- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041010365
作品紹介・あらすじ
「弥吉」を名乗り、男姿で船頭として働く弥生。船宿の松波屋一門として人目を忍んだ逃避行「とんずら」を手助けするが、もっとも見つかってはならないのは、実は弥生自身だった――。
感想・レビュー・書評
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落としだねのお姫さまが、御家騒動に巻き込まれ、男姿の船頭に。
船宿「松波屋」の裏稼業は、人の逃亡を助ける「とんずら屋」。
松波屋の裏稼業を支えるのは、主の市兵衛、女将のお昌、
そして船頭の弥吉(弥生)、啓次郎、船大工の源太の面々。
そして、船頭の弥吉がこの物語の主人公なのだが、
実は、大名の落としだねである御姫様で、
御家騒動に巻き込まれ、男姿の船頭に姿を変えて追手から身を隠している。
さらに、商家の謎の若旦那や、御家の間者など、
登場人物が入り乱れて、面白い。
叔母であるお昌や船頭たち全員が弥生を護りながら、
逃がし屋稼業に精を出すのだが、
弥生の感情に、周囲が振り回されている様子は、
あまり共感できなかった。 -
首の回らぬ借金、望まぬ婚姻、奉公先。
逃げ出したい方はご連絡を。「とんずら屋」の
手並み、ご覧に入れましょう…。隅田川の船宿
「松波屋」で、昼は船頭、夜は逃がし屋として
活躍する弥生の姿を描く痛快時代活劇。 -
「後はあっしを忘れずにいてくれりゃあ、もうそれで十分でさ」
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やはり、田牧さんのストーリーには引き込まれ、退屈をしない。面白さでは、鯖猫長屋シリーズが勝っているが、こちらの作品も映像で見ているような華がある。
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江戸の夜逃げ屋のお話で、男装の船頭さんが主役。
登場人物がしっかり描かれているので、分かりやすく入りやすい。 -
十八歳になる弥生は、「弥吉」を名乗り、男姿で船頭として働くいっぽう、夜は裏稼業の逃がし屋、「とんずら」にも余念がない。情に脆く、「とんずら屋」の客にすぐに同情してしまい、女将のお昌とぶつかることもしばしばだ。東慶寺で生まれ、出生の秘密を持つ弥生を取りまくのは、松波屋に拾われた啓次郎、身分を隠し松波屋に逗留する進右衛門など、彼女を助太刀する男性陣。今日も依頼が舞い込んで―。シリーズ第1弾!
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「弥吉」を名乗り、男姿で船頭として働く弥生。
弥生の働く松波屋には、船宿という表の顔のほかに「とんずら屋」という裏の顔があった。
逃げなくてはならない事情を抱えた人々を、相当の金子と引き換えに逃がすという商売だ。
弥生はとんずら稼業を手助けするが、もっとも見つかってはならないのは実は弥生自身だった――。
とんずらって言葉を久しぶりに聞きました。
夜逃げのことですね。若い人は知ってるのかな、この言葉。
とんずらの依頼ごとに一つの短編となっており、読み進めていくと少しづつ弥生の過去が明らかになっていきます。
自分の境遇に悩みながらも与えられた仕事や環境に取り組み、それでも右往左往しながらもがいていく彼女の姿にはおのずと応援したくなるものがありました。
弥生は結構うじうじと悩んで、他人を巻き込まないために取った行動がまた人を巻き込む結果になったりもするんですが、その行動に至るまでの心情や境遇がきちんと納得のいくように描かれているのでいらいらせずに読めました。
18歳の娘が男装する(しかも女だとバレない)とか、脇を固める男たちがやたらと全員イケメンだとか、なんだか設定がファンタジーとか乙女ゲームっぽいところが腑に落ちませんが…。
まあ、まだ解明されていない謎もあるので、次巻が楽しみです。 -
うーん、面白かったけどちょっと期待が大きかったかなぁ。
でも次巻も買ってるし次に期待