人間の顔は食べづらい

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.39
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本棚登録 : 328
感想 : 58
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041021392

作品紹介・あらすじ

人間のクローンを食用に飼育するようになった日本。クローン人間飼育施設で働く和志は、除去したはずの生首が商品ケースから発見される事件の容疑者にされ!? 第34回横溝正史ミステリ大賞最終候補作を書籍化。

感想・レビュー・書評

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  • 動物を媒介するウィルスのせいで人間のクローンを食用に飼育するようになった日本…
    何だか最近偏って図書館から借りてしまったようでエログロぴえん本が多いような。見た目はアレだけど白井智之先生ワールドのどんでん返しミステリです。ホラーじゃないよ。

  • 意外と読後感は爽やかです。
    タイトルから想像してたようなグロい食人描写があるわけでもなく、プラナリアセンター絡みの倫理観は無いところもあるけれど、二転三転する展開で惹き付けられました。初読みの作家さんのはず。
    社会から断絶させて飼い主にしか会わず、でも主に古典文学を与えて読ませているクローンはちゃんと賢く人間っぽくなるのか?チャー坊の口調はどれかの作品の(未読だからわからないけど「罪と罰」とか)訳文に影響されてるのかな。柴田さんすっかり……
    飼い主に成り代わって革命するクローンたち。食用クローンの育て方あんな酷い方法なら恨みつらみも反骨精神も育ちます(フォアグラにする肝硬変な肝の作り方あんなのかも?)。パンクス。幸せに生き延びてほしいです。ラブを予感させる終わりでした。

  • 本物と入れ替わるって展開たまにあるけど、面白かったです。中盤推理合戦が展開されていくあたりから一気読みでした!上手くクローン設定活かしてる。

    最後、結局犯人は誰なんだって気持ちでページめくってたからやっとスッキリした。
    捉えるべき事柄は多くないのに、こんがらがってメモ取りながらじゃなきゃ読みきれなかった(^_^;)

    クローンの冨士山もレイ(チャー坊)も最後いい奴なんじゃと錯覚するくらいには、垢抜けて口調も仲良さげでいいキャラしてた!でも和志に片目炙られちゃってるから、見た目は怖いよ…
    素っていうのも変だけど、最後に見せた一人の人間らしい仕草もちゃんと持ち合わせてて安心した。

    えっち気持ちいいもんな〜クローンの冨士山が勧めて同じ女とヤるのは癖みも感じた。二人とも筆下ろしがあの子だったから、最後の砕けた感じでいくのかと思うとお互い見る目あるな?!!


    由島はスクーターで駆けつけて、最初現場を見た時からどこまでわかっていたんだろ。好奇心で仕事ほっぽっちゃうんだから、前職とか続かなそう。。だからといってプラセンでは働きたくない!!!

  • 既視感のある構成で大きなトリックは読めてしまったのだけれど、この設定を考えついただけで勝ちだなあ。
    多少のグロ耐性がないとキツイので、これから読む人はご注意を。

  • SFミステリ。グロ。
    とんでもない設定だが、世界観は洗練されている。
    派手に展開しまくる物語は疾走感がある。
    誰が犯人か、誰が探偵か、誰が被害者か、誰が主人公か、最後まで気が抜けない。
    何でもありすぎて収拾がつかなくなる寸前かとも思えるが、インパクトは抜群な一冊。自分の好みどストライクなので、評価は甘めに☆5。

  • 手品みたいだなぁと思った

    例えば最初からこの本はクローンの話ですよ、とかこの作者独特の世界設定を頭に入れておければ謎の解明はさほど難しくないと思う

    しかし読者に知らされる順番が巧みで注意が色々なところにそれるのである

    結果「うーん、きっとこれは~だ」というおぼろげな推測はつくのだけれどそれをちゃんとした全貌解明につなげるのは難しかった
    私が分かったのは全体のトリックの2割ほどだったが「あとちょっとで全部分かったのに!」というような気もして何とも歯がゆいような自然と笑みが出るような興奮も味わえた

    面白い本でした

    ここからネタバレ?------------------------
    三島由紀夫(もうこれでいい)が一体何者だったのかメチャクチャ気になる(笑)

  • 作者1990年生まれ!
    作者1990年生まれ!!

    はー。若ぇのに面白い話書きやがって!*。٩(ˊωˋ*)و *。ヒャッホゥ
    ストーリーもキャラも濃くて、最後まで飽きずに一気読みできたー。

  • はじめはグロモノだと思って我慢して読み始めたけれどどうしてどうして、そんなネタが仕込んであるとは!
    確認したいからページをまた開いてみたいと思いつつ、あぁ~もういや・・・
    表紙だってカバーが怖いので別な表紙で覆った程です。

    それにしてもひねりが良かった。
    想像の一歩、先いってました。

  • 「人間のクローンを食用として飼育する近未来の日本」というトンデモ設定ですが、中身はコテコテの推理劇です。生首の混入方法を巡る多重解決や、犯人を特定するロジックは非常に精密ですし、設定を活かしたメイントリックはカタルシスを得られます。本格ミステリーとしては素晴らしい出来です。
    ただ、人が人を食う設定は既視感(某漫画を想起させる)がありますし、近未来の日本という設定なのにクローン以外で近代らしさを感じられないのが残念です。物語世界の構築がやや不十分な気がします。

  • しっかり想像しながら読むと結構気持ち悪いけど、そこまで頑張らずに読めば、読みやすく、勢いよく読み終えることができました。

    あまり読んだことのないテーマで、ありえないだろ!と思いつつも、いやいやいつかは起こりうるのか?とも思えてしまういいラインでした。

    ただ、なんか、うまく説明できないんですが、ドヤって感じがひしひし伝わってきて、星3です。
    なんでしょう、すみません。うまく説明できませんが。

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著者プロフィール

1990年、千葉県生まれ。東北大学法学部卒業。『人間の顔は食べづらい』が第34回横溝正史ミステリ大賞の最終候補作となり、同作で2014年にデビュー。『東京結合人間』が第69回日本推理作家協会賞候補、『おやすみ人面瘡』が第17回本格ミステリ大賞候補となる。『名探偵のはらわた』は「2021本格ミステリ・ベスト10」で第3位。他の著作に『少女を殺す100の方法』『お前の彼女は二階で茹で死に』『そして誰も死ななかった』『ミステリー・オーバードーズ』『死体の汁を啜れ』がある。衝撃的な作品で読者の度肝を抜く、気鋭の本格ミステリ作家。

「2022年 『お前の彼女は二階で茹で死に』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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