木曜日の子ども (1)

  • KADOKAWA (2019年1月31日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (424ページ) / ISBN・EAN: 9784041028322

作品紹介・あらすじ

「世界はこんなに弱くてもろくて、滅ぼすなんて簡単なんだってことを……ウエダサマが教えてくれたんですよ」

7年前、旭ヶ丘の中学校で起きた、クラスメイト9人の無差別毒殺事件。
結婚を機にその地に越してきた私は、妻の連れ子である14歳の晴彦との距離をつかみかねていた。
前の学校でひどいいじめに遭っていた晴彦は、毒殺事件の犯人・上田祐太郎と面影が似ているらしい。
この夏、上田は社会に復帰し、ひそかに噂が流れる――世界の終わりを見せるために、ウエダサマが降臨した。
やがて旭ヶ丘に相次ぐ、不審者情報、飼い犬の変死、学校への脅迫状。
一方、晴彦は「友だちができたんだ」と笑う。信じたい。けれど、確かめるのが怖い。
そして再び、「事件」は起きた――。


【興奮と絶賛の声、続々!】

サスペンスがみなぎり、どんでん返しもある。いままでにない熱量に充ちた大胆な設定、叩きつけるような何ともエモーショナルな筆致。強烈な傑作である。(本の旅人2月号より)
――池上冬樹(文芸評論家)

日常の闇をのぞき込むような重くて深い物語に、何度となく立ち止まっては、そのたびに胸がざらついた。この恐るべき小説は、まるで私たち近未来の「黙示録」のようである。
――奥野修司(ジャーナリスト・ノンフィクション作家)

わかりやすい物語ばかりが広がる日本社会にあって、懸命に生きることを肯定する小説を世に送り出す。それ自体が一つの批評となっていると言えないだろうか。
――石戸諭(記者・ノンフィクションライター)

この本は世に出ていいのか? と思う程、心底恐しかった。超然たるリアリティで、じわじわと読み手の心にリンクして迫ってくる。心理描写がモンスター級の小説!!
――うさぎや 矢板店 山田恵理子

感想・レビュー・書評

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  • まず、表紙に驚きます。
    これ、重松清さんの本だよね?
    重松清さんの本は心温まるものしか読んだことがなかったので、まずそこに驚きます。
    物語の核となるのは7年前に中学二年生の男子が起こした給食への毒物混入事件。クラス全員を巻き込むもので、死者は9人。少年だった犯人の上田が7年後にこの街に戻って来た、という噂が広まり物語はまた動き始めます。 
    正直言って、理解できず混乱しました。でも、中学二年生の男子・晴彦の母と結婚した清水も同じように混乱しています。継父ではなくても、血のつながりのある親子だって分かり合えないよ、分かったつもりでいても本当は分かっていないんだよ、という重松清さんからのメッセージの一冊かな、と思いました。
    いじめを受けている子ども、自殺願望のある子ども、深く悩んでいる子ども、その子ども達の頭の中、心の中は決して大人には分からない。だから分かった風な顔で寄り添ってみても全く見当違いなんだよ、と。
    読者の年代によって、かなり印象の変わる物語なのだと思います。中学生は晴彦目線で読むのかもしれません。
    重松清さんは、親の苦しみも子どもの苦しみも描いてくれたのかな?と思います。たとえ理解できなくとも、お互い苦しんでいるんだよと。


    • フリージアさん
      コットンさん、はじめまして。
      重松清さんの著書には、こんな作品もあるんですね。コットンさんの本棚は、私の読みたい本がずらりと並んでいて、ビッ...
      コットンさん、はじめまして。
      重松清さんの著書には、こんな作品もあるんですね。コットンさんの本棚は、私の読みたい本がずらりと並んでいて、ビックリしました。これから、よろしくお願いしますね♪
      2024/08/22
    • こっとんさん
      フリージアさん、こんにちは♪
      こんな重松清さん、初めてでびっくりしましたよ〜
      フリージアさんの本棚、私と重なるところと、そうでないところとあ...
      フリージアさん、こんにちは♪
      こんな重松清さん、初めてでびっくりしましたよ〜
      フリージアさんの本棚、私と重なるところと、そうでないところとあって、色々参考にさせていただきたいと思います(*^▽^*)
      これから、よろしくお願いしますね♪
      2024/08/22
  • どんどんこの本の世界観に入っていける本だった。木曜日の子どもというタイトル。最初は「は?」っていう感じだったけど序盤ですぐに意味がわかった。ちなみに私は月曜日の子どもです。前半の方が面白かったですね。最後の方になるとややこしくて...でも面白かったので星4です!

