国家の暴走 安倍政権の世論操作術 (角川oneテーマ21)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041018149

感想・レビュー・書評

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  • レビュー省略

  • アベノミクスに異論を唱えている古賀さんの著書。
    安部政権の目指すところは、経済・軍事両面で欧米列強に並びかけた戦前の日本である。軍事力を駆使するには、戦争をしやすくしなければならない。自衛隊を国防軍にして、軍事力を増強しなければならない。武器輸出もしなくてはいけない。
    1.国家安全保障会議(NSC)設置により、非常事態においては戦争するかしないかを決定できる例外がまかりとおる
    2.特定秘密保護法でNSCの議事内容を半永久的に隠せる
    3.防衛装備移転3原則により武器輸出がすすむ。武器の輸出がすすむと世界のあちこちで戦争が起こることを望むようになる。戦争がなくては経済がもたない国になる。
    4.集団的自衛権の行使容認。米国から戦争に一緒に行ってくれと言われたときに、今までは9条が盾になっていたが、今後はいけないとは言えなくなる。もしもことわるならば、TPPでもなんでもしますと米国の言いなりになることになるが、すべてそうはいかないためやはり同盟国である米国のために日本も戦争をせざるを得なくなる。
    5.集団安全保障により戦争の機会が激増する(複数の国家が互いに武力の不行使を約束しあい、その約束に反した国に対して、残りすべての国が制裁を与える制度)。知らない国にも自衛隊が戦争に行くことになる。
    6.自衛官のリクルートを円滑に進めるための少子化対策。
    7.米国の情報に惑わされない日本版CIAの設置。
    8.現行ODA「軍事的用途及び国際紛争助長への使用を回避する」を改訂し、外国軍支援を可能にする政策。武器を買わせるために、ほかの名目で巨額の援助をすれば、浮いた金で日本の武器を買ってもらいやすくする。米国ではイスラエルやエジプトにそういったことをしている。
    9.国防軍の保持。9条の改正により、戦争の永久放棄という文言をなくし、戦力の不保持や交戦権の否認を定めた9条二項を削り、個人的自衛権だけではなく自衛権一般を認める。安部政権の目指すところは憲法上の要請という後ろ盾を得て、世界トップレベルの軍事力を保持することにある。
    10.軍法会議の設置という治外法権
    11.国家総動員法復活?戦争の時には有無を言わさず、国家の言うことを聞かなくてはならないという法律の制定の可能性
    12.徴兵制導入。自衛隊員不足を補う、強くするための制度。安部政権は若者に人気があるから、まずは9条を改正し、次の段階で徴兵制が議論されるのではないか。
    13.核武装。軍事力を高めるのは戦争のためではなく、潜在的な敵国に我が国を攻撃することを思いとどまらせる抑止力になる。戦争をしないために軍事力を強化するといいながら、原子力開発に力を入れていく。

    将来的には男子は戦争に行くから、女性は仕事をし、子供を産み育てよということか?
    電気代を高くして原発がなかったらやっぱり電気がたりないんだなーと思わせておいて、原発再稼働し核を保持するのが狙いなのだろうか?そうだとすると恐ろしい。

  • 読みやすい。日本版NSC、特定秘密保護法、集団的自衛権で戦争が出来る国へ。それは嫌だな。

  • 安倍政権の危険性をわかりやすい論理展開で述べている好著。
    戦争をしないと維持できない国作りをしようとしている安倍政権の怖さがとてもよくわかる。
    集団的自衛権の行使に始まり、ゆくゆくは戦争にたどり着くストーリーに現実性を感じて恐ろしくなってしまった。
    ハト派の議員が増えてくれることを願う。
    古賀さんはしがらみなく自分の信念に基づいてものの言える貴重な存在だ。多様な意見を確保しつつ、戦争をしない日本を維持していきたいと強く感じた。

  • 20150104

    平気で嘘をついたり、討論中にスグにムキになったり、反対意見に聞く耳を持たなかったりする安倍総理の人格には危うさを感じていたが、本書を読む事で確信した。

    総理がアメリカ大統領に良い顔をしたいためだけにアメリカの言いなりで戦争に突き進む可能性が多いにあることをあらためて感じた。

    先々、徴兵制さえも現実味を帯びてきており、子どもを持つ親としては決して政権の暴走を許す訳にはいかない。

    そんな安倍政権を年末の衆議院選挙で歴史的大勝をさせてしまった選挙制度にも多いに問題があるが、国民の命よりも、見栄や、利権を守ろうたする政権の暴走をこれ以上許す訳にはいかない。

    女性活用、地方創生という耳触りの良い政府広報にごまかされる事なく、国民はしっかりと安倍政権の本心を理解し、正しい方向に向かわせるために小さな声を集めて大きな力を築いていかなければならない。

    ただ、同じような内容が何度も書かれていたので、もう少し簡潔にまとまっていればもっと多くの国民に著者の思いか伝わるように思えた。

  • 古賀さんの本は好きだったのだけど、これは読んでてイライラする。
    官僚の考え方の批判はその通りだと思うし、日本をダメにしてる最たるもんだとも思うのだけど、国民を馬鹿にしてんのは古賀さんも同じなのかと感じた。
    安倍さんのやり方が全部正しいのかどうかは判んないが、こいつだからこう考えてんだよ、みたいな論の進め方は不愉快だ。
    あってるかどうかは、知らないよ。
    だけど不愉快。
    この人も、所詮官僚なのだと思わせていたただいた。

  • 1.日本版NSC
    2.特定秘密保護法
    3.集団的自衛権
    恐怖の3点セット
    確かに何か我が国は危ない方向に
    向かっているような感じがしてたが
    それが確信となるような1冊でした。

  • 今日の朝刊の一面に『「自民300」予測衝撃走る』の見出しが躍る。自民党はこの衆議院選挙に大勝し、そして16年の参議院選にも勝って長期政権を我が物にするのであろうか。そうなると首相の構想と夢は確実に実現されるのであろう。果してそれで日本は平和で豊かな世界の国々から称賛される国になるのだろうか。それにしても、今回の選挙で選挙民の一番の関心事が景気回復にあるのは、これで良いのかという感想を持つのですが。本当にこれで良いのか?悲しい気持ちでいっぱいです。

  • 政治家やジャーナリストの言動にイライラするだけだから、最近は意識的に政治の話題を避けてきたけれど、たまたま人に勧められたので読んでみた。 ちょうど解散総選挙になったことだし。 日本がどうなろうとも、国家に依存しない個人として生きられるよう、自分で準備しとけばいいかな。

  • 安部政権に対する辛口の評価。

    集団的自衛権や特定秘密保護法案など、キナ臭い法案が多いということは感じますし、憲法9条の改正の話も、個人的には誰も傷付いていないのだから改正しなくても良いのではと思います。この本にあるように死の商人を目指すというなら言語道断だと思いますが。

    むしろ、経済面をしっかりやってもらいたいと感じました。消費税も上がり、景気をきちんと見極めていけない時期だと思いますし。

    それにしても、既得権益の問題は誰がやっても解決しないかなと思う。そして、平均寿命世界一と言うことは素晴らしいと思うが、それだけ頭の固い長老が居座ることにもなるので、この点も喜んでしまって良いものか。
    などなど

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著者プロフィール

1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。





「2023年 『分断と凋落の日本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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