お金の流れでわかる世界の歴史 富、経済、権力...はこう「動いた」

  • KADOKAWA (2015年12月10日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784041032190

作品紹介・あらすじ

「ローマ帝国は“脱税”で滅んだ」「ナポレオンは“金融破綻”で敗れた」――お金の流れを読むだけで、歴史はよくわかる、さらに面白く見えてくる!「お金」「経済」「権力」の5000年の動きを徹底的に追跡調査!

感想・レビュー・書評

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  • 本書は、「お金の流れ」から世界の歴史を紐解くという内容で、現在の経済状況や世界経済の成り立ちを理解するためにも、とても役立つ本でした。
    著者は、元々国税調査官で「税金の徴収のやり方で国の盛衰が決まる❕」という考え方には、とても納得できました。
    ぜひぜひ読んでみてください

  • 非常に面白い。
    戦争や国の興亡を経済、お金の流れという側面から切り取って説明している。新しい見方。
    第二次世界大戦が「イデオロギーの対立」ではなく「帝国主義経済の崩壊」の戦争だという視点が新鮮だった。知らないことだらけ。勉強になる。
    しかし中世以降の欧米の強欲っぷりは酷いな。特にイギリス。まさに黒歴史。
    あとがきの、「富裕層が税金を逃れ、中間層以下が重税に苦しむのは国が崩壊する時にありがちなパターン」という部分がドキッとさせられる。

  • イスラム帝国は、税金は安い。撤退するときは税を還付した。
    モンゴル帝国でアジアとヨーロッパが繋がった。マルコポーロの東方見聞録はモンゴル時代。
    スペインは、ペルーの銀山で大国になった。新大陸の金銀で物価が上昇。
    ポルトガルは、黒人奴隷を黒人部族から仕入れてスペインに販売した。
    ヘンリー8世は、キリスト教の10分の1税を狙って、ローマ教皇と断絶した。
    ナポレオンは軍費がなく、北アメリカの植民地をアメリカに売却した。ルイジアナ、アイオワ、テキサスなど15州。
    イギリスの産業革命は、囲い込みの労働力と財政改革による資本の蓄積のため。イングランド銀行に国債を引き受けさせるかわりに、通貨発行権を与えた。
    植民地は、反乱に備えて軍隊を常備するなど、簡単ではない。アメリカは、それらを買い取った。フランスに続いてスペインからもフロリダを購入。
    テキサスは、メキシコと戦争して、カリフォルニアからニューメキシコまで手に入れた。その後にカリフォルニアでゴールドラッシュが起きた。1949年。フォーティーナイナーズの名前の由来。ロシアからアラスカを買った。そのあと金や油田が発見された。
    アメリカは、イギリスの投資で発展できた。鉄道もイギリスからの投資。
    ロスチャイルド家が世界的に資産家になるのはナポレオン戦争のとき。イギリス国債の売買で。イギリスがスエズ運河を取得したのもロスチャイルド家の融資による。アメリカでの出遅れ、株式会社化の遅れで衰退した。
    日本がアジアの中で唯一欧米に対抗できた理由は、統一政権ができたから。国内の抗争を利用して植民地化することができなかった。
    日本の生糸の品質がよかった。鉄道を外国に敷設権を与えず、イギリスで公債を発行して建設資金を得た。
    第一次世界大戦で、エネルギー源が石炭から石油に変わった。戦車、トラック、航空機などで。イギリスの没落とアメリカの繁栄。第一次世界大戦は、石油を奪う戦争。
    アメリカは金を大量に抱えていた。第二次世界大戦前には世界の7割。通過量を増やさなかったため、世界でデフレが起きる一方で、アメリカはバブル状態。大恐慌前夜。
    オーストリアを併合。チェコを併合しようとした。
    ミュンヘン会議で、ヒトラーが世界大戦を回避した、という理由でノーベル平和賞の候補になった。これ以上の領土の拡大を求めない代わりにチェコのズデーデン地方を併合した。
    その後、ポーランド回廊奪還を狙った。プロイセン地方との間にポーランド回廊があった。ポーランドに侵攻したドイツに対して、英仏が宣戦布告して第二次世界大戦がはじまった。
    ドイツがフランスを占領したころ、ヨーロッパに工業製品を売っていたアメリカにも影響がでて、参戦することになった。
    日本の綿製品は安かったため、昭和初期にイギリスと貿易戦争になった。イギリスがブロック経済化でインド市場を閉鎖。日本の紡績は最新設備で、効率が良かった。
    大阪紡績など(現東洋紡)。日本はインドの代わりに満州に進出。
    満州は世界の注目の的。植民地化されていない数少ない場所。
    日本の「東亜新秩序」でアメリカが強硬姿勢をとることになる。石油をめぐる戦い。
    戦後は、アジアの多くの国が独立。第二次世界大戦は帝国主義経済の崩壊につながった。
    ソ連は、第二次五か年計画の成功で、失業や不況とは無縁、とされた。巨大な官僚主義国家は巨大な無駄を生む。
    プレトンウッズ体制はアメリカに世界の金の7割が合ったから成立したが、その後金が放出され26年で崩壊。
    貿易赤字でなければ基軸通貨は流通しないが、貿易赤字になれば信用が崩れる。基軸通貨になることは矛盾がある。ドルに変わる基軸通貨がない。
    その後もドルをばらまき続けた結果がリーマンショックではないか。
    1929年の恐慌時にグラススティーガル法が成立。1999年に、グラムリーチブライリー法で事実上骨抜きに。
    現代は、フランス革命前夜に似ている。

