刑事たちの聖戦 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (365ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004340

作品紹介・あらすじ

公安部vs.刑事部、分裂するキャリア官僚。権力と陰謀の迷宮を刑事たちは食い破れるか!?旧大蔵省次官を経験した元高官が相次いで殺された。政治テロか、それとも-。浮かびあがったのは、7年前、政官財を揺るがした疑獄事件。その事件で殉職した松浦刑事の息子・亮右の名が捜査線上に挙がる。松浦の盟友は亮右を緊急避難させるが…。

感想・レビュー・書評

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  • 「刑事たちの夏」の続編にあたる物語。
    前半の物語の展開と後半の結末部分との関連性が薄く、盛り上がりにかける気がした。
    犯人の動機、犯行の裏側、犯行までの心理。
    どれも描写が浅く、面白くないわけではないけれど物足りなさが残った。
    警察内部の隠蔽体質、公安と刑事の対立関係、「刑事たちの夏」で描かれていた「正義」の意味など、繋がっている部分もあり「刑事たちの夏」を先に読んだほうがよりわかりやすい面もある。
    刑事、検事、記者。
    思い込み捜査によるご都合主義の権力に立ち向かってでも守りたい「正義」。
    その過程を描きたかったのだろうとは思うのだけれど、何故か雑さを感じてしまった物語だった。

  • 本作は『刑事たちの夏』の“続篇”である。『刑事たちの夏』の物語から7年程後の出来事である。
    当然、独立した作品として楽しめるのだが…本作は何処となく『刑事たちの夏』の“補遺”という雰囲気も色濃いかもしれない。前作と共通する作中人物の「その後」に加えて、「前作以前」のことも少し掘り下げられているような箇所も多い…
    ゛公安”の流儀で思いも掛けない嫌疑を受けた主人公と、それを護ろうとする人達の奮戦…思いも掛けない型で明らかになる、凶悪な事件の真犯人…なかなかに興味深い作品である…

  • 刑事たちの夏がよかっただけに残念

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著者プロフィール

1953年北海道生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業。87年豊田商事事件を扱った『マネーゲーム』で第24回文藝賞佳作。『世紀末鯨鯢記』で第3回三島由紀夫賞受賞。『刑事たちの夏』では警察小説ブームに火をつけ、警察小説の金字塔となる。主な著書に『放火(アカイヌ)』『刑事たちの聖戦』『ダブルフェイス』『禁断のスカルペル』『デス・エンジェル』『限界病院』など多数。

「2020年 『笑う執行人 女検事・秋月さやか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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