トラペジウム (角川文庫)

  • KADOKAWA (2020年4月24日発売)
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  • 本 ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041026441

作品紹介・あらすじ

高校1年生の東ゆうは「絶対にアイドルになる」ため、己に4箇条を課して高校生活を送るが――。

現役トップアイドルが、アイドルを目指すある女の子の10年間を描いた感動の青春小説!

著者が親友たちへの想いを綴った「あとがき」に加え、雑誌連載時のカラーイラスト全18点を特別収録。

感想・レビュー・書評

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  • 当時、現役のアイドルだった著者が執筆したアイドルを目指す少女の物語ということで気になって本作を手に取りました。内容としては、キラキラした青春系の小説でしたが、歳のせいか、あまり内容とか主人公の感情には移入出来なかったのかなと思います。

    物語としてはアイドルに憧れる少女、東ゆう。高校生である彼女はある計画のもと、他校へ出向く。その計画とは、彼女の住んでいる町の東西南北にある高校からそれぞれ選抜しアイドルとなる計画だった。

    物語の終盤までは、なぜここまでまわりくどい方法でアイドルを目指すのかわからず、正直ずっと妙な引っかかりがあったような感じがありました。まぁその行動理由は終盤で明かされる訳なのですが、それにしてもそこまで諦めずに夢を追いかけられるものなのかなぁと思ったので、それが捻くれ者である私には刺さらなかったのかなぁと。

    こういう若さゆえのバイタリティみたいなものとは程遠い性格や趣向をもった保守的志向の私なので、主人公のチャレンジ精神と人を巻き込む力などは見習うべきなのかなと思いました。

  • アイドルを目指す女子高生の計画を描く青春小説。
    現役アイドルが執筆し、すでにアニメ映画化もしている話題作。知人がアニメ映画を視聴したと聞き、ぜひ小説版を読みたいと思い手に取った。

    まず、主人公の女子高生・東ゆうのおてんばっぷりが愛おしい。
    無謀でいて毒舌、さらには厚かましさも持ち合わせているのだが、それも含めてこの少女の魅了なのだろう。
    物語の中で東と交友関係を紡いでいく華鳥蘭子・大河くるみ・亀井美嘉の3人もキャラクターが濃く、彼女ら4人が過ごす青春のイベントの数々は見ていて心躍るものばかり。
    しかし、東の計画の全貌が明らかになるのは中盤以降。あらすじにあるため多少のネタバレは許してほしいのだが、計画の内容は「地元の東西南北に住む美少女を仲間に引き入れ、アイドルグループを結成する」というとんでもないもの。
    計画と呼ぶにはあまりにも無謀で稚拙なものなのだが、東はこの計画に一縷の望みを託し、共犯者となった他校の男子生徒・工藤真司と共に着々と準備を進めていく。

    物語はテンポ良く…というよりもかなりスピーディに進行していく。
    読みやすいと言えばそうなのだが、各メンバーとの出会いの辺りはもう少し深掘りしてもいいのではないかと感じた。
    とはいえ、このスピーディな進行が読者をぐいぐいと引っ張り飽きさせないのも確か。「もうそんなに作品内の時間が経ったの⁉︎」とついついツッコんでしまいそうになるものの、貪るようにページを巡り続けてしまう不思議な魔力を持っていた。
    少女たちは東に促され運命に身を委ねるものの、次第に重圧に押しつぶされていく。
    また、東と3人のアイドルグループとしての話は僅か30ページほどしかないため、彼女らの活動とすれ違い、そして挫折についてももっと深掘りして欲しかったように思う。
    しかし、あくまでも序中盤は自身の住む地区の東西南北から可憐な女子生徒を集めアイドルグループを作るという東の計画を描いており、これ以上女子高生らしい日常を過ごす4人というのは描いても蛇足になってしまうのかもしれない(私はもっと見てみたいと思ったが)。設定が好みだっただけに、内容をより濃くし上下巻として読んでみたかったというのが正直な感想。
    アニメ映画化されている作品のため、そちらではこれらの場面がより詳細に描かれていると嬉しいと思う。

    本編とは関係ない部分ではあるが、文体の綺麗さと独特な表現に強烈に惹かれてしまった。特に「あとがき」は読んでいて心地よさを感じる綺麗な文章だった。
    コタツでみかんを食べながら学生時代の記憶に想いを馳せる18歳。想像できるのはシンプルなワンルームとみかんの入ったダンボールなのに、奇妙な愛しさと切なさが込み上げてくる。
    独特のテンポと強烈なキャラクターによって紡がれる本作は、美しい文章力の成せる技なのは間違いないだろう。

  • 作者のことを知らないで読みました。

    アイドルだから、アイドルのことが分かるから書けた作品かな?