  • 14歳の晴彦は酷いいじめにあい、自殺未遂ののちに、母親の再婚と共に新しい生活を始める為に引っ越してきた旭ヶ丘は、かつて同級生による無差別殺人があった場所だった。
    42歳で初婚である父親の清水の、私は愚かな父親だったのか。正しいか、間違っているかではない。強いか弱いかでもないし、ましてや勝つか負けるかなどどうでもいい。ただ、愚かだったのか、と自分に問う。その愚かしさがどこまでも悲しい・・・。
    日々、無我夢中で子育てしている母親も父親も、同じような気持ちに一度は、いや何度となくなったことがあると思う。
    血の繋がった我が子でも、やっぱり本音はわからない。本音を知るのは少し怖い。
    上田と高木、そして晴彦も、子供の頃に未来を描く時間に、自分が居なくなった後の世界を描いたとあるが、自分はどうだったろう?
    コロナ禍の世の中で、自死や、倒産が相次ぎ、ちょっとしたことでSNSに血祭り上げられる環境におかれている子供達には、ウエダサマはやはりヒーローになりうるのだろうか?
    世界の終わりを見たくはないか・・?
    世界の終わりなんて、なくなってみないとわからない。




  • 学校が世界の全てである、中学生、高校生
    その世代であれば、共感できる部分もあるんだろうと思うと怖いともおもうけど、そうなんだろうなぁとなっとくしてしまう部分もある…
    SNSやら何やら行きづらくなってるこの世界では
    スーパーヒーローよりも、ダークヒーローの方が
    神や救世主になり得るのかもしれない

    個人的な感想ですが、「かがみの孤城」の対になる作品なのではと思います。

    本文より
    「私思うんですよ。世界を滅亡させるとか、破滅させるとかって、よく言うじゃないですか。でも、本当は誰も本気で世界のことなんて相手にしてるわけじゃないんです。本気で滅ぼしたいのは、もっと小さな、身近な、そこらにいる誰かのことで…それを滅ぼすために、世界も「ついで」や「おまけ」で滅ぼされちゃうんじゃないか、って」

  • 重松氏らしい文章。
    でも、人がたくさん死んでいくのは、読んでいて少し辛い。
    最後は、やっぱり自分が勇気をもって前を向かないと解決しない。
    ちょっとジェネレーションギャップの問題もあり、読み直す気にはなれない・・

  • 心がひりつく、一冊。
    結婚を機に連れ子の義父となった主人公。主人公の必死に「家族」になろうとする姿に胸が痛む。

    息子の完璧な笑顔、受け応え…誰もの心の奥に隠されたもの、真の顔を、一枚一枚仮面をはぎ取られるように見せられていく、そんな感じに終始心がひりつきながらも、ひきこまれ一気に読まされる世界だった。
    どこまでもまとわりつくネット社会、簡単に思いを言葉を発し簡単に賛同を得られる世界。そしてそれに共感する世代、崇拝する人間が存在し、やがて巨大な思いをうみだすかもしれない…そこに何よりも恐ろしさを感じた。

    • あいさん
      こんばんは(^-^)/

      これ気になっていたよ!
      でもちょっとどうなんって内容で迷ってた。
      重松さんってこんな作品書いていたかなぁ...
      こんばんは(^-^)/

      これ気になっていたよ!
      でもちょっとどうなんって内容で迷ってた。
      重松さんってこんな作品書いていたかなぁ…
      まぁ、重かったよね。
      くるたんが珍しく星3つなのが気になります(*≧艸≦)
      2019/04/17
    • くるたんさん
      けいたん♪おはよ♪
      反応ありがとう♡

