いちばん嫌な敵 妻は、くノ一 蛇之巻1 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041007471

作品紹介・あらすじ

運命の夫・彦馬と出会う前、長州に潜入していた凄腕くノ一織江。任務を終え姿を消すが、そのときある男に目をつけられていた――。最凶最悪の敵から、織江は逃れられるか? 新シリーズ開幕!

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな妻はくノ一シリーズ。ただ蛇が苦手な私。かなり辛い。何度蛇という字を見たことか…今ももつ二回書いてる(>_<)なぜ、蛇なんだろう。この先読み進めるかなぁ。それが心配。

  • 妻は、くノ一シリーズ番外編。
    本編の過去を振り返るだけの番外編かと思いきや、彦馬と織江が出会う前からアメリカの生活にまで及ぶ、長い番外編でした。

  • 20180225読破
    新天地にて年を経て強くなっていた彦馬が頼もしい
    今後の織江が因縁の敵とどう立ち向かっていくのか?
    蛇だけにしつこそうだけど(苦笑)

  • 【読書感想】「妻は、くノ一」(全10巻) 風野真知雄

    平戸藩の御船手方書物天文係の雙星(ふたぼし)彦馬は、三度の飯より星が好きという藩きっての変わり者。そんな彦馬のもとに上司の紹介で美しい嫁・織江がやってきた。彦馬は生涯大切にすることを心に誓うが、
    わずかひと月で新妻は失踪してしまう。じつは織江は、平戸藩の密貿易を怪しんだ幕府が送り込んだくノ一だった。
    そうとは知らず妻を捜しに江戸へ赴く彦馬だったが…。
    人気著者が放つ「妻は、くノ一」シリーズ第1弾。(「BOOK」データベースより)


    年末からノンビリと読み進めておりました「妻は、くノ一」シリーズ。
    全10巻あり、このほかに後日談みたいなのが3冊ほどあるみたいです。




    この作者の作品は初めてで、何の前情報もなく読み進めたのですが、
    この作品、「時代物に興味はあるけど難しそうで…」と思っている方におすすめです。
    時代モノか現代モノかわかんなくなるくらいスンナリ読めてしまいますし、
    所々、漫画を読んでるみたいに、クスッと笑ってしまう描写があります。
    時代モノでこの軽さはなかなかないような気が…。


    時代モノはだいたい「捕り物」とか「悪党成敗」とかシリーズ全体を通して
    軸となるモノがあったりしますが、このシリーズに関していうと
    「甲子夜話(かっしやわ)」という不思議なことや庶民の噂話などをまとめた
    本が軸になっています。


    主人公の雙星彦馬は、平戸藩の御船手方書物天文係をしていたのに、
    妻の織江がいなくなっちゃったもんだから、
    近親者からテキトウに養子となる人物を探して自分は隠居を申し出て、
    織江を探しに江戸に出てきてしまいます。
    そこで、元平戸藩藩主松浦静山(甲子夜話の作者で実在の人物)とか、西海屋という大店の友人とか、原田という同心と出会って
    不思議な物事を解決したり謎解きしたりしつつ、寺子屋の先生もやって、
    その合間に織江を探します。


    軸となるものが不思議なこととか噂話みたいなのがベースなので
    あんまり人も死なないし(まぁ時々は戦ったり死人もでたりするけど)そういう意味でも軽いです。
    テレビの時代劇向き。(実際に時代劇にもなってたみたいです)
    おもーーい作品を読むと、日常生活もしばらくズドーーンとなるので
    あんまり重たい作品は読みたくない派の私としては、ホント、ちょうどよかったです。



    で、ワタクシ的に大好きなのが、主人公が隠居する際に養子として迎えた男、雙星雁二郎。
    この人が出てくるとワクワクしてしまいます。
    存在がもう漫画みたいです。


    表れた雁二郎という次男は、すこし後ずさりしたくなるようなガキだった。
    まだ十二、三の歳なのに、四十半ばくらいに見える。顔がそれくらいで態度や話しっぶりとなるとさらに老けていて、こっちは下手すると五十過ぎにも見えるほどである。
    なにせ、天気の話題から始まり、作物の実り具合について意見を求められた。
    しかも、話しながら煙管でタバコを吸い、そのためいがらっぽい咳をしたりする。お前はどこのじい様だと訊きたくなる。(本文より引用)



