拡声器」現象
日本の声を使った「トランプ困るコール」

第四章 今後の日米関係の展望
日本の軍事力増強と自衛隊の任務増加の可能性
軍備拡張の好機を得た安倍政権
原発問題のゆくえ
熾烈になる貿易交渉
キーマンとなる知日派は誰か

第五章 外交・安全保障における市民の声の具体化のために
「逆拡声器」の驚き
既得権益層同士が利用しあう外圧
マルチトラック外交の重要性
安保・外交分野にも躊躇せず支援がなされる社会に

第六章 今、日本の私たちがなすべきこと
リベラル陣営からの提案を
「どうしたいか」を考える
沖縄基地問題への具体的提案
新しい日米関係を切り拓くために

感想・レビュー・書評

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  • 東2法経図・6F開架:319.1A/Sa69j//K

  • 既存のメディアからすると予想外れのトランプ新大統領の出現。
    戦後、対米従属ラインで推移してきた両国のエスタブリッシュメントにとっては、トランプ外交にどのように対処すればいいのか、不安だらけであった。
    特に、日本にとっては選挙期間中のトランプ発言を奇禍として、対米従属からの脱却にチャレンジする絶好の機会だったのである。
    しかしながら、対米従属ラインでの既得権益者たちは、いち早く安倍をトランプに会わせ、従来通りを踏襲させてしまった。
    また、アメリカの既得権益者も日本のやり方をまね、トランプを懐柔してしまったようだ。
    そんな内容の事をアメリカ、ワシントンで活躍する著者が日頃の現象からまとめた本である。
    内容は、
    第1章 外交は劇である
    第2章 自発的対米従属
    第3章 トランプ・ショックと知日派の動向
    第4章 今後の日米関係の展望
    第5章 外交・安全保障における市民の声の具体化
        のために
    第6章 今、日本の私たちがなすべきこと
    対米従属になれた外務官僚は、日本国の国益とは相反する政策をアメリカの力を借りて実行する。
    民主的選挙で選ばれた総理大臣の意向などまったく無視。
    また、日本のエスタブリッシュメントたちの権益を守るため、税金を使って、アメリカでのロビー活動資金としている。
    よほど、市民一人一人がマスゴミから垂れ流されるバイアスのかかった情報から騙されずに、自らの意思で事実に基づく情報とフレンドリーになるのか。
    覚悟して真摯な態度で日々過ごすことが求められるのだろう。

  • アーミテージらジャパンハンドラーズ共のやり方の片鱗が読み取れて面白いやらはらわたが煮えくりかえるやら。例えば日本で原発をなくさないのはハムレの商売のため。やれやれ。トランプ政権が奴らの悪事をどれだけひっくり返してくれるのか期待してしまう。

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著者プロフィール

猿田 佐世 (サルタ サヨ)
1977年生まれ。新外交イニシアティブ代表。弁護士。外交・政治分野において、米議会などでロビー活動を行うほか、幅広い声を外交・政治に反映するため、研究活動、情報発信・政策提言を行っている。著書に『米中の狭間を生き抜く』(かもがわ出版)、『自発的対米従属』(角川書店)、『新しい日米外交を切り拓く』(集英社)などがある。

「2023年 『世界のなかの日米地位協定』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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