  • 本書は世界史を政治や経済ではなく、「お金の流れ」から読み解いた本で、非常に興味深かった。著者は国税庁のOBで、お金や税金の課税・徴税に関して理解が深く、それらについて分かりやすい解説をしていたのでとても読みやすかった。

    以下要約
    古代エジプト→中央集権国家で書記が税務調査や徴税をしていたが、後に腐敗が進み滅亡

    古代ローマ→戦争税とその還付制度で発展(株式や投資信託と似た性質を持つ)。だが、徴税請負人制度により、請負人の権力が肥大して滅亡

    ユダヤ人→世界各地に放浪していたことで、世界中にネットワークを持った。近現代になるとロスチャイルド家が発展する。

    古代中国→貨幣を統一して中国全土を統一した。東アジアの中央銀行的存在で、実は世界最初の為替銀行も作っていた(唐の時代)。北宋の時代には世界初の紙幣:交子を作る

    イスラム帝国→イスラム教に改宗すれば人頭税免除、という減税政策があり、しかも占領地から撤退するときは支払った分の還付まで行っていた。

    モンゴル帝国→柔軟性のある統治政策。後にイスラム系の官僚の採用や商人を徹底的に利用し、ジェノバから中国に至るまでの広大な地域の治安を維持したことで流通革命を起こした。

    オスマン・トルコ帝国→中央集権的な税システム。アラビア数字や複式簿記(損益計算書と貸借対照表からなる記帳法)を発明。安全で採算の取れる交易ルートを押さえていた。

    ポルトガル→エンリケ王子により航海術が進歩。

    スペイン→大航海時代の主役だったものの、財政問題が慢性化。さらにカトリック以外の宗教を許さずユダヤ人を追い出してしまったので経済に大きなダメージを与えた。また消費税アルカバラの影響で景気後退した。

    イギリス→ジョン欠地王のマグナカルタ。エリザベス女王による海賊と奴隷貿易ビジネスにより発展。17世紀以降、事業の組織化やイングランド銀行の発足、蒸気機関の発達により発展。

    フランス→王室のデフォルトでタイユ税(土地税と財産税の性質を持つ)を国民に課し、それにより貧富の差が拡大。また、ジャック・ネッケルがフランスの国家の歳入・歳出の内容を市民に公表し、罷免されたことをきっかけにフランス革命が起きた。その後のナポレオンはアムステルダムの金融家を高圧的に支配したため、金融家がロンドンに逃げ込み軍資金の調達が出来ずに戦争に敗北した。

    アメリカ→植民地経営に疲れていた西欧諸国の隙をつき、陸続きで国土を買収していった。また、天然資源の宝庫であるアラスカをロシアから購入した。建国当初イギリスの資本が流入したことで国家として順調な滑り出しをした。後にユダヤ人がニューヨークに住みつくことでウォール街が作られ、金融の中心地となる。

