「灘→東大理III」の3兄弟を育てた母の秀才の育て方

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024058

感想・レビュー・書評

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  • ☆本書のメッセージ
    親が子どもの学習のすべてをサポートする。子どもの貴重な青春時代にしかできないことだけを子どもにさせる。それ以外のことは全て母親がある

    ●読んだきっかけ
    audiobookのセールがきっかけ。「灘→東大理Ⅲの三兄弟」という事実が強力すぎて、読みたいと思った。その背景、環境が気になった。しかも、今は長女も東大の理Ⅲに受かったらしい...圧倒的な強さ

    ●本の概要
    母親である佐藤氏が、どのように考え、子どもたちの学習・勉強をサポートしていったかという話


    ●本の面白かった点、学びになった点
    *佐藤氏の立ち振る舞いが私の中の「母」という基礎概念を超えている。「プロ専業主婦」である。そういう世界、人々がいるということを知れた事実
    ・佐藤氏が子どもにかけるエネルギー、時間はすさまじい。そこら辺のサラリーマンや正職員よりも圧倒的な思考とエネルギー、時間を投資している
    ・「子どもが高校を卒業するまでは、子どものすべてに責任を持つ」をモットーに、サポートできるところは全てサポートする姿勢。特に、学習におけるサポートの姿勢がすさまじい。
    ・「この子たちの勉強・学習の力になるために、私に何ができるか」という問いを常に持ち続け、余す来なく実践し続けたのだろう
    ・明らかに、母親としてプロフェッショナルであり、全ての母親がここまでできるとは思えない。ただ、学べるところ、盗めるところは多い
    ・佐藤氏は、従来的な「母親」といようりは、各子ども専門の「受験勉強専任プロコーチ」といった印象

    *兄弟姉妹で「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼ばせない。兄弟間に上下関係を作らない
    ・早く生まれた、遅く生まれたとかで、差別があるのは非合理的。子どもたちの中で不公平感を与えないように、親も兄弟間もお兄ちゃんもお姉ちゃんとも使わない
    ・何かをあげるとき、与えるときも絶対に「お兄ちゃんなんだから」という理由を使わない。それは理不尽である

    *時間の大切さを教える
    ・そのために、家の時計を20分ほど早くしておく

    *家事よりも自分の時間を優先する
    ・自分のモチベーションと精神を保つために、家事には手を抜く。浮いた時間を「読書」に充てる。自分のための時間が作れている、ということがとても精神衛生上よい。また、読書から子育てのためのアイデアを得られることも多い
    →佐藤氏は、本著の中で「佐藤優氏の『読書の技法』からアイデアを得た」ということを書いてある。w私は、専業主婦をなめていた。佐藤優氏の著書を読む、専業主婦も、当たり前だがいるのだ

    *子どものテスト、問題集を読み込み、分析する
    ・たとえ、数学や英語がなくとも、毎回テストの解答用紙を読み込んでおくことで、子どもの間違いの傾向や、成長具合をつかめる
    ・各子どもが間違えた、直しのノートや、問題集を作成する。そのノートは子どもたちが学校に行っている間に作成し、帰ったら渡せるようにしておく

    *子どもの学習サポートを当然のもとのして行っておくことで、子どもが思春期になってもいつも通りコミュニケーションをとることができる
    ・いつもはサポートや支援をしていないのに、進路選択の時だけ、口出しをするから、親子げんかになる。子どもの進路に口をだすには、日ごろからの関係性が重要なのである


    *テレビは居間に置かない。ゲームもそんなにさせない
    ・テレビは居間にない。テレビは非日常にする。もちろん、ご飯を食べている最中も、テレビは見れないようになっている


    *子どもが中学生になるまでは、親が勉強や計画をコントロールする
    ・子ども、というか人間?は基本的に怠惰なもの。勉強の計画、どこまでやるか、というのは親がきっちり目を見張り、進捗を見ていく必要がある

    *勉強計画で大事なのは「時間」ではなく「何ページやるか」
    ・勉強や受験で最終的に求められるのは結果を出すこと。それまで、どれだけの時間を勉強に充てたのか、ということなど見られない。したがって、普段の勉強においても、「どれだけの時間を頑張ったか」などの観点は非合理的→さすがプロ主婦。合理的過ぎて笑ったw
    ・したがって、子どもと共に勉強計画を作るときは、必ず「ページ数」や「単元」などやる量を具体的に定めること



    *明日の道具や必要なものの準備は全て母親が行う。高校生になっても。
    →さすがに中学生や高校生になってまで、そんなところまでやるのはどうか、と思ったけども...
    →佐藤氏はこの子育て法で結果を出しているし、何より「家事とか料理とか明日の準備とかの経験なんて、青春時代にさせてももったいない。必要な時にさせれば覚えられる」というのも、一種合理的で理解できる。明日の準備や持ち物を確認する時間を、全て勉強に充てられるとしたら、12年間の学校生活館で結構な時間が生まれるしな、、、