    最初の頃の、友達になっていくあたりのところは
    読み進めるのが面白かったけど
    だんだん、終わりに近づくあたりでペースダウン

  • 映画がとてもよかったので原作も読んでみました。
    全体のクオリティはプロの目線で再構成された映画版のほうがまとまりがあるのはそうなんだけど、原作を読んで東ゆうのモノローグに触れるとさらに作品の深みが増すというか。

    題材はアイドルだけど、描きたいことの本題は友情と成長の青春物語だと思う。
    作者さんは「敢えて自己中な主人公にした」と語っていたけれど、東ゆうは自己中というより夢に目を向けすぎて周りを省みる余裕のない等身大の一生懸命な女の子だよね。

  • 乃木坂46のかずみんが、現役アイドル中に書き上げた作品。
    2年くらい積読してましたが、映画化されるということでようやく読了し、映画も観てきました。

    東ゆうは、あまりにも独善的な人なのかもしれないが、若い時ってそれくらい周りのことが見えてなかったり、見えていても他人に優しくできる余裕がなかったりするものだと思う。

    東ゆう性格悪すぎwという感想を多く目にしたが、アイドルという狭き門の夢を叶えるためには、少なからず他人を蹴落とす必要があり、独善的でも、凄まじい行動力と胆力がある彼女は、最終的に夢を実現させる力があったんだと思う。

    映画にだけ付け加えられていた好きなシーン。↓
    ゆうがお母さんに「私って性格悪い?」と聞く場面があったが、「良いところも悪いところもあるよ」と娘の全てを見透かしているのか、理解し受けいれているお母さんの言葉は素敵だなぁと思いました。

  • 乃木坂の高山一実ちゃんの作品って事と、表紙の可愛さで手に取った本。最初の方のページに絵があったから4人のイメージも掴みやすかった。トラペジウムというタイトルも良い。

    とても期待しすぎて読んだので、少し内容が薄いかな〜と思った。てっきり4人でアイドルを目指すのかと思ってたら、アイドルになりたいのは主人公の東ユウだけだった。ユウちゃんが強引で、友達を利用している感じもしたけど、アイドルってそのぐらいじゃなきゃ、なれないし出来ないのかな、とも思った。終わり方が良かったから、夢を追いかける女子高生の爽やかな物語。みたいに上手くまとまっていた印象。

    そしてこの本を読んで、比喩が極端に多かったように感じた。あと、難しい表現やあまり聞き慣れない単語も多く使われていた。自然に、でも少し個性を出しながら文章を書くのはとても難しい事だと思った。

  • 初かずみん。解説がもうすべてを的確に説明していた。アイドルが描いた小説と侮るなかれ!著者のアイドル愛が詰まった、良き青春小説でした(^^)

  • アイドルを目指す女の子が主人公のお話。著者がアイドル時代に書いた本。きちんとした小説でしたが、個人的にはイマイチ。

  • アイドル目指す女子高生のお話でした
    東西南北っていうグループを目指してメンバー集めから

    展開の都合よさもちょっと感じましたが
    流れはいい感じだったのではと思いました

    メンバーのイラストがありましたが
    あまり合っていないような感じもしました

  • 途中で読むのをやめてしまった。わたしには合っていなかっただけなかのか。図書館の期限が来てしまったので返したが、また時間をおいたら読めるのかもしれない。

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著者プロフィール

1994年2月8日生まれ、千葉県南房総市出身。2011年8月、乃木坂46第一期メンバーオーディションに合格。16年4月より雑誌『ダ・ヴィンチ』にて小説『トラペジウム』の連載を開始。18年11月に単行本化された同書は20万部を突破し、「平成世代が買った本1位」(日販WIN+調べ)となる。16年9月にはファースト写真集『恋かもしれない』、19年2月にはセカンド写真集『独白』を刊行している。

「2020年 『トラペジウム』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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