海嶺(中) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004333

作品紹介・あらすじ

遠州灘で遭難し北アメリカに漂着した岩松、久吉、音吉の3人は、現地の先住民に捕らえられてしまった。しかし偶然にも岩松たちの窮状を知ったイギリスの商社・ハドソン湾会社の厚意で、帰国の途が開かれる。大きな期待を胸にイギリス軍艦イーグル号に乗り込んだ3人は、幾多の困難を乗り越えロンドンの地に降り立った。そこで見たものは、鎖国政策を行う祖国とはあまりに違う進んだ光景だった。魂をゆさぶる人間ドラマの中巻。

感想・レビュー・書評

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  • 本作は、2006年に読んだ作品。
    今から16年前になります。

    著者、三浦綾子さん、どのような方かというと、ウィキペディアには次のように書かれています。

    ---引用開始

    三浦 綾子(みうら あやこ、1922年4月25日 - 1999年10月12日)は、日本の作家。北海道旭川市出身。旧姓:堀田。結核の闘病中に洗礼を受けた後、創作に専念する。故郷である北海道旭川市に三浦綾子記念文学館がある。

    ---引用終了

    で、中巻の内容は、次のとおり。

    ---引用開始

    遠州灘で遭難し北アメリカに漂着した岩松、久吉、音吉の3人は、現地の先住民に捕らえられてしまった。しかし偶然にも岩松たちの窮状を知ったイギリスの商社・ハドソン湾会社の厚意で、帰国の途が開かれる。大きな期待を胸にイギリス軍艦イーグル号に乗り込んだ3人は、幾多の困難を乗り越えロンドンの地に降り立った。そこで見たものは、鎖国政策を行う祖国とはあまりに違う進んだ光景だった。魂をゆさぶる人間ドラマの中巻。

    ---引用終了

  • 遠州灘で遭難し奇跡的に北アメリカに漂着した岩松ら3人は、先住民に奴隷にされる。しかしイギリスの小社の援助で日本に帰国できる道が開かれる。希望を持った3人を待ち受けたものとは……。

  • 自分の日常に対して生きた時代の異なる人、生きる世界の異なる人の考えに触れて視野を広げようという目的でこの物語を読んでる。
    岩吉のように冷静に物事を洞察すること、音吉のように謙虚に人から学び出来ることに取り組むこと、久吉のように明るく日常を過ごすこと、あとは三人の故郷や家族への思いみたいなモチベーションは大事だよなと思う。不平不満はやっぱ良くない。

  • 朝の礼拝の紹介本です。

    【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/

  • 思いと行動から道が通ずる。

  • うわー。まさに波瀾万丈。
    実話の方を全然知らないから、ググりたくってウズウズしちゃう。

    ちょっと宗教の話に力入り過ぎと感じるけど、
    まあ、そこは三浦さんとしては当然か。

  • 1年2ケ月もの海での漂流の末、宝順丸の14人の乗組員の中で生き残ったのはたった三人。
    主人公の音吉、音吉の幼馴染の久吉、宝順丸の舵取り、岩松。
    三人はアメリカとカナダが合同で領有していた地、フラッター岬に漂着する。
    そこで現地のマカハ族というインディアン種族に捕らえられ、奴隷として使われることとなる。
    食べる物は残飯、気に食わないことがあると鞭で打たれるという日々に、逃亡を考えるようになる三人。
    岩松は酋長に奪い取られた硯を盗み出し窮状を知らせる手紙を書き、別の種族の人間に託す。
    運良くその手紙はイギリスのハドソン湾会社のマクラフリン博士の手に渡り、三人は救出されることとなる。
    日本へ送り届けてもらえることとなった三人。
    しかし、直接日本に帰る事はならず、その後、ハワイ、ロンドンと長い航路を旅する事となる。

    言葉も通じない異国で現地の人々に囲まれる、こんな非常事態に仲間がいるというのはどれだけ心強いだろう。
    もしそんな状況で一人ぼっちだったら・・・いや、多分一人なら長い漂流には堪えられなかっただろうし、精神的なストレスだけで死んでしまうかもしれない。
    特に三人の中で一番の年長者、三十代の岩松がいたのが心強い。
    岩松は器用で何でも出来る男だし、度胸もあるし機転もきく。
    まだ経験値の浅い十代の音吉と久吉だけだったら、多分帰国する伝を作る事は出来なかったと思う。

    音吉は言葉が通じない国でもその心根の美しさで、子供たちに慕われ酋長や「蝮」と三人があだ名する凶暴な男にすら気に入られる。
    すぐに鞭をふるう蝮も音吉にだけは鞭を使わない。
    そして、その誰にでも好かれる性格が運命の分かれ目で大きな効果をなす。
    素直で実直という事は正に美点であり、その人の宝物だとこれを見て思った。

    また、三人は救出され到着したフォート・バンクーバーで異国の文化を目にし、驚く。
    その様は、とてもシリアスな話なのにどこか滑稽で、特に会話を見ていると微笑ましい気分になった。
    初めて着るパジャマなるものを着て、煤のこもらない家に感心し、
    ガラスという便利なものは帰国の際もって帰りたいと思うし、缶詰を目にしてこれが漂流の時にあったらと思う。
    そして、キリスト教との出会い・・・。
    そうか。
    やはりキリスト教つながりで三浦綾子さんはこの物語を書こうと思ったのか・・・とそう思った。
    でも最初のキリスト教との出会いでは、キリシタン弾圧を知っている三人はなるべく関わるまいとする。
    しかし、異国人の親切に肌で触れて少しずつその思いは変わってゆく。

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著者プロフィール

1922年4月、北海道旭川市生まれ。1959年、三浦光世と結婚。1964年、朝日新聞の1000万円懸賞小説に『氷点』で入選し作家活動に入る。その後も『塩狩峠』『道ありき』『泥流地帯』『母』『銃口』など数多くの小説、エッセイ等を発表した。1998年、旭川市に三浦綾子記念文学館が開館。1999年10月、逝去。

「2023年 『横書き・総ルビ 氷点(下)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三浦綾子の作品

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