    もう設定からおかしい。
    そして、周囲から変人扱いされている彦馬さんだけど、
    養子である雁二郎に対してはとても的確に突っ込んだりぼやいたりしている。

    雁二郎さん、年齢は十四だけど手違いで三十三ということになり、
    江戸に出仕することになったんですが、そのときの会話↓



    「だが、顔は三十四で通っても、頭は十四だろう。仕事だって十四の仕事しかできないのではないか」
    「ところが、おかしなものですよね、十四と思って仕事をさせると半人前に見えても、三十四だと思えば最初はそんなものかと思うみたいなのです。私の方も適当に手を抜いていると、なんとかなったりして、あれですね、仕事というのは意外に楽なものなんですね。」
    と、雁二郎は平然といった。
    「・・・。」
    そうかもしれないが、雁二郎ごときに言われるとむっとする。(本文より引用)



    この雁二郎は、芸達者で色々と宴会芸を持ってるんだけど
    巻末にこんなのが載ってて、それもまたニヤリ。


    ※第三話で雙星雁二郎が演じた珍芸「すっぽんぽんのぽん」は、Bコース ハブの「海亀の卵が出てくるところ」を参考にさせていただきました。この場を借りて、お礼申し上げます。(本文より引用)


    インスパイヤ元がBコースのハブ…(笑)。




    ということで、雁二郎の存在だけでもこの時代モノは軽そうだ、というのがおわかりいただけると思います。
    時代モノとか読書そのものに苦手意識のある方の入門書としてオススメ!!

  • 妻は、くノ一の外伝とでもいうシリーズなのだろうか?アメリカか舞台で大統領暗殺計画を阻止するという思わぬ展開だ……。
    この先どうなるのであろう?

  • 新シリーズ第一巻?
    その後の「妻はくノ一」の後日談
    織江が過去に係わった長州忍者隊の過去現在
    主人公達はアメリカへ、リンカーンを狙う日本忍者?

  • アメリカに渡ってからのお話が読めるとは思わなかったな。楽しみ。

  • この別巻シリーズは2巻目から読んでしまい順番が逆になってしまいましたが、やはり1巻目から読まないと繋がりが分からない話になってました。この別巻は本編で語られていなかった織江が唯一嫌な敵だと思っている長州藩の忍者である鬼藤蛇文との死闘を描いた話のようです。それにしても蛇文というのは不気味ですね!

  • My honey like a 'Ku-No-Ichi'(The Woman NinJa). wow, sounds great (wow)^~^.

  • アメリカ生活を語るのかと思いきや、過去の回想だった。テイストはかわらない。織江のくノ一としての戦いと、彦馬の教師としての謎解きの2パートという不思議な構成。その回想が今のかすかなピンチにつながる、というようなものだった。

  • 彦馬と出会う前に長州に潜入していた織江。そこで遭遇した強敵の忍びに付け狙われる。こういう形で続編が来ましたか。回想と現代を結びつけるような展開で前作の雰囲気やパターンを残しつつもアメリカでの暮らしぶりも見えて楽しい続編となってきます。懐かしい面々も登場するのも嬉しい。相変わらずのユーモラスな展開や謎解きに伝奇的な忍びの戦いも加わり続編としては充分で期待できる出足です。アメリカでの話もなかなか良くて最後は意外な方向へ話が繋がっていく。これが出てくるとは思わなかった。どう繋げていくのか楽しみです。

  • 山崎まさよしくんの主題歌でNHKドラマにもなった『妻は、くノ一』の続編です。
    らじはドラマ化される前に元のシリーズを全部読んでたんだけど、そっちはそれでちゃんと完結してたわけ。

    今回、ドラマ化の話が出てからの続編っぽいけど、二匹目のドジョウ感がありありだったな。
    二人が結婚してから過去の話をアメリカで…ってのも微妙だし、かつて日本で敵だった人がアメリカのリンカーンを暗殺?みたいなのもちょっとシラケる。
    とりあえず図書館で借りてるから、次も読んでみるけど…。

