おんな牢秘抄 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004647

作品紹介・あらすじ

大岡越前守の娘、霞は男が作った世の決まりで裁かれる女たちに深い同情を寄せていた。6人の女死刑囚を救えるか、と父から挑まれた霞はある秘策を考えつく。数日後、小伝馬町のおんな牢に姫君お竜という風変わりな新顔がやってきた。愛くるしい顔立ちだが不敵な態度で一目置かれる存在となったお竜は、死刑囚から身の上話を聞き出し始め…。おんな牢と江戸の巷を駆け回り、女たちの冤罪を晴らしていく爽快な時代活劇譚。

感想・レビュー・書評

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  • 山風ミステリの中でいまいち知名度に欠ける本書でありますが、決して完成度が高くないわけではなく、むしろお得意の時代物とミステリとが、極めて高い次元で融合した傑作です。
    低知名度の理由は時代小説という側面ばかりが強調されて、ミステリだという認知があまりされていないからなのではないでしょうか…。
    内容は新顔の女囚人お竜が、やむにやまれぬ事情で収監された囚人たちの容疑を張らすために奔走するといったものです。対象となる6人の囚人が関わった事件はどれも奇々怪々なもので、本格ミステリ読者なら唸らずにはいられない好編ばかりです。
    そしてラストになって突如として時代小説らしい仕掛けがクローズアップされ、山風らしからぬ(?)超絶ハッピーエンドに雪崩れ込みます。
    このラストが良すぎてもうそれだけで☆5をつけたくなっちゃいます。
    時代小説もミステリも読まないという人が読んでも楽しめること請け合いです。

  • お奉行様の娘が、おんな牢にいる死罪が決まっている女囚に事件の話を聞いて、それぞれの黒幕を暴き出す。若干 都合の良さが見えるけれど、男社会で理不尽な責めを負わされた彼女たちを救えることにはホッとする。事の真相を教えられた彼女らの気持ちは混乱すると思うけどね。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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