      そうなんだよね、子供、家族がテーマの重い作品!
      でもすごい読ませてくれる、ページをめくる手が止まらな...
      けいたん♪おはよ♪
      反応ありがとう♡

      そうなんだよね、子供、家族がテーマの重い作品!
      でもすごい読ませてくれる、ページをめくる手が止まらなかったよ♪
      だけど終盤の展開が…失速感が否めなくてね。


      ちょっと、頭が ⁇状態だったのが正直な気持ちだよ(*vωv) 

      今時の子供ってこんなんなのかなぁ。って考えると怖い!
      2019/04/17
  • 前半は面白くて、どんどんのめり込んでいったけれど、犯人とお父さんとのやり取りは何だかイライラというかムカムカというか、早く終らせて!って感じだった。

  • 重松清は、夢中になって読み漁ったものだ。
    一時はあらかた読んでしまい、読むものがなくなったから辻村深月にはまっていったという経緯がある。
    いわば、重松清は私の青春だった。
    なぜその二人に惹かれたのか。
    当時私は学校が大嫌いだった。
    小学校も、中学校も、高校も(中高は一貫だった)、「なかった」ことにしたい。
    同級生、教師に虐められたこともあったしいじめた事もあった。
    これを口にするのは本当に恥ずべき事だが、忘れないことが償いであり、自身への烙印だと思っている。
    その痛みを抉るのが著者の作品だった。
    しかし、著書に私は光明を見た。

    主人公は、中学生の子供を持つ女性と結婚した。
    まだ彼は「父」ではなく、お客さんの立場である。
    この家族はかつて中学生による無差別殺人の起きた、旭ヶ丘にこしてきた。
    「息子」の晴彦は「父」にどうも嘘をついているようだ。
    「友達」の「高木くん」なんていない、が、誰か、はいるようだ。
    いったいその「友達」は誰?

    自分の命をかけるしかない復讐なんて!
    命を差し出す価値が、その復讐にあるのか?
    優しい晴彦よ、君のやっていることはゲームなんかじゃない。

    「父」とは、親とはなんなのだろう。
    傷つきやすく、切れないナイフを闇雲に振り回すしかなかったあの頃の私に、今の私は何をしてあげられるだろう。
    子供を守るにはどうしたらいいのだろう。
    切れないナイフも、切れるナイフも、私を、子供を助けてはくれなかった。

    今や守る側にいる私は、何ができるだろう?

  •  読み進めるにつれ不安感なのか恐怖感なのか、ドキドキが止まらない。何故なのだ…

    ー教えてあげますよ。あなたたちは、怖いんだ。犯罪者のことはもちろん怖いし、ほんとうは子どもも怖いんです。…だから安心したいんだ。犯罪者の場合なら、動機を解明して、背景を理解して、自分とは違うんだということをわかりたいんですよ。自分との間に早く一線を引きたくてしかたないんだ。早く安心したいんですよ。…臆病ですね。ずるいですよね。そして、申し訳ないけど、つまらないひとたちだなあって思いますよ。ー

     ズバッと斬られてしまった一文。つまらないひとだと言われ、ぐうの音も出ない。でも安心したいんだ。知りたいんだ。分かり合えたらと願うんだ。これじゃダメなのかい?


  • 「自分が安心したいからわかりたい」ことと、
    「わからないことの深さ、闇そのものをわかりたい」こと。
    どちらの感覚もある。

  • 前半は、じわじわと怖くてよかったと思います。
    後半リアリティがなくて入り込めませんでした…。
    重松さんの作品ならもっと現実味のある、人間の心について読めると思ったので少し残念です。

    重松さんは結局何を伝えたかったのかな…?
    傷つき、命を武器にするしかなくなった人間が至る境地
    でもウエダサマが崩壊したということは、それも脆いものであり…
    中学生くらいの子はそういうものに惹かれやすいということかな…?

