口は禍いの門 町医北村宗哲 (角川文庫 さ 52-3)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (361ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041000663

作品紹介・あらすじ

病気を治す腕は一流、厄介事を解決する知恵も一流、宗哲の医院は今日も大繁盛だ。今村芳生なる蘭方医が宗哲のもとを訪れ、"本道(内科)に限っては官医に蘭方を禁ずる"という幕府の達しに、激しく不満を述べた。宗哲が相手にしないとみると、漢方医で将軍家御匙の楽真院と老中首座に直談判に行く始末。辟易した楽真院から、今村の口を封じられないか、と相談を受けた宗哲だったが…。人情の機微に触れるシリーズ第3弾。

感想・レビュー・書評

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  • 舞台は江戸。
    登場人物は現代人。

  • いよいよ極道の、戦国時代?

  •  町医北村宗哲もの第3弾。いやあよく読むよなあ佐藤雅美のシリーズもの。どれも似ているしもう書くこともなくなってしまったよ(笑)。しかし本シリーズはまだ3冊目だったのか。そういう点では他のよりまだ新鮮味があるのかも。といっても狭いバリエーションの範囲内ではあるけれど。
     内容としても、いずれも捕り方である半次、桑山十兵衛、居眠り紋蔵、縮尻鏡三郎とは違って、宗哲は医者であり前身は渡世人というところが大きく違う。足を洗ったといっても存在感は大きく、まだやくざの縄張り争いに巻き込まれたり、相談をもちかけられたりする。町方も出てくるけれど、事件というよりは日常的ないざこざなんかとかやりとりのおかしみがこのシリーズの持ち味だろう。といっても底が浅いというか、しょせんはご用とお急ぎでない方向けということではあるが。

  • 評価よさそうなのでシリーズ途中だったけど借りてみた。お話は面白いが、時代物特有の見慣れない漢字の多さに挫折ぎみ。

  • 佐藤雅美は江戸時代からタイムスリップしてきたに違いない。

  • 佐藤雅義「町医・北村宗哲」シリーズで、これも単行本出版時に既に読んでいるものだが、正月休みにはずれの無い時代小説をということで文庫本なったものを読み返したもの。

    医学館で医術を学んだがふとしたことから渡世人の抗争に足を踏み入れたものの、そこから足を洗い江戸は神明前で町医を開業する北村宗哲。渡世人の争いからは一線を画しているものの、昔のつてで未だに色々と難題を持ち込まれる。品川の宿で倒れた旅人に頼まれかつての盟友で竜次のもとへ金を届けたのが、江戸の町の渡世人抗争に火種を作ったと疑われることになる。

    医術を通して江戸の庶民の暮らしを横糸に、そして渡世人の世界を縦糸に紡ぐ江戸物語。どこから読んでも決して損はしないシリーズだ。

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著者プロフィール

佐藤 雅美(さとう・まさよし)
1941年兵庫県生まれ。早稲田大学法学部卒。デビュー作『大君の通貨』で第四回新田次郎文学賞を受賞。1994年『恵比寿屋喜兵衛手控え』で第110回直木賞を受賞する。著作に『御奉行の頭の火照り 物書同心居眠り紋蔵』『頼みある仲の酒宴かな 縮尻鏡三郎』『関所破り定次郎目籠のお練り 八州廻り桑山十兵衛』『知の巨人 荻生徂徠伝』などがある。2019年7月逝去。

「2021年 『恵比寿屋喜兵衛手控え 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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