    元の話は面白かったんだけどな~。

  • まさかのアメリカ編だった。
    船が難破して遭難している間の詳しい話も読みたかったな。

    『濤の彼方』の後記で触れられる話の隙間の時期と
    くノ一シリーズ本編で語られている時期と時系列が行ったり来たり。
    不思議と不自然さはないのだが、いきなり時間と場所が飛んじゃうので
    慣れるまでちょっと大変かも。
    それにしてもあれだけみっちり詰まっていた織江の戦闘の歴史の
    更に隙間に新たなエピソードを捻じ込んでくる力業には恐れ入る。

    蛇の巻を読む前に静湖姫の話を何冊か読んでしまったからか
    1冊で1エピソードを懐古する構成なのだと思い込んでいたのだが
    この先もまだ続くようなのが吃驚だった。
    これはこれで新たな敵が現れたとシンプルに理解すればいいのかな。
    新たな敵とたまたま過去に因縁があっただけだと。

    ツインスター家という呼び方と、息子の名前が日本名じゃないのと
    織江が彦馬のことを『ヒコ』と呼ぶのにまだちょっと違和感がある。
    …慣れるしかないのは判るんだけどね。

  • アメリカでの生活と江戸での暮らしがいったり来たり。構成は面白く謎解きもあるので楽しい。

    蛇って生き物はどうもとてもよいとは思えないねー(^^;

  • 相変わらずの読みやすさ・・・。
    こういうかたちで,続編を書いてもらえるのはうれしい。
    エピローグの要素と
    新たなストーリーの要素。
    続きが待ち遠しい。

  • 「妻は、くノ一」の続編が、正直アメリカを舞台に始まるとは想像していなかったので驚いた。長州の忍者と織江の戦いのなかで、彦馬との絡みもあり、面白かった。次の戦いが待ち遠しい。

  • 相変わらず面白い。好きなシリーズなので、ひいきの引き倒しかもしれないけれど。

    そして、まあ、キテレツな展開。次作が楽しみ。

  • 大人気シリーズ「妻はくノ一」の第二章?前作で彦馬,織江が無事,結ばれ感動の完結.そのせいか,今作は目新しさが無く,物足りない印象を拭えない.今後の展開に期待!!

  • 「 妻は、くノ一 」シリーズの番外+続編的な本書。
    長州最強の忍びに、目をつけられてしまった織江。
    新天地まで追ってくるなんて、しつこすぎる・・・。
    今後の展開が気になります。

  • 織江の過去が追いかけてくるドキドキの出だしで掴みは上々。
    変装友の会とか不意に出てくるクダケた言葉が可笑しい。緊迫の潜入や不気味な敵の存在で盛り上げ部分もしっかりしていてこれぞエンターテイメント!最後の一文で話がいきなり飛躍しすぎて少々不安も…w
    お蝶に雅江、懐かしい人たちの登場はちょっと切ない気持ちになった。続きが楽しみ。

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著者プロフィール

かぜの・まちお
1951年生まれ。’93年「黒牛と妖怪」で第17回歴史文学賞を受賞してデビュー。主な著書には『わるじい慈剣帖』(双葉文庫)、『姫は、三十一』(角川文庫)『大名やくざ』(幻冬舎時代小説文庫)、『占い同心 鬼堂民斎』(祥伝社文庫)などの文庫書下ろしシリーズのほか、単行本に『卜伝飄々』などがある。『妻は、くノ一』は市川染五郎の主演でテレビドラマ化され人気を博した。2015年、『耳袋秘帖』シリーズ(文春文庫)で第4回歴史時代作家クラブシリーズ賞を、『沙羅沙羅越え』(KADOKAWA)で第21回中山義秀文学賞を受賞した。「この時代小説がすごい! 2016年版」(宝島社)では文庫書下ろし部門作家別ランキング1位。絶大な実力と人気の時代小説家。本作は「潜入 味見方同心」シリーズの完結作。



「2023年 『潜入 味見方同心(六) 肉欲もりもり不精進料理』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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