    後半は私が期待してたものとは違いましたが、前半は緊張感のある文章で、怖くて、でも気になるから読むのをやめられない、さすがだと思いました。久しぶりに夢中で読んだ本です。

  • 大人になってからこの本を読めてよかった。
    もしも、14歳でこの本と出会っていたら、この物語を自分の外側においておける自信がない。
    ページの間から伸びる黒い手が握るカプセルを受け取らない自信がない。
    世界の終わりの始まりを見たいという誘惑に勝てる気がしない。
    この先、ワルキューレを聴くたびに、思い出すのだろう。理解も共感もできないけれど、頭の、いや、心のどこかに光る小さな不穏な炎を。ウエダサマに惹かれるあやうい自分を。

  • 十三章で構成された長編。
    一章から不穏な空気感が溢れていて息苦しく、その苦しさは最終章まで続いた。

    主人公は42歳の清水。
    再婚した妻には中学2年生の一人息子、春彦がいた。

    教室内での無差別毒殺事件、酷いイジメ、怪死事件、それらに焦点を当てた作品だろうと読み進めると後半になり少し毛色が変化して行った。

    殺人鬼、上田祐太郎をウエダサマと崇めるネット民達。

    殺人は正当化される物でもなく、まして殺人鬼は神なんかじゃない。

    心の中に溜めこんだ鬱々とした澱を、自らの欲望のままに外へ吐き散らす少年達の異常行動にひたすら恐怖を感じる。

  • ハラハラするストーリーもさることながら心理描写も見事。中学生×家族というテーマで重松さんの右に出る作家はいないなぁと改めて納得させられる作品でした。

  • 2021年1冊目から重い暗い内容を読了。
    子どもと大人な関係、大人には計り知れないいじめの世界…。
    最後はじーんときました。

  • ラスト100ページくらいで「今までの時間返して!」みたいな感じになる。

  • 簡単に始まって簡単に終わった。

  • 最初は面白くてどんどん読んで
    「男の子を育てるのって大変」
    「子連れの人と結婚って難しい」
    などと思ったのです。

    しかし後半過ぎてから、
    登場人物がつぎつぎ暴走して、
    フィクション街道まっしぐらで。
    私にはついていけない内容になってしまいました。
    でも、最近こういう本をけっこう読んでいるので(選んでいるのではなく結果として)、需要があるのかもと思いました。

    ただ、狂気の世界としては、個人的にはノンフィクションのほうが好き。
    だからといって犯人を神と思うことは絶対にありません。

  • 久しぶりに重松さんの本を読んだが、重松さんってこういう作品を描く作家さんだったかなぁと思ってしまった。7年前に中学生の少年が起こした7人の毒殺事件を発端に密かにウエダサマと崇められる存在に。再婚した女性の中学生の息子がそのウエダサマに似ていると言われ、感化されているのかと心配になる主人公の男性。子供達の密かな闇とウエダサマの存在。そして事件は起こる。前半はその闇の中に入り込む感じで不気味さがあったが後半の怒濤の展開に何だか現実味が薄くなってしまった気がした。ウエダサマの存在がそんなに偉大に感じられなかったからか、子供はともかく大人まで崇拝してしまうのかがどうにもピンと来ない。前半がずっしりきて後半が急に軽くなった感じ。自分が大人の冷めた視点で見ているからなのだろうか。何だか腑に落ちない感じが残ってしまった。

  • 他のレビューにも書かれているが、「エンターテイメントとしては面白い」。
    少し前に薬丸岳の『Aではない君と』を読んでいるので、少年犯罪モノとして読むと「浅い」という感想。




    不動産屋の営業マン、地元で仕事してるなら客をそんなとこ連れてったらダメだろ。しかも自ら進んで。客は喜ぶが、周辺住民からは「また連れてきた」とヒソヒソされているはず。
    息子がいじめにあって苦しんでるときに、再婚しちゃう母親もちょっとアレ。中学生なんていちばん難しい時期で、さらにいじめで悩んでるときに再婚はないわー。支えて欲しい気持ちはわかるけど、このタイミングはないわー。

    んー ツッコミどころたくさん(´・ω・`)

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著者プロフィール

重松清
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木三十五賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『流星ワゴン』『疾走』『その日のまえに』『カシオペアの丘で』『とんび』『ステップ』『きみ去りしのち』『峠うどん物語』など多数。

「2023年 『カモナマイハウス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

重松清の作品

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