閃光スクランブル (角川文庫)

  • KADOKAWA/角川書店
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レビュー : 37
  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041036242

感想・レビュー・書評

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  • 「閃光スクランブル」と「ピンクとグレー」には共通するものがある。
    ひとり取り残された者が持つ焦りや怖れ、そして孤独と絶望。
    この物語でも、亜希子と巧はどこか似た部分を持ちながら今を生きている。
    そして彼らはともに絶望しながらも、死ねないまま生きている。

    一般社会で暮していると、他人からの悪意や攻撃を直接受けることは少ない。
    それは何故か。
    攻撃してくる側にも生活があり、自分の生活を壊してまで攻撃をやり遂げるだけの覚悟がないからだ。
    その点インターネット上では、どんなに罵詈雑言を吐こうが誰かを攻撃しようが、そこには匿名であるという安心感がある。
    自分が直接被害を被る可能性は限りなく低い。
    だから面白半分で、暇つぶしで、苛立ちをぶつけることが出来る。
    どんなに努力しても、頑張っても、否定し続ける人たちの存在を知って心が折れてしまう亜希子。
    自分のせいで愛する人が死んでしまったと自分自身を責め続ける巧。
    ふたりとも心は満身創痍で、何をしたらいいのか、どこに向かっていいのか、わからなくなっている。
    たぶん亜希子も巧も、迷っている自覚はないのだろう。
    ただ、目の前のことに精一杯で、少しでも本当に見つめなければいけないことから逃げている。
    物語はふたりの新たな一歩を示唆して終わっている。
    道を見失ったふたりの姿は痛いほどに哀しい。
    けれど少しずつふたりの心が再生していくさまは、かすかな明るさを感じさせてくれる。
    否定するだけでは人は成長しない。
    そこから何かを掴みとり、立ち上がり、再び歩き出すことで人は成長していくのだろう。

    たかがアイドルの書いた小説。
    そんなふうに思う人もたくさんいるだろうし、実際には読んでもいないのに批判する人もいるだろう。
    けれどこの物語には、加藤シゲアキという作家の覚悟が込められている。
    欲を言えば少し唐突に感じる場面が何ヶ所かあった。
    その点だけが少し残念だった。

  • 予想外な方向に行きっぱなしで
    おもしろかった!

    加藤さんの本
    次も出たらまた読みたい!

  • 2017.2.14

  • 渋谷サーガの二作目。
    これは加藤さんの作品、という所がスタートで
    読み始めた。ピンクとグレーよりも
    ダークさがより強く、ねっとりした印象。
    SNSも絡んできて、前作よりもイマドキ、
    な感じを受ける。個人的には前作の方が好き。
    でも、加藤さんの文章が、思考が好きだなと
    再び思った。これを書いてる加藤さんは
    漢字の成亮さんなのではないかな、と
    勝手に考えてしまった。
    カタカナと漢字。どちらの彼も魅力的に思う。

  • 前作より面白い。後半の展開が早いで一気に読んでしまった。人生は思い通りにならない。確かに
    。次作も気になる。

  • 加藤シゲアキさんの2作目読了です。

    一作目はお借りして読んだピンクとグレー。
    NEWSというジャニーズアイドルグループに所属している
    加藤シゲアキが書く世界とはどんなものか?と期待して読み、
    想像以上に作家適性の高さに驚いたことを記憶しています。

    そのいい思い出が今作も読もうと思わされた一因ですが、
    実際に読んでみて良かったなぁと思いました。

    パパラッチの主人公が女性アイドルグループのスクープを追うという
    芸能界関連の舞台設定であり、
    その世界を知っている強みを生かしてますね。

    そして主人公の抱えている重い過去と
    スクープを狙われた女性アイドルの重い過去と
    それぞれが響きあってシンクロしていく様は
    なかなか美しいものがありました。
    色々と細かい設定もされていましたが、
    それぞれが物語の中でしっかり息づいていたのが
    力量を感じさせる一作だったと思います。

    結末も綺麗に終わってくれる作品でして、
    非常に読後感も良かったです。
    今後の加藤シゲアキ作品にも期待ですね。

  • 女性アイドルの行く末の話。

    出会いが人を変えるって言うのか、
    タイミングの問題なのか。

    運命が変わる、背中を押される出逢いをしてみたいなー

  • アイドルとパパラッチ。2人に接点できてからが話の展開早い。

  • 義父の多一郎や香緒里など魅力的な脇役にウルっとさせられる場面がたくさんありました。筆者がアイドルとして有名ゆえ、顔が目に浮かんでしまうということを逆手に取ったような作品でした。彼がどんな心情でこの小説を書いたのか、とても興味が湧きました。

  • ものすごく上から目線になりますが、読んでいてとっても「若々しい」なぁと思いました。勢いは凄いけど、途中笑ってしまうくらいクサいシーンや台詞があって気恥ずかしさすら感じます。また巧とアッキーが惹かれていく心情が薄過ぎて完全にストーリーの勢いについて行けてません。かなりエキセントリックに物事が進んでいくので、それがシーンのクサさと相まり「ギャグか?」としか思えない展開になります。私の場合は著者がジャニーズという事が良い方に働き最後まで読めましたが無理な人は無理だろうな。
    ただ芸能界という自分の得意なフィールドで勝負しているのは変に背伸びしてなくて良いなぁと思いました。

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著者プロフィール

加藤シゲアキ(かとう しげあき)
1987年生まれ、大阪府出身。青山学院大学法学部卒。2012年1月、『ピンクとグレー』で作家デビュー。同作は16年に映画化され、大ヒットした。以降『閃光スクランブル』『Burn.-バーン-』(以上、渋谷サーガ3部作)と年1作のペースで執筆を続ける。最新刊は『チュベローズで待ってる(AGE22・AGE32)』。NEWSのメンバーとして芸能界でも活躍の場を広げ、近年はドラマやバラエティ、情報番組などに出演し、アイドルと作家の両立が話題を呼んでいる。

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