    日本→開国後、欧米の文化をいち早く取り込み経済発展した。それを可能にしたのは強力な統一政権や生糸の高い輸出力、自力での鉄道建設であった。

    ドイツ→急激な経済発展により、第一次世界大戦勃発。

    第一次世界大戦→エネルギー源の主流が石炭から石油に変化した(エネルギー革命)。そして当時アメリカが石油産出量世界一だった。

    第二次世界大戦→第一次世界大戦でのドイツへの多額の賠償金により、世界大恐慌が起きる。それによりヒトラーが出現し、戦争になっていった。

    ソ連→共産主義経済という合理的なようで実は巨大な無駄が生じるシステムや超不公平・不平等社会により崩壊

    そして、それらの歴史から国の栄枯盛衰には一定のパターンがある。それは、徴税が上手くいっている間は富み栄えるが、やがて役人たちが腐敗していくと国家財政が傾く。それを立て直すために重税を課し、領民の不満が渦巻くようになる。

    現在は、先進諸国がタックスヘイブンのために富裕層や大企業にあまり税をかけられなくなった。その結果、中間層以下に厳しい課税を行うようになっている...国家崩壊にありがちなパターンと酷似しており、もしかすると世界的な規模での「国家崩壊」が近づいているのかもしれない。

  • 戦争や講和と言った歴史も経済の流れも加えて見てみると理解が深く、納得ができるものになりました。
    徴税システムが優れた国が繁栄する話のあたりでは現在の日本を思うと暗い気持ちになりましたが…。

  • だだ世界史を勉強するよりよっぽど分かりやすいと思いました。
    地理と経済と歴史全部絡めて世界年表作ったらとっても楽しいことになるのではないかと思います。
    こんな自由研究したかったなー

  • 図書館で借りて読みましが、想像以上に面白すぎたのでKindleでも買いました。

    今まで歴史に興味がなかったんですが、この本を読んでから歴史を深く知りたい!と初めて思えました。
    学生時代にこんな良書があったら勉強も楽しかったんだろうな〜。

  • 歴史の本なのに、著者が元国税調査官ということろがすでに面白い。内容も通常の歴史の本とは違い、お金の面から歴史を考察しており楽しんで読むことができた。お金は国すらも左右するということをしみじみと感じる。

  • 世界史を駆け足で金融目線で見る。

    第二次世界大戦の裏にアメリカの日本資産凍結があった…ことは触れられず、などの点はあるが初見の事実もあり参考になった。

  • 今までイマイチ世界史に対する理解が深まらなかったが、
    この本を読んで、
     ・これまでと異なる視点であること
     ・お金という身近なテーマを元にしていること
    の二点から、非常に興味を持つことができ、
    一気に読み終えた。
    また忘れた頃に読みたい。

  • 世界史をお金(経済)の視点で書かれている珍しい本。
    国家を成り立たせるためにはお金が必要であり、それには税金の徴収と分配システムがうまく機能していなければなりません。
    そのシステムが崩れ始めた時に国が傾き時代が動いてきたと言うのがよくわかる本でした。
    また歴史を知ることで、現在のリーマンショック以降の社会の状況がフランス革命前夜に似ていると言うことが読み取れ、これから世界がどこに向かっていくのかを知る手がかりになります。

  • Audible。国が滅ぶ典型的なパターンって面白すぎる。理屈も説得力がある。戦争周りは一聴では理解が難しいが、皇太子の暗殺をきっかけに第一次世界大戦が起こった、という教科書よりは格段に面白い。やっぱりお金が人を動かすよね(個人的というより、歴史的に)。傭兵は金かかるので徴兵制でナポレオン強かったとか、基軸通貨と金本位制の制度的矛盾とか、なぜ突然モンゴル帝国が急拡大したかとか、ふむー、というようなことがたくさんある。トップがその辺わかってないと崩壊する、ということから、経済と政治は両輪なんだなぁ(というより、経済を維持するためにはよい政治トップが前提)、というのも感想。よいトップを選ぶパターンがいまだ確率されてないのはなぜなんでしょうね。

    2018.1.18 Audible2回目。やはり面白いが、2回目としては近代がより面白く感じる。ただ、歴史の動きが早いので、経済の働きと各国の動きを同時に把握することは難しい。字の方がいいかも。

  • 経済面から世界史を説明した面白い本。これを読むと経済が引き金になって世界が動いているのがよくわかる。
    その時代の経済を生かすための地の利や知識があり、徴税システムがしっかりしている国が順番で発展していくのが興味深い。

    次はどこの国の時代か?