    ●本のイマイチな点、気になった点
    *勉強の環境は関係ない
    ・佐藤氏は、子ども全員を全て目の届く範囲で勉強させるため、一階に集めていた、と語っていた。ただ、これはあくまで佐藤氏の家庭上の都合であり、全て勉強部屋を作らず、そのようにさせることがいいかどうかは、不明瞭だなぁ、と思う
    →ただ、各々の部屋がなくたって、学習机がなくたって、灘にも東大にも行けるというのは知っておくべき事実ではあろう


    ●具体的なアクション&学んだことをどう活かすか
    すぐに実行できることはないものの、自分が後輩を育てようと思うとき、人を育てようと思うとき、そのやりようはいくらでもあるのだな、と学んだ。佐藤氏は、高校生の息子の英語や数学などよくわからなかったそうだが、毎度の解答用紙を見つめたりすることで、子どもの弱点やその傾向をつかむこと、自己理解を助けることに貢献していたそうである。

    自分が力がなりたい人のために、何ができるのか、考えつづける。コーチとして、支援者としての思考をあきらめなければ、サポートする手段はいくらでもあるのだなと学んだ

  • 自分の子ども時代とは違った環境、信念で驚いた。こんなにも、母親が愛情をもちながら子どもの勉強を管理していることに。

  • 2017.7.24
    自分が育てられた環境と比較しながら読んだ。
    自分の直感を信じて、最大限に子どもにエネルギーと時間を割いたのがすごい。
    ・とにかくほめてほめてほめ倒す
    ・「ちょっと待ってね」はNGワード
    ・母親の知的好奇心が子どもをつくる
    ・朝はニコニコ、絶対に怒らない
    納得できること・真似したいことがたくさんあった。後半、勉強まで細かく見てあげられたのは専業主婦だからかも。

  • 参考になるところは役立てて行きます。
    金銭的にかなり余裕があるんだろうな、と感じました^ ^

  • 手段はたぶん同じようにはできないだろうなあということが多かったけど、方針は、自分の育児目標とするところに近いなあと感じた。
    具体的に同じような行動が取れる方は少ないとは思う…

  • 佐藤亮子さんの体験談や子育て方法が沢山あり、勉強になりました。具体的な事が聞けると面白いです。

  • 子どもはいないが興味本位で読んでみた。
    おもしろく納得感があるポイントは多く、いくつか将来取り入れたいとは思った。とはいえ我が子の学力をあげるためにこれほど並外れた時間と手間を割くのはフルタイム共働きの母親(もちろん父も)には無理があると感じた。そもそも子ども4人の時点で専業主婦でも大変そうだ。
    著者自身やお嬢さんの将来もそうだが、母親自身がそれなり以上の学歴をもちそれなりの職についた場合、子の教育のためにキャリアは捨てるのか?高収入父+専業主婦でしか成立しないがこれで学歴の2極化につながったりするのか?こうして育った子は母から離れるとどんな大人になるのか?と色々考えてしまった。(2点目については、理三に行くような人は天才タイプが多いだろうし考えすぎだが)

  • 佐藤亮子さんの著者一冊読んでみようと思ってKindleでこれをピックしてみた。
    佐藤ママ、本を出版しすぎてて、、出せば売れるんだろうけど、後半になるに連れてエッセンスが少なくなってそうだったんで昔のものを。


    一言、佐藤ママ、すごい。。

    賛否両論ありそうだけど、one of タイガーママとして読んでみる価値はあり。教育ママ目指す云々関係なく参考になる。

    冬は寝てる子供に靴下を履かせちゃう、とか、おもちゃは欲しがった買い与える、テレビは見ない、スナック食べない、親も一緒にバイオリン習うなど、

    一つ一つの育児の中でも、さ、さすが!そこまでやれないってことまで突き抜けてされている。
    お勉強に関しては遺伝の部分も多くあるだろうから、お子様が持つ元々の能力が高いのはもちろんあるだろうが、このタイガーママぶりを知ると、佐藤ママあってこそか?!と思ってしまったり。

  • 知り合いの方にお借りした本。
    内容はいつも通りだけど、とても読みやすかった!
    新しい知識を得られたと言うよりは、再確認という感じでした。

    モチベーション維持&改めて気持ちを引き締めるのに役立ちました!

  • 佐藤ママの教育方法については、合う人合わない人が明確に分かれると思います!
    私は佐藤ママの好きな部分だけ3人育児の参考にさせていただいてます。
    子供が勉強好きになってくれそうだなぁというヒントはたくさん書いてありました。実践できるかは...難しいかも。

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著者プロフィール

作曲科・ピアニスト。国立音楽大学作曲学科卒、同大学院作曲専攻音楽理論コース修了。

「2018年 『女声合唱とピアノによる日本の歌 郷愁に寄せて』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐藤亮子の作品

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