  • 歴史は戦争や革命で動く――そう思いがちだ。だが元国税調査官の大村大次郎は言う。「世界を動かしてきたのはお金の流れだ」と。黄金、石油、そしてデータを握る者が権力を持ち経済の変化が時代の価値観を変えてきた。通貨の形が変わっても人の欲と恐れは変わらない。だが同時に税や制度を通じて公正を守ろうとする力もまた人類の知恵である。金の流れを追えば世界の真の姿が見えてくる。

  • 世界史における様々な出来事を経済の視点から考察した1冊。一見何の関係もないような歴史でも、経済視点から見ると共通する要素があったりもする。例えば、「国が崩壊するときにありがちなパターン」として「財政システム・徴税システムに綻びが出る」があった。今の日本も、消費税の増減税等で意見が飛び交っているけど、果たして大丈夫なのか…。
    世界史好きの人にとっては、新たな歴史の見方に触れられて面白いかもです=(^.^)=

  • そうなんだ、と思える内容多かった

  • 「お金の流れ」「経済」を起点に歴史を解説する本。
    ・国の栄枯盛衰には一定のパターンがある。
    └徴税がうまくいっている間は富み栄える。
    └しかし、役人たちが腐敗して賄賂などをしだすと、国家財政が傾く
    └それを立て直すために、重税を課すと民からの不満が爆発しする
    └そのようにして国内で生まれた対抗勢力、または外国からの侵略者によって、その国の政権(王)が滅んでいく

    ・官僚組織は巨大化するほど腐敗しやすくなる
    ・ユダヤ人は世界中にネットワークを持っているので、商売がうまい
    ・また、ユダヤ人の国というのが数千年間なかったので、ピンチの時に助けになるお金の必要性が高かった

    ・通貨としての先駆けは紀元前1600年頃の中国の殷王朝
    └紀元前2000年頃のメソポタミア文明では、銀が通貨代わりになっていたが、単に重量によって価値が設定されていたので、通貨と呼ぶには難がある

    ・第二次世界大戦前後はアメリカの金保有率が7割ぐらいを占めていたので、アメリカ優勢にするためにブレトンウッズ体制を取り、金との間に平価を設定するのは米ドルだけにし、他の通貨は米ドルとの間で為替レートを決めることにした。
    ・世界恐慌の要因の1つは、アメリカが金を溜め込みすぎたため

  • いつも投資の話ばかりなので年初くらい俯瞰的な本を読もうと手に取った一冊。

    国家の栄枯盛衰は徴税システムの洗練度合いそしてその腐敗度合いにかかっていると言う事例を古代エジプト、ローマ、中国などから学べた。後半は概ね既知の情報が多かったかな。

  • お金という発明を通じて、人類は富や財産の価値をいかに永続化し、運搬や交換を容易にし、総量以上の価値をレバレッジしようととしてきたか。国家の栄華と衰退が本テーマではあるが、それに止まらず、人類のお金に対する探求や工夫の歴史が学べて面白かった!

  • 国家の盛衰パターン
    中央集権でしっかりしたルールで徴税→一部の階級が貴族化し財政悪化→中間層以下に重税を課し国民の不満が増える

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著者プロフィール

元国税調査官。国税局に10年間、主に法人税担当調査官として勤務。退職後、ビジネス関連を中心としたフリーライターとなる。単行本執筆、雑誌寄稿、ラジオ出演、『マルサ!!』(フジテレビ)や『ナサケの女』(テレビ朝日)の監修等で活躍している。ベストセラーとなった『あらゆる領収書は経費で落とせる』(中公新書ラクレ)をはじめ、税金・会計関連の著書多数。一方、学生のころよりお金や経済の歴史を研究し、別のペンネームでこれまでに30冊を超える著作を発表している。著書に、『会計の日本史』『経済危機の世界史』(清談社Publico)のほか、税金に関連する著作に『亡国の脱税』(ビジネス社)、「元国税調査官のウラ技」シリーズ(技術評論社)、『正しい脱税』(彩図社)、『ひとり社長の税金を逃れる方法』(かや書房)、『脱税の日本史』(宝島社)などがある。

「2025年 『本当は怖い税金の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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